決まりごとの説明をする宮里先生。子供たちは小声でブーイング
けん
船内を探検する3人。すぐに兵隊に怒られる。
けん
先生の「起きろ!」という怒鳴り声で目を覚ました3人。救命用ボートや筏が次々と海上に投げ出され、大人も子供も海に飛び込んでいく。黒砂糖の入った荷物を取りに下に戻ろうとする清だったが、下から甲板に出ようと上がって来る人たちに押され戻れず、突き飛ばされ落下しそうになる。荷物をあきらめ健治とふたたび合流したが、勇が目を見開いて死んでいた。勇の死体は濁流に呑まれていく。
「俺たちはいつでも一緒だ!」友情を誓い合った3人。清と健治は勇の体を追いかけるように海飛び込んだ。
荷物の下敷きになっていた健治と合流。
けん
「勇ちゃーん!」ピクリとも動かない勇むは海水に飲み込まれていく。
けん
健治は「俺たちはいつも一緒だ!」と清に言い、2人は勇の流れていった方向に飛び込む。
けん
海に飛び流れてきた筏に掴まる清。目の前には健治が流されていく。「健ちゃーん!」何度呼んでも健治は清を見ることも返事をすることもなかった。
けん
爆発しながら沈んでいく対馬丸。
けん
漂流
筏の奪い合い
けん
飢えと乾き
けん
夜の寒さ
けん
サメの恐怖
けん
生還
陽子の乗った筏は流されるままに島に漂着する。砂浜には無数の死体が並べられていた。呆然と見つめる陽子は弘子先生と再会した。
流れ着いた遺体なのか、辿り着いてすぐ亡くなったのか・・・。
けん
「ごめんね!ごめんね!」弘子先生は泣きながら謝り続けた。
けん
鹿児島の病院で検査をした陽子は「足の指を切断しなければならない」と診断されるが、けなげに「足くらいなくたって大丈夫!」と言う。病院内で弘子先生と陽子は宮里先生と再会する。
「戦争は武器を持たない人間を巻き込んだと身にしみてわかりました。疎開をすすめた私は子供たちにどう謝ったらいいのか。」と言う弘子先生に、「教育者としての信念は間違っていなかった。」と言う。
怒りで睨みつける陽子の顔をまともに見ることができない宮里先生。「娘のきょう子も5歳で戦死しました。」と、死んだ生徒やきょう子は戦死したと自分に言い聞かせる宮里先生に、「小さな子供を戦死させるなんて間違ってます!」弘子先生は声を震わせた。
陽子の怒りをまっすぐ向ける瞳に顔を背ける宮里先生。
けん
乗っていた筏が漁船に助けられた清は同じく生き残った子供たちと共に沖縄に戻された。家に帰される前に那覇警察署に連れて行かれ、「対馬丸のことを話したらスパイとみなす!スパイは銃殺!」と脅されたのだ。家に戻り何を聞かれても答えない清。母は毎日「帰ってこない子供たち」の家族から事情を聞いてくれと頼まれていて困り果てていた。それでも清は口を閉ざし、押入れの中で1人辛さに耐えるのだった。