デビュー戦の相手は大森ゆかりだった
年間8試合
デビュー戦を終えたものの、
その後、なかなか試合がなかった
2リーグ制が廃止されA、Bチームが1つに統一され
たとえ年間200大会行われても
選手が多すぎるために
新人が出場できる機会は少なかった
長与は1年で8試合しか出られなかった
長与は寮を出て4畳半で家賃2万円のアパートを借りていたが
家賃滞納で2度追い出された
デビル雅美と長与千種
救ったのはデビル雅美だった
「みっともないからこれで家賃を払ってうちに来なさい」
とお金を渡し
長与を自分のマンションに住まわせた
ライオネス飛鳥とケンカマッチ
ミミ萩原(中)をガードするライオネス飛鳥(左)と長与千種(右)
プロ入り3年
長与は不完全燃焼のまま日々を送っていた
そんなときライオネス飛鳥の持つタイトルへの挑戦が決まったのである
そのころ長与は
蹴りを主体にしたスタイルを完成させつつあったが
「体が小さい特長のないつまらない選手」
一方の飛鳥も、
「強いけれど平均的でつまらない選手」
という評価しかなかった
試合前日、
長与は飛鳥に持ちかけた
「今までにない試合をしよう
嫌かもしれないけど殴って蹴って絞めて反って投げる
どんなにやられても私は立ち上がるから」
長与は
もしずっとこのままなら
プロレスをやめたほうがいいと思っていた
もしかすると飛鳥もそうだったのかもしれない
彼女は答えた
「わかった」
長与と飛鳥の試合は
顔面を張り合い
蹴り合い
投げ合い
関節を極め合う展開になった
まるでケンカだ
場内は異様なムードに包まれた
長与は試合には負けたが
かつてなかった熱狂と興奮を感じた