We Are The World 世界を変えたレコーディング

We Are The World 世界を変えたレコーディング

ときは来た!今こそ世界が1つになるとき!!1枚のレコードが世界中の人々の心をつなぎ、食糧、薬品、物資となって飢えた子供たちに届けられ、1枚のレコードが人々の魂を揺り動かし、多くの命を救った。


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1:48、
ディオンヌ・ワーウィックが
「Send them your heart
(彼らに気持ちを送ろう)
so they'll know that someone cares
(そうすれば誰かが気にかけていることを彼らも知ることができる)」
1:55、
ディオンヌ・ワーウィック&ダン・エクロイドで
「And their lives will be stronger and free
(そうすれば彼らの命はより強く自由になる)」
2:00、
ダン・エクロイドがソロで
「As God has shown us by turning stone to bread」
(神が石をパンに変えて私たちに示してくれたように)
2:07、
USA for Africaのスウェットと黒い革ジャンを着たアル・ジャロウが
「So we all must lend a helping hand
(だから私たちは支援の手を貸さなければならない)」

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2:12、
ブルース・スプリングスティーンが目をつむりながら
「We are the world, we are the children
(私たちは世界、私たちは(神の)子供)」
2:19、
ケニー・ロギンスが
「We are the ones who make a brighter day
(私たちこそが、より明るい日をつくる者たち)
So let's start giving
(だから与えることを始めよう)」
2:26、
スティーブ・ペリーが
「There's a choice we're making
(私たちがこれからする選択がある)
We're saving our own lives
(私たちは自分たち自身の命を救おうとしている)」
2:33、
ダリル・ホールが
「It's true we'll make a better day
(その通り、私たちがより良い日をつくる)
Just you and me
(君と私こそが)」

前半グループの録音は数TAKEで終了。
コントロールルームからOKが出ると、歓声と拍手が起こり、ティナ・ターナーは
「フィッシュバーガー!フィッシュバーガーが食べたい」
とおどけた。
スタジオの床に座って待機していた後半グループ、

マイケル・ジャクソン
ヒューイ・ルイス 
シンディ・ローパー 
キム・カーンズ 

が立ち上がり、キム・カーンズは、感心した様子で
「すごいリレーコーラスね!」
といいながら位置についた。

2:40、
まずマイケル・ジャクソンが、
「When you're down and out, there seems no hope at all
(君が打ちひしがれた時、希望など全くないように思えるだろう)」
と歌った後、ヒューイルイスが気合を入れて口を開けた瞬間、音楽がストップ。
気合を入れてスタンバイしていたヒューイ・ルイスは、持っていた楽譜を落としてよろけ、シンディ・ローパーは
「真打登場だからもったいぶってるのよ」
といってなぐさめた。
2:46、
ヒューイ・ルイスが拳を握りながら、
「But if you just believe, there's no way we can fall
(でも君がひたすらに強い気持ちを持てば、私たちが負けることはあり得ない)」
2:51、
「WaWaWa」
シンディ・ローパーが体でリズムをとりながらマイクの前に躍り出て
「Let us realize, oh, that a change can only come
(みんな理解しよう、変化が訪れるのは)」
2:59、
キム・カーンズがハスキーボイスで
「When we ・・・・」
とワンフレーズを絞り出し、
3:02、
ヒューイ・ルイス&キム・カーンズで
「Stand together as one
(私たちがひとつに団結した時だけなのだと)」
シンディ・ローパーは、
「アイヤイヤヤイヤ}
と魂の叫び。

1回目のTAKEの後、コントロールルームが
「ノイズが入る」
と指摘し、
「どうも犯人はブレスレットのようだけど・・・・」
するとシンディ・ローパーが
「OH!
私?
ごめんなさい」
スタジオ大爆笑の中、シンディ・ローパーはジャラジャラとイヤリングやネックレスを外した。
5回目のテイクの後、シンディー・ローパーが
「私、まだ音してる?」
すると後ろからみていたスティーヴ・ペリーが社会科見学している小学生のように挙手し、
「Q(クインシー・ジョーンズ)、聞いてよ。
彼女の歌にちょうど合っているよ。
まるで会話しているようだ。
素晴らしい」
7度目のテイクは良い出来で、部屋には自然と拍手が起こった。

