クラッシュギャルズの活動は
プロレスだけにとどまらず
「炎の聖書」「嵐の伝説」などのヒット曲を飛ばし
CDの総売り上げ83万枚
コンサート動員数21万人
ブロマイドの売上げも1位
社会現象の1つとなった
生活は激変した
朝起きるとすぐに取材、テレビ出演
何本もの番組に出て
大会前の歌のコーナーに間に合うよう会場に着いて試合
どこへ行っても超満員だから力を抜くなんて絶対に許されない
試合が終わるとコスチュームのままタクシーに乗り込んでテレビ局に向かう
試合が終わった後にリング上から歌番組の生中継
1日の仕事が終わっても
家には帰れず
会社の駐車場の車で1時間ほど仮眠して
翌日の仕事へなんて日もあった
「極悪同盟」との抗争
ダンプ松本率いる「極悪同盟」との抗争で
長与が凶器攻撃で流血したりすると
極悪同盟はクラッシュファンから生卵やカップ麺を投げつけられた
長与千種 vs ダンプ松本
負けた方が髪を切るという「髪切りデスマッチ」では
激戦の末、ダンプが勝利し、
1万人の女性ファンが見守る中、長与は屈辱の丸坊主になった
試合終了後、
勝利したダンプやブルが乗った「極悪同盟」のバスを
怒り狂ったクラッシュギャルズのファン600人以上に取り囲みバスを揺らし始めた
バスの中では
悪役レスラーたちが
「どうしよ~
このまま倒れちゃうのかな~」
「どうしよ~
頭守らなきゃ」
と乙女な言葉が飛び交っていた
Rainmaker
「レインメーカー」という業界用語がある
それは「金の雨が降る」という意味で
クラッシュギャルズはまさに「レインメーカー」だった。
全日本女子プロレスは目黒区の一等地に自社ビルを建てて道場と事務所を新装した
クラッシュギャルズの2年目に
会社は「特別ボーナス」として1000万円を長与に用意した
【連載】長与千種「レジェンドの告白」
ライオネス飛鳥との決別
華奢な長与が
極悪同盟に血だるまにされ苦痛に顔を歪め
耐えに耐えてライオネス飛鳥にタッチする
そして飛鳥は相手を蹴散らす
しかし客が感情移入するのは長与だった
飛鳥はプロレスラーとして肉体的能力では圧倒的に勝っているのに
人気では長与に負けた
飛鳥の中に大量の不満やストレスが鬱積した
飛鳥は誰とも話さなくていいように
常に音楽のかかっていないウォークマンのヘッドフォンを耳につけるようになった
そしてファンとも選手、関係者とも口をきかなかった
「お前、死神に取り憑かれたね」
また飛鳥は
アイドル歌手:伊藤さやかに心酔し
数千万円を彼女のライブ活動などに投資した
伊藤さやかが
「あなたのイメージカラーは黒よ」
というと
試合着を黒に替え黒いサングラスをした
そんな飛鳥を長与は罵った
「お前、死神に取り憑かれたね」
そして女子プロレス専門誌にも
「いま闘いたい相手は飛鳥についてる死神なの
ぶっつぶしてやりたい
殺してやりたい
息の根止めてやりたい」
というコメントを載せた
このインタビュー記事を読んだ飛鳥は激怒し
ファンへの直筆メッセージを写真製版で載せることを要求した
「活字ではどう編集されるかわからない」からだという
当時の飛鳥の人間不信ぶりが伝わるエピソードである