松井章圭 極真の継承者

松井章圭 極真の継承者

世界大会でアンディ・フグに勝って優勝した後、選手を引退。 やがて大山倍達とケンカ別れして極真を飛び出した。 ‘‘イトマン事件‘‘を起こした許永中、``政界最後のフィクサー``と呼ばれた福本邦雄のもとで働き、3年後、復帰。 大山倍達の死後、極真会館の2代目館長に指名されるも、先輩や後輩である支部長たちと内紛が起こり、極真は分裂した。 一見、クールだが1番ガンコな松井章圭館長は、自らの信じる方向に進み、道を拓いていった。


1995年6月、有明コロシアムで第12回全日本ウエイト制大会が開催された。
軽量級は成嶋竜、中量級は瀬戸口雅昭、重量級は岩崎達也が優勝した。
岩崎達也は、師匠である廣重毅(城南支部長)は反松井派にいたが自らの意志で出場した。
それまで分裂騒動に対して、具体的な行動をとった選手はいなかった。
盲目的な服従というより、日々のハードなトレーニングと稽古で手一杯というところだろう。
しかしこの岩崎達也の勇気ある行動が、第6回世界大会を変えた。

1995年9月、第6回世界大会の2ヵ月前、分裂騒動を理由にテレビ朝日が世界大会のテレビ放映中止を決める。
反松井派は記者会見を開き声明を発表した。
「世界大会は有名無実である」
実際、国内の支部の大半が反松井派で、選手の数も層も反松井派の方が上回っていた。
しかしK-1を放映し、格闘技ブームを牽引していたフジテレビが急遽、世界大会の放映を決めた。


またブラジル支部の磯部清次師範は松井章圭の2代目を認め極真会館に残った。
これにより弟子であり世界最強の呼び声が高いフランシスコ・フィリョ、そしてその弟弟子であるグラウべ・フェイトーザも第6回世界大会に出場することになっていた。
岩崎達也同様、廣重毅の弟子だった八巻建志と数見肇は
「フィリョと戦いたい」
と第6回世界大会の出場を希望した。
広重殻は謝罪し、極真会館への復帰が認められた。
緑健児も広重殻の弟子だったが極真会館には戻らなかった。
三和純、岡本徹、吾孫子功二、入来武久、塚本徳臣、川原奈穂樹など城南支部の有力選手も反松井派に残った。
こうして城南支部は真っ二つになった。

第6回世界大会では、
「極真」
と書道家:野呂雅峰が書いた20畳の大きさの布が東京体育館の天井に吊り下げられた。
松井章圭は、氷柱を裏拳で割る演武を行った。
数見肇は、準々決勝でグラウべ・フェイトーザ、準決勝でフランシスコ・フィリョに勝った。
優勝は数見肇に勝った八巻建志だった。

黒澤浩樹との口論

「黒澤、お前、品川に道場出せ。
品川はお前の実家だろ」
「いいんですか?」
「もう関係ないから道場出せ。
いいよな、館長?」
「いや、もうどんどん出したらいいんですよ」
松井章圭と師匠であり、ランチェスター作戦を進める統括本部長でもある山田雅捻(城西支部長)のアドバイスもあって、黒澤浩樹は実家の駐車場に道場を建てる計画を持った。
を両親は快諾した。
その土地は道路建設のために都に売却する予定だったが、父親は息子が道場を出すために数千万の税金を払って土地を確保した。
しかし廣重殻が復帰したことで
「もう道場は出せない」
と告げられる。
松井支持派の中で廣重殻は「A級戦犯」といわれていた。
それがペナルティなしどころか役職つきで復帰したと思えば、そのせいで道場が出せないという。
納得できない黒澤浩樹に山田雅稔は
「黒澤、品川もいいけど名古屋で道場やらないか」
松井章圭は
「ぼくは知らない」
といった。
このとき松井章圭は胎をくくっていた。
「一貫して松井支持で踏ん張り続けた支部長たちの憤懣やるかたない思いを察しつつも一言居士(いちげんこじ、自分の意見をいわないと気のすまない人)が群雄割拠する極真会館をまとめあげるためには自分が清濁を併せ呑むしかない」
しかし黒澤浩樹は、大山倍達がいなくなった後、さまざまな面で極真は変わったと感じていた。
以後、松井章圭と黒澤浩樹は、何度か激しい口論をした。
「廣重師範は許せない」
「僕も個人的には許せないが、館長としては許さないといけない」
そして黒澤浩樹は極真会館を辞めた。
極真は黒澤浩樹にとって青春のすべてだった。
自分のすべてを賭けた。
「俺は極真だ」
極真を辞めてもその気持ちは変わらなかった。

極真開国

1996年7月、松井章圭、石井和義、フジテレビで会合が持たれた。
極真会館は、アンディ・フグの引き抜きに怒った大山倍達が絶縁して以来、正道会館との接触はなかった.
松井章圭は
「極真会館は、過去に行われた除名、破門、絶縁処分を解除する」
と宣言。
そして石井和義のオファーを受けて、フランシスコ・フィリョがK-1に参戦。
デビュー戦で、再びアンディ・フグを失神させた。
その後も連続KO劇を起こし「一撃」ブームを巻き起こした。

遺言書 無効

1996年10月16日、東京高等裁判所は、松井章圭の抗告を棄却。
遺言書は無効とした。
(松井章圭は抗告棄却審判に対して異議が申し立て特別抗告)
1997年3月17日、最高裁判所が特別抗告を棄却する。
遺言所の無効が確定。

1997年9月27日、6億円の保釈金を支払い保釈を受けた許永中は、妻の実家の法要を理由に裁判所の旅行許可を得て韓国に出国。
宿泊先のソウル新羅ホテルで倒れ、同市内の延世大付属セブランス病院心臓内科に入院した後に逃亡。
保釈を取り消されて6億円の保釈金は没取された。

世界各地で指導、育成、組織運営、新しい試み

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