この後、ヒューイ・ルイス、シンディ・ローパー キム・カーンズは、さらにハーモニーの練習を行い、ライオネル・リッチーも熱心にアドバイス。
そして録音直前、コントロールルームからヒューイ・ルイスにマイクから少し離れて歌うように指示が出た。
「エッ、もっと離れるの?
みんなもっと近いんじゃない?」
ヒューイ・ルイスは少し不満そうだったが声にパワーがありすぎた。
そのとき横ではシンディ・ローパーがキム・カーンズの肩を揉んであげた。
こうしてスタンバイOK!
まず音楽と撮り終えたマイケル・ジャクソンの声が流れ、ヒューイ・ルイスはマイクとの距離を確認しながらも、想いを込めた歌声をぶつけ、
シンディ・ローパーは、
「Whoa-whoa-waah」
と叫びながらマイクに近づき、まるでブチまけるようなパワフルなボーカル。
キム・カーンズは、その声量に一瞬、首を振り、その後、見事なハスキーボイスで
「When we・・・」
その後、ヒューイ・ルイス&キム・カーンズのコーラス、シンディ・ローパーの叫びもバッチリ決まった。
音楽が止まり、シンディ・ローパーは不安そうに
「ちょっと張り切りすぎた?」
するとクインシー・ジョーンズは
「いや、とっても良かったよ。
今のでOKにさせて」
スタジオに拍手が起こり、シンディ・ローパーは
「やった~!」
といいながらヒューイ・ルイスの肩を叩き
「世紀の大リレーボーカル大成功!!」
クインシー・ジョーンズが
「さあ、休憩だ!
みなさん、よいお年を」
といったとき、時間は朝の4時50分だった。

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午前5時半、ボブ・ディランの録音が開始.。
最初、
「独りでやるの?」
と不安がるボブ・ディランにクインシー・ジョーンズは、
「好きなようにやってくれればいいのさ」
「キーが合うかな?
変えちゃいけなんだろ?」
「気にしなくていいよ。
ボブ・ディランが欲しいんだから」
コーラス部分のレコーディング中、後で歌っていたジョン・オーツは、ボブ・ディランが
「緊張している」
と感じた。
「彼はメロディーの人じゃない。
でも彼のソロは特にメロディーが特徴的だった。
あのようなメロディーを歌うことは彼にとっては居心地が悪かったんだと思う。
彼なりのやり方で頑張っていたんだよ」

まずスティービー・ワンダーのピアノでリハーサル。
しかしためらいがあるのか、ボブ・ディランは音程が定まらず、口ごもるように歌い、歌詞が聞き取りにくかった。
スティービー・ワンダーは硬くなっているボブ・ディランにボブ・ディランのモノマネをして歌ってみせた。
「スティービー、1度演奏してくれないか?」
やがてボブ・ディランは、半分歌い、半分しゃべるような独特な歌い方を取り戻した。
次にマイクの前に立って、音楽に合わせて歌詞を口ずさむが、周囲の目が気になって歌えない。
4台のカメラ、35人の視線にさらされながらの録音することに慣れておらず、神経質になっているボブ・ディランをみて、ライオネル・リッチーは、すべての人間がスタジオの外に出ることを提案。
クインシー・ジョーンズも指揮台にしゃがみこんで姿がみえないようにした。
数テイクの後、力強い歌声が出てきて、
「OK、1度通してみたいな」
というボブ・ディラン。
ボブ・ディランの強烈なボーカルの録音が終わると、ライオネル・リッチーはその背中に抱きつき、
「サンキュー」
クインシー・ジョーンズは
「ファンスタティック!
これだよ!
まさにこれこそがStatement(声明文)なんだ!」
と叫んだ。
ボブ・ディランは、
「そうだった?
OK?・・かな?」
アル・ジャロウは目に涙をためながらボブ・ディランに近づき
「僕はバカだからこんなことを伝えるしかできないんだけど・・・
本当に君を愛してる」
といい、戸惑うボブ・ディランを後にスタジオのドアに向かうと
「あなたは僕のアイドルなんだ」
といって去っていった。

