【1983年の洋楽】なぜこんなことに・・・原題と違いすぎる不思議な邦題7選!

【1983年の洋楽】なぜこんなことに・・・原題と違いすぎる不思議な邦題7選!

洋楽の邦題というと、最近は原題をそのままカタカナにすることがほとんどですが、1980年代は日本語を使って新たな邦題を作るのが一種の慣例でした。中には、原題と違いすぎて不可解なものもあり、アーティストから苦情があったことも!? 今回は、約40年前の1983年の洋楽の中から、原題と異なる邦題7選をご紹介します。


『見つめていたい』

『見つめていたい』は、イギリスのロックバンド、ポリスの最大のヒット曲で、1983年の全米シングルチャートで年間ナンバーワンを達成した楽曲です。第26回グラミー賞では、主要4部門の一つである「最優秀楽曲賞」を受賞しています。リードボーカルはソロとしても活躍するスティング。ミュージックビデオでコントラバスを奏でながら歌う映像は、特に印象的なものでした。



原題『Every Breath You Take』

実際は、



Every breath you take

(君が息をするたびに)

Every move you take

(君が動くたびに)

・・・・・

I'll be watching you

(君を見つめている)



と歌っており、歌詞の主意から邦題では、"I'll be watching you" (君を見つめている) の方を採用した模様です。



歌詞について、のちにスティングは「ラブソングのように聞こえるが、本当は不気味で醜いもの」と話しています。

『今夜はビート・イット』

『今夜はビート・イット』は、言わずと知れたマイケル・ジャクソンの歴史的ヒット曲で、マイケルを世界的スーパースターに伸し上げた楽曲の一つです。本曲を収録するアルバム『スリラー』は、2024年現在、世界で史上最も売れたアルバムとして、ギネス世界記録に認定されています。第26回グラミー賞では、マイケルが史上最多の8部門を受賞。中でも、本曲『今夜はビート・イット』は、グラミー賞最高の栄誉である「最優秀レコード賞」を受賞しています。



原題『Beat It』。原題をそのままカタカナにして『ビート・イット』とすれば良さそうなものですが、当時は、わざわざ日本語で枕詞を付記するようなケースも見られました。同様のケースとして、同年ヒットしたカジャグーグーの『君はTOO SHY(トゥーシャイ)』などがあります。

『君は完璧さ』

『君は完璧さ』は、イギリスのニューウェーブバンド、カルチャー・クラブの代表曲の一つで、本曲のヒットで世界的な大ブレイクを果たしました。彼らは第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンを象徴するグループで、その後、『カーマは気まぐれ』や『タイム』など多くの大ヒット曲が誕生しています。



原題『Do You Really Want To Hurt Me』で、意味は「本当に私を傷つけたいの?」。当初の邦題は、原題のニュアンスに近い『冷たくしないで』でしたが、シングル化の際に『君は完璧さ』という原題からかけ離れたものに変更したようです。

『情熱物語』

『情熱物語』は、ドナ・サマーの大ヒット曲の一つ。河合奈保子の『UNバランス』という曲の冒頭が酷似しており、洋楽を聞かない人でも馴染みのあるメロディかもしれません。



原題は『She Works Hard For The Money』で、意味は「彼女はお金のために一生懸命働いている」。なんとも味気ない原題ですが、その続きが「大切な人のために一生懸命働いているんだから、彼女を大切にしなよ」という内容で、このあたりの意味合いから『情熱物語』という邦題になったのかもしれません。

『あの娘にアタック』

日本でも、世代を越えて人気の高いビリー・ジョエル。アメリカでは3曲のナンバーワン曲があり、その一つが本曲『あの娘にアタック』です。因みに、"あの娘" は "あのこ" と読みます。



原題は『Tell Her About It』で、意味は「彼女に伝えなよ」。詞は、恋人がいる男性に対し、彼女への接し方を助言する内容です。ところが、"アタック" という表現は、これから告白するような雰囲気があり、若干の違和感があります。



一時期、フジテレビの朝の情報番組『とくダネ!』にて、番組テーマソングとして使用されていました。

『プリーズ・テル・ミー・ナウ』

デュラン・デュランは、カルチャー・クラブと同様、第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンを牽引したイギリスのロックバンド。中でも、『プリーズ・テル・ミー・ナウ』は、イギリスでナンバーワンを獲得した大ヒット曲です。



邦題は、英語の "Please Tell Me Now" をそのままカタカナにしたものなので、原題も『Please Tell Me Now』と思っている人が多いかもしれません。実際、曲中でも、"Please please tell me now" と連呼しており、そう思うのも無理からぬことです。



ところが、原題はなんと『Is There Something I Should Know?』



実際の歌詞は、



Please please tell me now

(お願いです、今すぐ教えてください)

Is there something I should know?

(知っておくべきことはありますか?)



