オリジナルの“まちぶせ”
女学生の微妙な心理を巧みに描いた「まちぶせ」という曲があります。まず間違いなく名曲です。歌っていたのは三木聖子で、彼女のデビュー曲でした。

三木聖子
発売は1976年6月25日。
三木聖子は前年にTBSドラマ「悪魔のようなあいつ」で主人公の妹役でデビューしています。プロダクションも相当力を入れていたようですね。しかし、その甲斐なくオリコンでの最高順位47位と振るいませんでした。
ただ、楽曲の良さは当時から際立っていて知る人ぞ知る名曲として語り継がれることになります。
三木聖子の「まちぶせ」は、ハイトーンをやや苦しそうに歌っており、この曲のテーマ「片思い」の刹那さを感じさせてくれて、悠々と歌っている
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それにしても三木聖子、美人ですね。もっと売れても良かったと思いますが、アイドルにしてはキレイ過ぎたのかもしれません。
女学生の可愛らしくも意地悪な心情をラブソングとした歌詞が秀逸ですが、三木聖子の実体験に基づいて作られたのだそうですよ。
大ヒットした“まちぶせ”
三木聖子の「まちぶせ」から5年後の1981年、石川ひとみがカバーし大ヒットします。一般に知られているのはこのバージョンでしょう。

石川ひとみ
三木聖子がシングルを3枚発売しただけで早々に結婚、引退したこともあり、「まちぶせ」といえば石川ひとみですね。
「まちぶせ」は石川ひとみにとって現在のところ最大のヒット曲ですが、実は11枚目のシングルで、やっと掴んだヒット曲だったんです。当時彼女は22歳。なかなかの苦労人というか、遅咲きのアイドルでした。
いやぁ、カワイイ!輝いてますねぇ。
因みに「まちぶせ」に続く石川ひとみのシングルは「三枚の写真」です。実はこの曲も三木聖子の3枚目のシングルでカバーでした。
作者の“まちぶせ”
「まちぶせ」を作ったのは作詞・作曲ともにユーミンです。当時は荒井由実を名乗っていました。そのユーミンも1996年7月15日に28枚目のシングルとして発売しています。三木聖子から20年後ということですね。

まちぶせ
「まちぶせ」は、アルバム「Cowgirl Dreamin' 」にも収録されています。

Cowgirl Dreamin'
ユーミンのご主人であり「まちぶせ」のアレンジを担当した松任谷正隆も「彼女でないと書けない詞の世界」と評していますが、確かに素晴らしい!
2番に「彼女がフラれたと噂に聞いた」という歌詞がありますが、ここは「2人が別れたと噂に聞いた」としてもよかったと思います。あえて「彼女がフラれた」としたところにこの歌詞の主人公同様に作者の女としての意地悪さを観る思いがします。
それも含めて、いえ、だからこそこの曲はリアルで素晴らしいものになったのでしょう。
因みに“まちぶせ”という言葉は歌詞には出てこないんですよね。タイトルにしか使われていないんです。考え抜かれてますよねぇ。さすがはユーミン!
元ネタの“まちぶせ”
ユーミンが「まちぶせ」を作る際にインスパイアされたと言われているのがフランソワーズ・アルディの「 さよならを教えて」です。

さよならを教えて
フランソワーズ・アルディはフランスの歌手であり女優です。「さよならを教えて」は1968年に発売され大ヒットしました。因みに作詞は何かとお騒がせなセルジュ・ゲンスブールです。
カバーされ続ける“まちぶせ”
國府田マリ子 が1996年にシングルとして発売しています。
日本のポップスにおいては珍しいのではないかと思うほど、今日まで様々なアーティストにカバーされ続けている「まちぶせ」。
悪く言えば、ストーカー的な内容ですし、底意地の悪い女学生の歌と言えなくもありません。しかし、同時に意地らしく可愛くもあるという魅力を持った曲ですね。
最近でもJUJUが歌っています。
変わったところでは、「けいおん」などで知られる声優の豊崎愛生もカバーしています。
更にはAKB48の柏木由紀と石川ひとみのデュエットという珍しいものもあります。
柏木由紀はともかくとして、石川ひとみ可愛すぎませんか?!若いという言葉だけでは済まされないような、奇跡的といっていいほどですね。高音も相変わらずきれいに出てます。
カバーしているのは女性だけではありません。徳永英明がやってくれています。

VOCALIST3
徳永英明の「まちぶせ」は、名曲ばかりを集めたカバーアルバムである「VOCALIST3 」で聴くことが出来ます。
お聞かせできないのが残念ですが、もしかすると、このカバーが一番いいかもしれないという出来栄えですよ。
これからも「まちぶせ」は、カバーされ続けていくのでしょうねぇ。楽しみです!