3:07、
全員のコーラスで、
「We are the world, we are the children
(私たちは世界、私たちは(神の)子供
We are the ones who make a brighter day
(私たちこそがより明るい日をつくる者たち)
So let's start giving
(だから与えることを始めよう)
There's a choice we're making
(私たちがこれからする選択がある)
We're saving our own lives
(私たちは自分たち自身の命を救おうとしている)
It's true we'll make a better day
(その通り、私たちがより良い日をつくる)
Just you and me
(君と私こそが)
We are the world, we are the children
(私たちは世界、私たちは(神の)子供
We are the ones who make a brighter day
(私たちこそがより明るい日をつくる者たち)
So let's start giving
(だから与えることを始めよう)」
3:45、
ボブ・ディランがソロで、
「There's a choice we're making
(私たちがこれからする選択がある)
We're saving our own lives
(私たちは自分たち自身の命を救おうとしている)
It's true we'll make a better day
(その通り、私たちがより良い日をつくる)
Just you and me
(君と私こそが)」
3:58、
再び全員のコーラスで、
「We are the world, we are the children
(私たちは世界、私たちは(神の)子供
We are the ones who make a brighter day
(私たちこそがより明るい日をつくる者たち)
So let's start giving
(だから与えることを始めよう)
There's a choice we're making
(私たちがこれからする選択がある)
We're saving our own lives
(私たちは自分たち自身の命を救おうとしている)
4:19、
全員のコーラスの上にボブ・ディランとソロが乗り、
「It's true we'll make a better day
(その通り、私たちがより良い日をつくる)
Just you and me
(君と私こそが)」

最後にブルース・スプリングスティーンのソロが録られた。
完成された音源では、スティービー・ワンダーとブルース・スプリングスティーンのもスリリングなデュエットとなる部分である。
「君の歌はファンタスティックだよ、ディラン」
ブルース・スプリングスティーンは歌う準備をしながらいい、ボブ・ディランはブルース・スプリングスティーンの歌を聞こうとその場にとどまった。
「コーラスに対する応援のつもりで」
クインシー・ジョーンズは指示を出し、ブルース・スプリングスティーンは
「やってみるよ」
と答え、後ろのポケットに楽譜を突っ込んだ。
「マイクテスト、1,2」
前々日20時にコンサートを終え、一昼夜かけてロスにかけつけ、空港からスタジオまで自分で車を運転してやってきたブルース・スプリングスティーンは丸2日ベッドに入っていない状態だったが、力強い歌声で1発でビシッと決めた。
スタジオ内は思わず拍手と歓声。
ブルース・スプリングスティーンは、それを受けながら笑顔で
「声援アンガト!」
そして、
「大汗かいたぜ」
といって、すぐにスタジオを出て数台のリムジンの脇を通り過ぎ、自分で運転してきたピックアップ・トラックに乗った。



「リードボーカル」部分を歌ったアーティストも100枚のポスターにサインをし、最後にマイケル・ジャクソンがサインをして全作業が終了。
ポール・サイモンは時計をみて
「8時20分だよ」
といった。
出来上がったミュージックビデオでは、曲のイントロと共に自転する地球の映像が流れる。
そして18秒後、アーティストたちの色とりどりサインが登場。
スティービー・ワンダーは指紋で署名し、同じ盲目のレイ・チャールズは手書きだった。
最後の最後までスタジオに残っていたのはクインシー・ジョーンズとライオネル・リッチー。
プリンスのマネージャーのボブ・カヴァロは、朝方、クインシー・ジョーンズに電話をかけ、突然のキャンセルを謝罪した後、
「もし必要なら・・・ギターソロだけでも弾かせてもらえませんか?」
と申し出たが、断られた。
「全世界の最大のスターたち46人が一つの部屋に集まっていたんだ。
はるか遠くで手助けを必要としている人々を助けるためにね。
あの夜のあの経験は2度と起こらないと思うよ。
人類の進歩のために人々を結集させるという音楽の力を僕は信じている。
このことについては、『We Are the World』という集まりは最高の実例かもしれないね」
(クインシー・ジョーンズ)

レコーディングから6日後、2月6日、
「曲の最後にサビにさらに盛り上がりと感動を与えたい」
というクインシー・ジョーンズと3人のアーティストがスタジオに集合。
まず大御所、レイ・チャールズがマイクの前に立ち、スタッフに。
「マイクの位置はここです。
いいですか?」
といわれ、
「Yes、OK」
といいながらマイクの位置を手で確かめた後、ヘッドホンをつけ
「OK!
さあ、1発いくぞ!」
音楽が流れると、譜面台に両手を置いたレイ・チャールズは、ピアノを弾くように体を左右に揺らしながら歌い、ときにタップダンスのように床を蹴った。
続いてジェームズ・イングラムの録音が行われ、、両拳を握って熱唱。
最後は、スティービー・ワンダー。
出来上がった音楽を聴いて、
「締めくくるために必要だと思っていたエネルギーが、思ったより早く消えてしまっていたんだ。
グループのパワーのピークは2回のコーラスとキー・チェンジの後に来ていた」
と思ったクインシー・ジョーンズは、
「スプリングスティーンのボーカルが使える。
コーラスをスティービー・ワンダーと取り換えることでアクセントがつけられる」
と気づいた。
1月28日の夜、青と黒のセーターを着ていたスティービー・ワンダーは、カラフルなパッチワークのシャツでこの日のレコーディングに参加し、顔を左右に振りながら熱唱。
クインシー・ジョーンズは、スティービー・ワンダーとブルース・スプリングスティーンの強烈なボーカルを輪唱するように組み合わせた、
これで「We Are The World」に必要な音はすべてそろった。

