1989年バブル絶頂~2004年球界再編問題「たかが選手が」球団vs選手会  ライブドアvs楽天  旧vs新  置き去りになった近鉄ファン

1989年バブル絶頂~2004年球界再編問題「たかが選手が」球団vs選手会 ライブドアvs楽天 旧vs新 置き去りになった近鉄ファン

近鉄とオリックスの合併、球界再編問題、ストライキ、IT企業のプロ野球参入合戦、近鉄バッファローズ消滅、オリックスバッファローズ、楽天イーグルス誕生 夢と感動がいっぱいのプロ野球の裏側では、それを支えるドロドロの利権と古い体質を持つ巨大な権力があった。


時給15000円

1989年、日本は好景気の真っ只中。
東京都の山手線の内側の土地だけでアメリカ全土を超えるほど地価は高騰。
株価は史上最高の38957円44銭。
大企業は投資や買収に明け暮れた。
地上げ屋は、1着数十万円のスーツを着て、物件を担保にして資金を借りて、別の物件を買うというやり方を繰り返し、1年で数十億円を稼ぎ、数億円を使って遊んだ。
その地上げ屋の社長に月々100万円をもらう愛人は、彼氏持ちの専門学校生で、銀座のホステスのアルバイトは時給15000円だった。
銀行は担保さえあればいくらでも金を貸し、東京の街は、おしゃれな店や飲食店、夜遊びスポットが乱立。
若者はアフター5を謳歌した。
若い男性は、おしゃれな店、ファッション、車、ウインタースポーツ、音楽、コンサート、異性とのコミュニケーションに燃えた。
特にクリスマスは特に大変だった。
高級店ディナー 、高級プレゼント、 きれいな夜景のみえる高級ホテルで一夜というのがノルマだった。
事前に高級レストランの予約、高級プレゼント確保、高級ホテル予約をクリアした上で、海岸で花束を持って体に電飾を巻いて彼女を待つナイスガイもいた。
若い女性は、ボディコン、高級ブランド、勝負服、勝負下着をまとってディスコで踊り、男どもを操る術を磨き、高級ブランドや高級車、マンションをプレゼントさせるツワモノもいた。
お金持ちも一般ピープルも、とにかくみんなお金をよく使った。
「お金は使わなければいけない」
一種の強迫観念さえ存在した。

今思えば、プロ野球もおかしくなっていたのかもしれない。
この年、福岡ダイエーホークス(現:福岡ソフトバンクホークス)が誕生した。
前年、南海ホークスが、福岡で大規模な再開発事業を計画していたダイエーに売却された。
大規模な再開発事業とは福岡市西部にある埋め立て地の臨海開発地区:シーサイドももちでの複合レジャー施設だった。
翌年にはシーサイドももちのお披露目イベントとして「アジア太平洋博覧会」を開催。
博覧会終了後、ホークスタウンの建設が始まり、1993年には日本で2番目のドーム球場となる福岡ドームができ、現在でもホークスの本拠地となっている。
当初の計画ではもう1つドームが建設される予定だったが、景気後退とダイエーの事業不振でツインドームは実現できなかった。

1989年9月23日、西武 vs ロッテの4回裏、ロッテの平沼定晴投手の初球ストレートが、清原和博の左肘を直撃。
清原和博は平沼定晴にバットを投げつけマウンドに走った。
平沼定晴も逃げずに応戦したが、ヒップアタックで倒された。
その後、両チーム、グラウンドに乱入。
45000人の観衆の前でバトルロワイアルが行われた。
この年、セリーグの年間観客動員数は1204万8500人で、1試合平均3万894人。
パリーグは年間観客動員数が876万8000人、1試合平均2万2500人。
野球の実力では決してひけをとらないが、人気という点でパリーグはセリーグに大きく差をつけられていた。
しかし西武ライオンズは、セリーグの大洋ホエールズや広島東洋カープのみならず阪神タイガースより観客動員数が多い人気球団だった。
1989年シーズン、西武ライオンズは3位に終わった。
西武鉄道と不動産を手掛ける西武ライオンズオーナー:堤義明は、
「まあ監督が(来年も)やりたいんならどうぞ」
と堂々と上から目線発言。
批判を浴びた。

