世紀の名盤、マイルス・デイヴィスのカインド・オブ・ブルーを聴こう

世紀の名盤、マイルス・デイヴィスのカインド・オブ・ブルーを聴こう

ジャズということで、食わず嫌いならぬ聴かず嫌いをしている人がいるかと思います。そのような方は、人生を損しているといっても過言ではないでしょう。全世界で1000万枚も売れている名盤です。安心してマイルス・デイヴィスのカインド・オブ・ブルーを聴いてみてください。


カインド・オブ・ブルー

なるほど、ジャズ雑誌の編集者でもあった評論家、中山康樹さんの金言です。

「カインド・オブ・ブルー」は、誰もが認める名盤のひとつでしょう。そして、全世界で1000万枚以上を売り上げている大ベストセラーでもあります。
ジャズの市場はロックなどに比べて非常に小さなものですから、いかにこのアルバムが成功したか、いかにこのアルバムが特別のものであるかがお分かり頂けるかと思います。

アルバムの録音は、1959年3月2日と4月22日の2日間。もの凄いメンバーが集まってはいますが、事前にマイルス・デイヴィスからは何の話もなく、当日グループへの指示を記したスケッチを見せられただけで、録音は、ほぼ全曲ワン・テイクのみだったそうです。

天才たちが集まったとはいえ、奇跡が起こる時というのは、こうしたものなのでしょう。

「カインド・オブ・ブルー」は、モード・ジャズを代表するアルバムとして、ローリング・ストーン誌が2003年に発表したオールタイム・グレイテスト・アルバム500では、12位となっています。

1959年8月17日リリース

【収録曲】
1. ソー・ホワット
2. フレディ・フリーローダー
3. ブルー・イン・グリーン
4. オール・ブルース
5. フラメンコ・スケッチ

Kind of Blue

モードジャズの完成に向け尽力する姿は、真剣そのもの。モードにより平坦で退屈な展開に陥るどころか、水を得た魚のような奔放なプレイは、天才達の想像力と技量によるものだ。次の展開が予想できないため、毎日聴いても全く飽きない。 次にビル・エバンスの参加。 本作はマイルス、エバンスの共作と言ってもいいのではないか。それほど、エバンスの存在感が際立っている。 エバンス独特の瑞々しさと静謐感および西欧的音楽観が、本作のムードを決定づけている。特に「ソー・ホワット」終盤のエバンスのソロは、マイルス同様、音数は必要最小限ながら、抑制された情熱がほとばしるエッジの効いた演奏で、エバンスのベストプレイと信じている。唯一不参加の二曲目が、かえってエバンスの存在感を際立たせる結果となった。 最後に天才達による至高の音楽。特に最後を飾る「フラメンコ・スケッチ」、個性的なジャズジャイアンツによって、こんなに安らぎに満ちた音楽が創造されたことに驚く。メンバー達は微塵の気負いもなく、ただ音楽の創造のみに終始し、天上の音楽が紡がれていく。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%BC

カインド・オブ・ブルー - Wikipedia

メンバー

ジャズや音楽そのものに興味がない方であれば、名前を聞いても分からないかもしれませんが、カインド・オブ・ブルーに参加したメンバーはそれぞれがスター・プレイヤー、いえ、一人一人がレジェンドと呼ぶにふさわしいミュージシャンばかりです。
これだけのメンバーが集まったことだけでも奇跡といえそうです。

トランペット

マイルス・デイヴィス

テナー・サックス

ジョン・コルトレーン

アルト・サックス

キャノンボール・アダレイ

ピアノ

ビル・エヴァンス

ピアノ(2曲目のみ.)

ウィントン・ケリー

ベース

ポール・チェンバース

ドラム

ジミー・コブ

曲目

それでは、順に聴いていきましょう。
世紀の名盤「カインド・オブ・ブルー」は、名曲「So What?」から始まります。

<ソー・ホワット>
「だから何なんだ?」というタイトルは、この曲の内容のことではなく、単にマイルス・デイヴィスの口癖だそうです。
幾度となく演奏されたマイルス・デイヴィスを代表する一曲です。

発表から5年後の演奏です。

<フレディ・フリーローダー>
フレディとはフィラデルフィアに実在したバーテンダーで、ミュージシャンの取り巻きだった男のことです。

<ブルー・イン・グリーン>
この曲はピアニストのビル・エヴァンスの作品ですが、クレジット上ではマイルス・デイヴィスの作品になっています。

<オール・ブルース>
典型的なモード手法のブルースで、今ではスタンダード曲となっており、多くのミュージシャンに取り上げられています。

<フラメンコ・スケッチ>
この曲はビル・エヴァンスの「ピース・ピース」という曲がベースとなった曲です。
演奏面だけではなく、このアルバムにおけるビル・エヴァンスの存在がいかに大きかったかということが伺えますね。

全くそのとおりですね。

音楽は好き好きですし、ジャズが苦手という方が多いのも事実です。
しかし、この素晴らしい音楽を聴いてマイルス・デイヴィスに、ジャズに少しでも興味を持ってもらえたら幸いです。

関連する投稿


これがアメリカでプラチナディスクを獲得したジャズ・アルバムです

これがアメリカでプラチナディスクを獲得したジャズ・アルバムです

アメリカレコード協会が発表した、ジャズでプラチナディスクを獲得したアルバムを一挙ご紹介します!


