フランシスコ・フィリォのトレーニング Training of Kyokushin Monster

フランシスコ・フィリォのトレーニング Training of Kyokushin Monster

地上最強の極真空手において、外国人初の世界大会優勝、100人組手も達成した。K-1にも参戦し「一撃」旋風を巻き起こした。その肉体、身体能力、技術など外的な強さだけでなく、サムライ的、精神的な強さも際立っている。


1997年当時のフィリョ

1997年当時のフランシスコ・フィリョといえば
極真空手の第1回全世界ウェイト制空手道選手権大会重量級で優勝した頃,
そしてK-1に初参戦した頃である。
その相手は前年度のK-1GP王者、アンディ・フグだった。
フランシスコ・フィリョとアンディ・フグには過去に大きな因縁があった。
それは極真空手の第5回世界大会で対戦したときのことである。

極真空手世界大会でアンディ・フグとの対戦

極真空手の第5回世界大会で
フランシスコ・フィリョとアンディ・フグは対戦した。
戦いは蹴りが得意な選手同士、高い蹴りが飛び交う華麗で危険な攻防戦となった。
試合終盤、両者がもつれ審判が「やめ」をコールしたその瞬間、
アンディはガードを解き
フィリョは(故意ではないが)アンディの顔面にキックを入れ
アンディは失神してしまうという事態となった。
当然、アンディサイドはフィリョの「反則!負け」を主張した。

「極真空手は武道である」

これに対し極真空手の長、大山倍達は
「極真空手は武道であるッ! 
これは試合とはいえ真剣勝負であるッ! 
真剣勝負には待てなど存在しない
待ての合図があったなどという言い訳は通用しない
明らかにこの試合は気を抜いたアンディの負けである」
という非常に厳しい裁定が下した

4年後の世界大会優勝に向けて

チューブトレーニング

こうして優勝候補だったアンディ・フグに勝ったフランシスコ・フィリョだったが
トーナメントで優勝することはできず、ベスト16となり、敢闘賞を受賞した。
フィリョの師、極真空手ブラジル支部長、磯部師範はこういう。
「そのときはベスト8で判定で負けてしまったんです。
ラテン気質というか
目標まではがんばるがそれを達成したらそれでおしまいという感じですよね。
(試合前、フィリョは「打倒、アンディ・フグ」を目標に練習していた。)
これじゃあチャンピオンになるというのは生易しいことではない。
選手育成はやめたと彼達を呼んで宣言したんです。
そうするとフランシスコが「本当に辞めてしまうのか」っていうんですよね。
「次の世界大会までの4年間だけ教えてくれないか」って頼むので
「本当に投げ出さないでがんばるか」って聞いたら、
「どんなことでも我慢しますから教えてくれ」っていったんです」
こうして4年後の世界大会優勝に向けて
フィリョはハードなトレーニングをこなしていった。
また新しいトレーニングも導入された。
チューブトレーニングもその1つで
フィリョは手足に太いゴムチューブをつけてサンドバックを突いて蹴る。
ゴムチューブを外すと羽が生えたように体が軽かった。

K-1でアンディー・フグとの対戦

しかし世界大会での大山倍達の裁定がきっかけとなって
アンディ・フグは極真会館を去り、正道会館に移籍することになった。
このアンディの引き抜きに対し、大山倍達は怒り、一方的に正道会館との絶縁を宣言した。
こうして極真会館と正道会館は犬猿の仲となり、互いにしのぎをけずりあった。
そして大山倍達が死後、、松井章圭がその跡を継いだ。
松井は正道会館との絶縁の解消し、フィリョのK-1参戦が決まった。

戦前の予想は「アンディ有利」だった。
その理由は、
フィリョは顔面アリのルールは初めてであること
(極真空手のルールは顔面への攻撃は蹴り技のみ、突きや肘などの手技を認めない)
アンディが前年度のK-1の王者であることだった。
が、結果は、1R、フィリオの右フックでアンディは失神してしまった。
フィリョはその後も快進撃を続け「一撃ブーム」を起こした。
この年のK-1GPは準決勝まで進んだ。
(準決勝で王者となったアーネストホーストに判定負け)
その強さでK-1のリングでブームを起こし多くのファンを獲得し愛されたフィリョだったが
彼の最大の夢はあくまで極真空手の世界大会だった。
(体重別の世界大会ではすでに世界王者だったが無差別の世界大会では勝っていない。)
このような状況で1997年当時のフィリョは稽古とトレーニングに明け暮れていた。

関連する投稿


桜庭和志  初代タイガーマスク、新日本プロレス、UWFに魅せられ、「プロレスこそ最強」のUWFインターナショナルに入団

桜庭和志 初代タイガーマスク、新日本プロレス、UWFに魅せられ、「プロレスこそ最強」のUWFインターナショナルに入団

かつてサムライの国がブラジルの柔術にガチの勝負で負けて「日本最弱」といわれた時代、舞い降りた救世主は、180cm、85kg、面白い上に恐ろしく強いプロレスラーだった。


渡辺美奈代(52)の次男・矢島名月(18)が「K-1アマチュア大会」で初勝利を飾る!!

渡辺美奈代(52)の次男・矢島名月(18)が「K-1アマチュア大会」で初勝利を飾る!!

