利助役 左とん平
玉やん役 あき竹城
松やん役 高田順子
ストーリー
おりんは69歳。元気に働いてはいたが、今年楢山参りを迎えようとしていた。「楢山参り」とは70歳を迎えた冬に皆、楢山へ行くのが貧しい村の食糧事情を支える掟(食い扶持を1人減らす)であり、山の神を敬う村人達の最高の信心だった。
【山へ行く=死】を意味している。おりんの夫も自身の母親の楢山参りの年、精神的重圧からか?失踪していた。おりんの長男、辰平に後添(辰平は前妻を事故で亡くしている)がくることが決まり、おりんはこれで安心して楢山へ行けると喜ぶ。
楢山祭りの日に向う村から玉やんが辰平の所に嫁に来た。おりんは玉やんを気に入る。
夜、犬のシロに夜這いをかけていた利助は、「自分が死んだら村の奴(ヤッコ)達を一晩ずつ娘のおえいの花婿にさせる」という新屋敷の主の遺言を聞き胸踊らせる。
同じ頃辰平の家では、けさ吉の嫁として、腹の大きくなった「村1番ふしだらな女」松やんも含めた7人世帯になっていた。そんなある夜、おりんは芋を持って出て行く松やんを見てしまう。松やんの実家は、貧しい村の中でも1番と言っていいほどの貧乏所帯だった。
これに怒った辰平は、戻って来た松やんを崖から落そうとしたが腹の子を思いやめる。
数日後、闇夜に「楢山様に謝るぞ!」の声が響く。松やんの父が、他家に豆かすを盗みに入って捕まったのだ。食料を盗むことは許されない村の重罪だった。二代続いて楢山へ謝った松やん一家は、代々泥棒の血統と見なされ、翌日の夜、男達に縄で縛られ松やんを含め全員生き埋めにされた。
新屋敷の主が死に、おえいは遺言を実行していた(毎晩入れ替わり奴達が旦那になり一夜を共にする)が、利助だけは抜かした。自分だけ抜かされている事実に怒り狂う利助を見かねて、おりんは親しい婆さんに身替りを頼む。これで何も案ずることなく楢山参りに向かうことができるとホッとするおりん。
秋も深くなり、おりんは「明日山へ行く」と告げ、その夜に山へ行く為の儀式が行われた。とうとう夜が更け、嫌がる辰平を責め立て、おりんは楢山参りのため辰平の背負いかごに乗り揺られていった。