4:24、
全員のコーラスの上にレイ・チャールズのソロが乗って、
「We are the world, we are the children
(私たちは世界、私たちは(神の)子供
We are the ones who make a brighter day
(私たちこそがより明るい日をつくる者たち)
So let's start giving
(だから与えることを始めよう)
There's a choice we're making
(私たちがこれからする選択がある)
We're saving our own lives
(私たちは自分たち自身の命を救おうとしている)
最後にアドリブで
「Come on now, let me hear you
(さあ、キミたちの声を聞かせてくれ!)」
その後、スティービー・ワンダーとブルース・スプリングスティーンの輪唱が開始。
4:52、
スティービー・ワンダーが
「We are the world」
4:54、
ブルース・スプリングスティーンが
「We are the world」
4:55、、
スティービー・ワンダー
「We are the children」
4:56、
ブルース・スプリングスティーン
「We are the children」
4:58、
スティービー・ワンダー
「We are the ones who make a brighter day
So let's start giving」
5:03、
ブルース・スプリングスティーン
「So let's start giving」
5:06、
スティービー・ワンダー
「There's a choice we're making
We're saving our own lives
It's true we'll make a better day
Just you and me、ME Yay Me Yay!
We are the world」
5:19、
ブルース・スプリングスティーン
「We are the world」
5:21、
スティービー・ワンダー
「We are the children」
5:23、
ブルース・スプリングスティーン
「We are the children」
5:25、
「We are the ones who make a brighter day
So let's start giving」
5:30、
ブルース・スプリングスティーン
「So let's start giving
There's a choice we're making
We're saving our own lives
It's true we'll make a better day
Just you and me」
最後、ブルース・スプリングスティーンのバックでスティービー・ワンダーは
「WooWo0Wowー」
と叫んだ。
5:44、
再び全員のコーラスで、
「We are the world, we are the children
(私たちは世界、私たちは(神の)子供
We are the ones who make a brighter day
(私たちこそがより明るい日をつくる者たち)
So let's start giving
(だから与えることを始めよう)
There's a choice we're making
(私たちがこれからする選択がある)
We're saving our own lives
(私たちは自分たち自身の命を救おうとしている)


ジェームス・イングラムとレイ・チャールズのかけ合いが開始。
6:11、
ジェームス・イングラムが
「We are the world」
6:12、
レイ・チャールズが
「We are the world」
6:14、
ジェームス・イングラム
「we are the children」
6:15、
レイ・チャールズ
「it's son」
6:17、
ジェームス・イングラム
「We are the ones who make a brighter day
So let's start giving
6:24、
レイ・チャールズ
「There's a choice we're making
We're saving our own lives
It's true we'll make a better day
Just you and me、Hoo--!
All right I'm singing!」
6:29、
全員のコーラスにレイ・チャールズの叫びが加わり、
7:10、
フェードアウトしていって曲は終了。


「We Are The World]は、1985年3月7日に全米で、そして4月までに世界中で発売された。
アメリカでは3月7日にリリースされるや3日間で80万枚という前代未聞のスピードセールス。
4月13日から4週間連続、全米No.1を獲得。
(この曲に取って代わって首位に立ったのはマドンナの「Crazy for You」)
5月16日、「ケン・クレイガンは発売元のコロンビアから印税を受け取り、Tシャツやグッズ、ポスターなどの売り上げを含め、700万ドル(117億5000万円)以上をアフリカの飢餓解消のために寄付。
ハリー・べラフォンテを中心とする支援チームは、
「飢餓に苦しむ人たちに今すぐ食料や衣料品を届けたい」
とアフリカへ支援物資を届けに出かけたが、水も冷蔵庫も舗装道路もない状況に支援の難しさを痛感した。

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