【1986年洋楽】一発屋アーティストと唯一のヒット曲5選

【1986年洋楽】一発屋アーティストと唯一のヒット曲5選

ある一時期だけ活躍したアーティスト、一曲だけ売れたアーティストを、日本語では「一発屋」と言いますが、英語でも同じ意味で「ワンヒットワンダー(One Hit Wonder)」という言葉があります。今回は "1986年" にフォーカスして、全米でヒットした一発屋(ワンヒットワンダー)5選をご紹介します。


86年の日本に突如として巻き起こったジャズブーム。CMには多くのジャズが使われました!

86年の日本に突如として巻き起こったジャズブーム。CMには多くのジャズが使われました!

いったい何が起こったのか?と思わずにはいられないほど1986年の日本にはジャズが流れに流れていました。今では亡くなってしまったジャズ界の巨人たちも健在でしたしね。テレビ、映画、そしてCMに多くのジャズが使われていたんです。1986年は。


知らないと損をする!名盤という名盤にこれでもかというほど顔を出すポール・チェンバースというベーシスト。

知らないと損をする!名盤という名盤にこれでもかというほど顔を出すポール・チェンバースというベーシスト。

レコード・レーベルを超えて参加した曲、アルバムの数は尋常ではありません。しかも、それがことごとく名曲、名盤ときては驚きしかありません。にも拘わらず、ポール・チェンバースの認知度は低いんですよね。理不尽だなぁ。


訳の分からないマイルス・デイヴィスの ビッチェズ・ブリューは何故こんなにも称賛されるのか?

訳の分からないマイルス・デイヴィスの ビッチェズ・ブリューは何故こんなにも称賛されるのか?

フュージョンというジャンルを確立したアルバムと言われるマイルス・デイヴィスの 「ビッチェズ・ブリュー」。マイルスの代表作ということだけではなく、ジャズを代表する作品としても評価されています。しかし、ジャズに関心がない方がはじめて「ビッチェズ・ブリュー」を聴くと「理解できない」「退屈」という意見が多くをしめます。では何故こんなにも称賛されるのでしょう?


最新の投稿


世界が熱狂!葛飾商店街×『キャプテン翼』コラボ「シーズン2」開催!新エリア&限定メニューで街を駆け抜けろ!

世界が熱狂!葛飾商店街×『キャプテン翼』コラボ「シーズン2」開催!新エリア&限定メニューで街を駆け抜けろ!

葛飾区商店街連合会は、2025年10月10日より『キャプテン翼』とのコラボイベント「シーズン2」を亀有・金町・柴又エリアで開催。キャラクターをイメージした限定メニューやスタンプラリーを展開し、聖地巡礼と地域活性化を促進します。


キン肉マン愛が英語力に!超人たちの名言・名場面で学ぶ『キン肉マン超人英会話』発売

キン肉マン愛が英語力に!超人たちの名言・名場面で学ぶ『キン肉マン超人英会話』発売

人気アニメ『キン肉マン』の「完璧超人始祖編」の名言・名場面を題材にした英会話学習書『キン肉マン超人英会話』が、2025年11月29日(土)にKADOKAWAより発売されます。超人たちの熱い言葉を通じて、楽しみながら実用的な英語表現をインプットできます。TOEIC満点保持者やプロレスキャスターなど、豪華プロ集団が監修・翻訳を担当した、ファン必携の英語学習本です。


【カウントダウン】あと2日!古舘伊知郎&友近「昭和100年スーパーソングブックショウ」いよいよ開催迫る!豪華ゲスト集結の東京国際フォーラムは「昭和愛」で熱狂へ!

【カウントダウン】あと2日!古舘伊知郎&友近「昭和100年スーパーソングブックショウ」いよいよ開催迫る!豪華ゲスト集結の東京国際フォーラムは「昭和愛」で熱狂へ!

開催直前!TOKYO MX開局30周年記念「昭和100年スーパーソングブックショウ」が10月16日に迫る。古舘伊知郎と友近がMC、豪華ゲストと共に贈る一夜限りの昭和ベストヒットに期待高まる!


ギタリスト 鈴木茂「BAND WAGON」発売50周年記念ライブを東阪ビルボードで開催!

ギタリスト 鈴木茂「BAND WAGON」発売50周年記念ライブを東阪ビルボードで開催!

ギタリスト 鈴木茂が、『鈴木茂「BAND WAGON」発売50周年記念ライブ~Autumn Season~』を11月13日にビルボードライブ大阪、16日にビルボードライブ東京にて開催する。今回は、1975年にリリースされた1stソロアルバム「BAND WAGON」の発売50周年を記念したプレミアム公演となる。


【1965年生まれ】2025年還暦を迎える意外な海外アーティストたち!

【1965年生まれ】2025年還暦を迎える意外な海外アーティストたち!

2025年(令和7年)は、1965年(昭和40年)生まれの人が還暦を迎える年です。ついに、昭和40年代生まれが還暦を迎える時代になりました。今の60歳は若いとはと言っても、数字だけ見るともうすぐ高齢者。今回は、2025年に還暦を迎える7名の人気海外アーティストをご紹介します。