1989年のプロ野球の日本シリーズは、巨人 vs 近鉄だった。
近鉄が2連勝して迎えた第3戦。
近鉄バッファローズの先発:加藤哲郎は、6回1/3を投げ、3安打無失点で勝利投手となった。
「今の巨人なら(パリーグ最下位だった)ロッテの方が強い。
このチームに負けたら西武、オリックスに申し訳ない
明日(優勝が)決まるから、もう(自分が)登板することはないでしょう」
とイケイケの関西らしく、3勝0敗で日本一に王手をかけたチームの勢いそのままにいい放った。
しかし相手は巨人。
世界のポリスを自負するアメリカ同様、日本のプロ野球の秩序を守るため、強大な権力をバックに持つ最強球団は、調子にノッた関西球団の撲滅を誓った。
そしてその後、一気に4連勝の大逆転で日本一となった。
加藤哲郎投手は、10年で17勝12敗、防御率4.60と成績的には平凡な投手だが、現在でも解説者やタレントとして活動中。
おそらく、いや間違いなく、あの要らぬ一言のおかげである。
1980年代後半から1991年にかけて発生した好景気は「バブル」と呼ばれた。
少し異常だったのかもしれないが、明るくても面白い時代だった。
そしてそれは「泡」のようにはじけて終わった。

合併

2004年1月31日、バブル期の事業拡大策が裏目に出て有利子負債が1兆3000億円に達した近鉄は、
・北勢線を三岐鉄道へ譲渡
・東京近鉄観光バス他2社をクリスタルへの売却
・都ホテルや近鉄百貨店の不採算店舗の閉鎖
・大日本土木に対する民事再生手続開始申請
・OSK日本歌劇団への援助打ち切り
など様々なリストラを行った。
年間40億円といわれる赤字を出していた「近鉄バッファローズ」の保有も大きな問題となり、球団名から「近鉄」を外して命名権を売り出すと発表。
2月5日、発表から数日後、他球団からクレームを受け取り下げた。
窮した近鉄は球団の売却、あるいは清算を考え始めた。

オリックス会長で球団オーナーでもある宮内義彦は近鉄に合併を勧めた。
5月31日、日本経済新聞がオリックスと近鉄の合併交渉を朝刊1面で報じた。
同日、近鉄は記者会見を開き交渉の事実を認めた。
その中で近鉄本社の山口昌紀社長は
「(球団は)回収の見込みがない経営資源」
と発言した。
パリーグは理事会を緊急招集し、両球団から事実関係の説明を受けた。
そして他の4球団は合併に賛成した。
6月21日、プロ野球実行委員会が開かれ、セリーグ6球団を含め10球団が「了承」した。
しかし選手に対する救済措置など未確定の部分が多く合併に必要な「承認」は得られなかった。

1リーグ制


問題の根本には世の中全体の不景気があり、さらにセリーグに比べ集客力が少ないパリーグの球団の経営難があった。
この解決策として巨人オーナー:渡邉恒雄、西武ライオンズオーナー:堤義明、オリックスオーナー:宮内義彦らは、
「現在の12球団2リーグ制から球団の数を削減し8~10球団1リーグ制にする」
という案を発表した。
オリックスと近鉄は合併へ向けて
・新会社の出資比率はオリックス80%、近鉄本社20%
・本拠地は兵庫県(オリックス)と大阪府(近鉄)を併用
・確保できる選手は両球団あわせて28人。
など具体的な話し合いを進めた。
しかし12球団の代表者会議でセリーグ側の同意が得られなかった。
特に阪神タイガースはダブル本拠地に強硬に反対。
28人枠についても新人選手・フリーエージェント選手・外国人選手の扱いを巡って紛糾した。
数日後、オーナー会議が開かれ
「両球団の新球団への保有選手は25人」
「大阪府と兵庫県のダブル本拠地は暫定的に2005~2007年の3年間認める」
とされ、大筋で合併が了承されたが、未確定の条項があるため、正式承認は合併合意書への調印と実行委員会の承認を待って9月に開催予定の臨時オーナー会議で行うとされた。
またこの会議で西武ライオンズオーナー:堤義明は
「西武ライオンズ、千葉ロッテマリーンズ、北海道日本ハムファイターズ、福岡ダイエーホークスの4球団間で新たな合併を模索している」
西武ライオンズが他球団と合併する可能性、そして「1リーグ10球団制」の実現を示唆した。
巨人、西武、オリックスら1リーグ推進派は、ヤクルトを中日ドラゴンズに、広島を阪神に吸収合併させることも検討していた。
しかし阪神、広島、中日は1リーグ化に反対していた。
同日、日本で唯一の市民球団である広島東洋カープのオーナー:松田元は警鐘を鳴らした。
「あまりにも話が早く進みすぎる。
もっと慎重にすべきだ。
あまりにも経営者サイドでものをみすぎだと思う」
翌日、ロッテオーナー:重光昭夫は
「来季のパリーグを5球団で運営した場合、球団の赤字が5億~10億円程度増加する」
と1リーグ10球団化の必要性を強調した。

ライブドア新規参入表明 救世主 ホリエモン

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