【1980年の洋楽】なぜこんなことに・・・原題と違いすぎる不思議な邦題7選!

【1980年の洋楽】なぜこんなことに・・・原題と違いすぎる不思議な邦題7選!

洋楽の邦題というと、最近は原題をそのままカタカナにすることがほとんどですが、1980年代は日本語を使って新たな邦題を作るのが一種の慣例でした。中には、原題と違いすぎて不可解なものもあり、アーティストから苦情があったことも!? 今回は、1980年の洋楽の中から、原題と異なる邦題7選をご紹介します。


『愛の証し』

夫婦デュオ・キャプテン&テニールと聞いて多くの方が思い浮かべるのは、恐らく1975年にヒットした『愛ある限り』と、1980年にヒットした本曲『愛の証し』の2曲ではないでしょうか。いずれも全米ナンバーワンを獲得し、前者は年間1位、後者は年間5位を記録した歴史的大ヒット曲です。



原題は『Do That To Me One More Time』で、意味は「もう一度私にそれをして」。"一度では不十分だからもう一度" という意味深な歌詞で、"愛の証しにもう一度" と歌っているかのようです。



二人は2014年に離婚。2019年に、夫のダリル・ドラゴンが亡くなっています。

『愛という名の欲望』『地獄へ道づれ』

1980年は、クイーン最大のヒット曲が2曲誕生した年で、一つが『愛という名の欲望』、もう一つが『地獄へ道づれ』です。全米シングルチャートで、前者は4週連続ナンバーワン、後者は3週連続ナンバーワンの大ヒットを記録しました。



『愛という名の欲望』の原題は『Crazy Little Thing Called Love』で、意味は「愛とかいうクレージーでちっぽけなやつ」といったところでしょうか。一見すると原題と異なる邦題のように思えますが、一貫して "愛と呼ばれる何か" について歌っていることから、原題や歌詞の意味合いを捉えた邦題と言えるかもしれません。



『地獄へ道づれ』の原題は『Another One Bites The Dust』で、意味は「また一人死んだ」。"bite the dust" を直訳すると "塵を噛む" となりますが、実際は、比喩的な表現で "死ぬ"、"失敗する"、"敗れる" という意味があります。詞では、"銃で撃ち合って、また一人死んだ" と歌っているようです。脱線しますが、翌年、パロディ音楽でおなじみのアル・ヤンコビックが、本曲のパロディで『遅刻へ道連れ(Another One Rides The Bus)』という曲をリリースしています。

『ロックン・ロールが最高さ』

ビリー・ジョエルといえば、日本では『ストレンジャー』、『素顔のままで』、『オネスティ』、『アップタウン・ガール』などが有名ですが、いずれも全米ナンバーワンを獲得した楽曲ではありません。彼が初めて全米ナンバーワンを獲得した楽曲は、実は本曲『ロックン・ロールが最高さ』です。



原題は『It's Still Rock And Roll To Me』で、意味は「俺からしたらそれはまだロックンロールだよ」。当時、ニュー・ウェーブなどの新しい音楽ジャンルがもてはやされる動きに対し、「所詮、古い音楽の焼き直しだ」と皮肉ったのが本曲の詞です。"ロックン・ロールが最高!" というノリとは、やや異なる感じがします。

『銀河のアトミック』

1980年前後は、ブロンディの人気絶頂期で、全米ナンバーワンが4曲、全英ナンバーワンが5曲も誕生しました。中でも、全英で3曲連続ナンバーワンとなったのが、『コール・ミー』『銀河のアトミック』『夢見るNo.1』です。



本曲『銀河のアトミック』の原題は『Atomic』。歌詞にもたびたび登場する "atomic" という言葉自体に特別な意味はなく、曲中では "力" と "未来主義" を示唆する言葉として機能しています。ただ、歌詞にも、ミュージックビデオにも、"銀河" を示すようなものは出てこないので、なぜ邦題でわざわざ "銀河" と付けたかは謎です。

『懐かしき恋人の歌』

『懐かしき恋人の歌』は、ダン・フォーゲルバーグの代表曲の一つで、クリスマスイブに昔の恋人と出会ったという内容のため、クリスマスソングとしても知られています。



原題は『Same Old Lang Syne』。実は、『蛍の光』の原曲が『Auld Lang Syne』で、スコットランド語で "Old Long Since" を意味し、日本語ではよく「久しき昔」と意訳されています。本曲の最後では、『蛍の光』のメロディがサックスで演奏され、両曲の関係が示唆されています。



何のひねりもない邦題ですが、歌詞やタイトルのニュアンスは反映しているようです。

『ドゥドゥドゥ・デ・ダダダ』

日本語版が出てしまうほど、特に日本では人気だったポリスのヒット曲『ドゥドゥドゥ・デ・ダダダ』。邦題は、原題をそのままカタカナにしただけに見えますが、一体どこが違うのでしょうか?



原題は『De Do Do Do, De Da Da Da』で、もしカタカナにするなら『デ・ドゥドゥドゥ・デ・ダダダ』となり、先頭に "デ" が入るはずです。恐らく、"デ" の音が弱起で聞こえにくいため、拍頭の "ドゥドゥドゥ" から始めるのが、日本語的には自然だったのでしょう。

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