と歌っており、つまり、

「今すぐ教えてください」

ではなく

「知っておくべきことはありますか?」

の方が原題だったということです。

『渚の誓い』

日本でもファンの多い、オーストラリア出身のソフトロック・デュオ、エア・サプライ。本曲『渚の誓い』は、『ロスト・イン・ラヴ』や『シーサイド・ラヴ』などと並ぶ彼ら最大のヒット曲です。



原題『Making Love Out Of Nothing At All』。意味は「何もないところから愛を作り出す」で、邦題の『渚の誓い』とは全く関連がありません。歌詞を見ても、ミュージックビデオを見ても、渚や海に関するシーンはなし。エア・サプライというと海のイメージが強いので、意図して "渚" と付けたのでしょうか。

関連する投稿


【1965年生まれ】2025年還暦を迎える意外な海外アーティストたち!

【1965年生まれ】2025年還暦を迎える意外な海外アーティストたち!

2025年(令和7年)は、1965年(昭和40年)生まれの人が還暦を迎える年です。ついに、昭和40年代生まれが還暦を迎える時代になりました。今の60歳は若いとはと言っても、数字だけ見るともうすぐ高齢者。今回は、2025年に還暦を迎える7名の人気海外アーティストをご紹介します。


レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」より『トラぶるCHASER 第1話』『3Dテニス』が配信スタート!!

レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」より『トラぶるCHASER 第1話』『3Dテニス』が配信スタート!!

レトロゲーム関連の復刻・配信ビジネスなどを行うD4エンタープライズが運営するレトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」にて、新規コンテンツ『トラぶるCHASER 第1話 トラブルは空から未来から(PC-9801版)』『3Dテニス(MSX版)』の配信がスタートしました。


『オホーツクに消ゆ』と北海道紋別市がコラボ!ゲームに登場するシーンを使用したアクリルジオラマが「ふるさと納税返礼品」に!

『オホーツクに消ゆ』と北海道紋別市がコラボ!ゲームに登場するシーンを使用したアクリルジオラマが「ふるさと納税返礼品」に!

ジー・モードより、推理アドベンチャーゲーム『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ ~追憶の流氷・涙のニポポ人形~』の世界観を再現したオリジナルグッズが、北海道紋別市のふるさと納税返礼品として提供されます。


抜群のスタイルで💦世の脚光を浴びた『広田恵子』現在は?!

抜群のスタイルで💦世の脚光を浴びた『広田恵子』現在は?!

高校時代からモデル活動を始め1986年に「カネボウ・スイムウエアイメージモデル」として脚光を浴びた広田恵子さん。現在は家族で〇〇を組んで活動している・・・。


完璧・無量大数軍の一人「完肉」の称号を持つキン肉マン『ネメシス』が、SpiceSeedキン肉マンシリーズに登場!!

完璧・無量大数軍の一人「完肉」の称号を持つキン肉マン『ネメシス』が、SpiceSeedキン肉マンシリーズに登場!!

ハイクオリティフィギュアの製造・販売で好評を博している株式会社SpiceSeed フィギュア事業部より、キン肉マンシリーズのフィギュア『ネメシス』が発売されます。


最新の投稿


プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

新日本プロレスの“100年に一人の逸材”棚橋弘至氏による著書『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』が2025年12月18日にKADOKAWAより発売されます。引退が迫る棚橋氏が、26年の現役生活で培った視点から、プロレスの魅力、技の奥義、名勝負の裏側を徹底解説。ビギナーの素朴な疑問にも明快に答え、プロレス観戦をさらに面白くする「令和の観戦バイブル」です。


ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

小学館クリエイティブは、ウルトラマンシリーズ60周年、『小学一年生』100周年の節目に『学年誌 ウルトラふろく大全』を11月28日に発売しました。『ウルトラQ』から『ウルトラマン80』までの学年誌・幼児誌のウルトラふろく200点以上を網羅的に掲載。組み立て済み写真や当時の記事も収録し、ふろく全盛時代の熱気を再現します。特典として、1970年の人気ふろく「ウルトラかいじゅう大パノラマ」を復刻し同梱。


伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体『UWF(ユニバーサル・レスリング・フェデレーション)』が、設立40周年を記念し、特別イベント「無限大記念日」を書泉ブックタワー(東京・秋葉原)にて開催します(2025年12月24日~2026年1月12日)。第1次UWFの貴重な試合映像や控室、オフショットなど、4,000枚以上のアーカイブから厳選された写真が展示されます。復刻グッズや開催記念商品も販売され、当時の熱狂が蘇ります。


グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

株式会社グラニフは、TVアニメ『幽☆遊☆白書』との初コラボレーションアイテム全21種類を、2025年12月2日(火)より国内店舗および公式オンラインストアで販売開始します。主人公の浦飯幽助をはじめ、桑原、蔵馬、飛影のメインキャラクターに加え、戸愚呂、コエンマなど欠かせないキャラクターをデザイン。11月26日より先行予約も開始され、ファン必見のラインナップです。


全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

アシェット・コレクションズ・ジャパンは、隔週刊『1/18 エクストラスケール 国産名車コレクション』を2026年1月7日に創刊します。全長約20cm、1/18スケールのダイキャスト製で、日本の自動車史を彩る名車を精巧に再現。ボディラインやエンジンルーム、インパネなどの細部ディテールにこだわった「エクストラ」なコレクション体験を提供し、マガジンでは名車の開発秘話や技術を深掘りします。