Gスピリッツ選集 第三巻 武藤敬司篇
日本のプロレス史において、これほどまでに「華」と「実力」を兼ね備え、ジャンルの境界線を飛び越えて愛されたレスラーが他にいただろうか。2023年に惜しまれつつ現役を引退した“プロレスリング・マスター”武藤敬司。彼の輝かしい足跡と、知られざる舞台裏の証言を一挙に収録したファン待望の一冊『Gスピリッツ選集 第三巻 武藤敬司篇』(辰巳出版)が、2026年3月6日に発売された。
専門誌『Gスピリッツ』が切り取った「武藤敬司」の真実
本作は、コアなプロレスファンから絶大な信頼を寄せる専門誌『Gスピリッツ』に過去掲載された、武藤敬司にまつわる膨大なインタビューや対談を再編集したアンソロジーシリーズの第3弾だ。
武藤敬司というレスラーは、ある時は「スペース・ローン・ウルフ」として新時代の旗手となり、ある時は悪の化身「グレート・ムタ」として全米を震撼させ、またある時は新日本プロレス、全日本プロレス、プロレスリング・ノアという主要3団体のヘビー級王座を制覇する金字塔を打ち立てた。本書では、その多面的なキャリアを、本人自らが語る言葉によって立体的に浮き彫りにしていく。
黄金期を共創した者たちとの「対談」と「証言」
今巻の大きな見どころは、武藤のレスラー人生において重要なターニングポイントとなった人物たちとの対談や証言集だ。
「グレート・ムタ」の先駆者であり“毒霧”のオリジネーターでもあるザ・グレート・カブキ。アメリカでの武藤を支えたケンドー・ナガサキ。全日本プロレス時代を共に歩んだカズ・ハヤシ。そして、数々の名勝負を至近距離で見守り続けたタイガー服部レフェリー。
彼らとの対話からは、リング上の攻防だけでは見えてこない、プロレスラーとしての矜持や戦略、そして当時の過酷なプロレス界の空気感が生々しく伝わってくる。特に、平成の新日本プロレス黄金期を振り返るエピソード群は、当時の熱狂を知るファンにはたまらない内容となっている。
2度の海外武者修行で世話になったケンドー・ナガサキとの記念すべき初対談
グレート・ムタのルーツであるザ・グレート・カブキとの親子対談
カズ・ハヤシと共に「武藤・全日本」の悲喜こもごもを回顧
タイガー服部レフェリーと若手時代から引退試合までを語り尽くす!
2026年の視点で語る「新録インタビュー」も収録
さらに本書の価値を高めているのが、今回の選集発売にあたって新たに行われた「新録インタビュー」の存在だ。引退から数年が経過し、客観的に自身のキャリアを見つめ直せるようになった現在の武藤敬司が、改めて「平成・新日本プロレス黄金期」をどう捉えているのか。過去のインタビュー記事を単に並べるだけでなく、現在の視点を加えることで、歴史資料としての深みがより一層増している。
デビュー戦から初のアメリカ武者修行に出発するまでの1年間を回想
武藤はスペース・ローン・ウルフ時代をどういう思いで生き抜いたのか?
アメリカのWCWで誕生した“悪の化身”グレート・ムタの実像を明かす
90年代の新日本プロレス黄金期を現在の視点から改めてプレイバック
新日本プロレス時代のグレート・ムタは、アメリカ時代と何が違うのか?
2018年7月に亡くなったマサ斎藤との思い出を振り返る
グレート・ムタが全日本プロレスで復活した経緯とは?
盟友にして闘魂三銃士の同志・橋本真也と過ごした日々を述懐