6月12日(日)東京・GENスポーツパレスにて「第45回K-1アマチュア~交流大会~」が行われ、歌手でタレントの渡辺美奈代の次男・矢島名月が出場。K-1ジム五反田所属として、Cクラス・ワンマッチに出場した名月は5ポイント先取で勝利を収めました。


「20世紀最強の暴君」ピーター・アーツ(50)が長男とのミット打ち動画を公開!その他最新情報もピックアップ!

「20世紀最強の暴君」ピーター・アーツ(50)が長男とのミット打ち動画を公開!その他最新情報もピックアップ!

“20世紀最強の暴君”として90年代にK-1などで活躍したピーター・アーツ(50)がこのたび、自身のインスタグラムにて長男であるマルシアーノ・アーツのミット打ちの相手をしている映像を公開し、ファンを中心に大きな話題となっています。


すべての力を一つに!体と心を元気に出来る「ファイトネス」

すべての力を一つに!体と心を元気に出来る「ファイトネス」

こんな時代にこそポジティブに生きる力を。テレワークが主体となった現代社会、体と心を自ら整えることは非常に大切です。多くのビジネスエリートが取り組んでいる「ファイトネス」主宰の大山峻護さん。総合格闘技の世界で数多の死線を乗り越えた末に編み出したメソッドをぜひ体験してください。


科学的に証明された、心を強くするストレッチ本が登場!

科学的に証明された、心を強くするストレッチ本が登場!

こんな時代にこそポジティブに生きる力を。自分の心をポジティブにコントロールするための、とても分かりやすいストレッチ本が登場です。執筆したのは元・総合格闘家の大山峻護さんと明治大学教授の堀田秀吾先生。度重なる死闘の度に自らを奮い立たせるために編み出したストレッチは「体で心をポジティブにコントロールする」出来る術となりました。


最新の投稿


昭和ノスタルジー全開!淡路島ゴジラコラボルーム「昭和東宝怪獣資料室」12/20オープン

昭和ノスタルジー全開!淡路島ゴジラコラボルーム「昭和東宝怪獣資料室」12/20オープン

淡路島のラグジュアリーヴィラ「GRAND CHARIOT 北斗七星135°」に、ゴジラコラボルーム『昭和東宝怪獣資料室』が2025年12月20日(土)オープンします。昭和東宝特撮映画に登場した怪獣たちが大集合し、複製台本や兵器の立体展示に加えて、ちゃぶ台や座布団を配した“昭和レトロ”な空間を再現。宿泊者限定でキングギドラのデザイン画アートボードなどの特典も充実しています。


熱海市×スナック横丁「熱海スナックツアー」販売開始!飲む人も飲まない人も楽しめる夜の熱海体験

熱海市×スナック横丁「熱海スナックツアー」販売開始!飲む人も飲まない人も楽しめる夜の熱海体験

オンラインスナック横丁文化株式会社は、熱海市、アサヒビール、JTBと連携し、体験型ナイトツアー「熱海スナックツアー」を12月10日より販売開始しました。昭和の趣が残る熱海銀座を舞台に、ガイド付きでスナック2軒を巡り、ノンアルコール対応のモクテルや人情味あふれるママとの交流を楽しむ、新しいナイトカルチャーを提案します。


歌声と美食に酔いしれる夜!昭和レトロアイドル増田樹乃の限定10名プレミアムディナーショー

歌声と美食に酔いしれる夜!昭和レトロアイドル増田樹乃の限定10名プレミアムディナーショー

複合型リゾート「オーパークおごせ」(埼玉県入間郡)は、昭和レトロなアイドル・増田樹乃氏によるスペシャルディナーショーを2026年2月7日(土)に開催します。限定10名というプレミアムな企画で、埼玉県の食材をテーマにした全8皿の豪華フルコースとライブパフォーマンスを提供。参加者にはサイン入りボトルワインもプレゼントされ、非日常的な空間で特別な夜を過ごせます。


ビックリマンAI名刺メーカー爆誕!あなたの顔が「スーパーゼウス」風に?40周年記念企画

ビックリマンAI名刺メーカー爆誕!あなたの顔が「スーパーゼウス」風に?40周年記念企画

ビックリマン「悪魔VS天使シリーズ」40周年を記念し、アル株式会社とロッテが共同で「ビックリマンAI名刺メーカー」を2025年12月16日から40日間限定で提供します。ユーザーが自身の顔写真をアップロードすると、生成AIがビックリマン風のキャラクター画像に変換。公式キャラと融合した名刺デザインを作成・購入でき、ファンが物語の登場人物になる体験を提供します。


タブレット純が語り尽くす!伝説の「エレックレコード」秘話&秘蔵映像を映画館で

タブレット純が語り尽くす!伝説の「エレックレコード」秘話&秘蔵映像を映画館で

神奈川県民ホールは、音楽イベント「KANAGAWA ロックサーキット」の第3弾として「タブレット純 フォークを語る~伝説のレーベル『エレックレコード』トーク&上映会~」を2026年1月23日にイオンシネマ座間にて開催します。昭和歌謡の伝道者・タブレット純氏とMUSIC LIFE CLUBの井口吾郎氏が、吉田拓郎、海援隊などを輩出したエレックレコードの知られざるアートと音楽カルチャーの軌跡を解き明かします。