ジミー大西  お笑いモンスターの覚醒  明石家さんまと岡本太郎に見出された天才芸人&画伯

ジミー大西  お笑いモンスターの覚醒  明石家さんまと岡本太郎に見出された天才芸人&画伯

絶対に期待を裏切らないお笑い芸人。明石家さんまに見出され「ジミー大西」となり、岡本太郎に「はみ出せ」といわれ、爆発的な笑いと癒しを与えてくれる唯一無二の存在になった。


大西秀明は、なんば花月の裏方の仕事から、新喜劇、ザ・ぼんちのおさむの弟子を経て、21歳にして明石家さんまの専属運転手として大阪から東京に移った。
東京ではちょうどアメリカから
「人間に1番近い」
という猿がきていて、その名前が「ジミー」
それを知った明石家さんまは
「お前、今日からジミーな」
と命名。
いわく
「人間や思たら腹立つけど、かしこいゴリラや思たら腹立たへん」
という。

まだ運転免許を持っていなかったジミー大西は、明石家さんまに
「2週間で免許が取れる合宿制の自動車教習所があるから行ってこい」
といわれ、合宿制の自動車教習所に通った。
実技は問題なかったが、筆記試験が通らず、落ちる度に明石家さんまにお金を送ってもらった。
結局、半年がかりで免許を取得し
「車がもう1台買えたわ」
といわれた。
運転手としての給料は月30万円。
ご飯もほとんどさんまにおごってもらいながら、さんまさんの事務所で寝泊り。
さんまに
「7時に起こしてくれよ」
と目覚まし係を仰せつかったジミー大西だったが、一緒に寝てしまい、起きると時刻はすでに8時。
あわてて部屋の時計を5時にした。
その後、大阪駅に移動したとき、気づかれて怒られた。

運転手としても、道を間違えたり車をぶつけたり失敗を連続させた。
料金所で窓を開けるのを忘れ、手を思いきりぶつけ骨折。
左右に揺れるワイパーをみて催眠術にかかってウトウトしてしまい、ブレーキをふんだまま寝ているところを、さんまにピコピコハンマーで叩かれたこともあった。
ワイパーに関しては、強い雨で激しく動いているときは問題ないが、普通の雨のときのワイパーの動きが危ないという。
「まだ着かへんのか?」
さんまに聞かれ、ジミー大西は
「渋滞なんです」
と答えたが、車は運転席に誰も乗っていない駐車中の車の後ろで停まっていた。
明石家さんまが運転してバック駐車していたとき、ジミー大西が
「オーライオーライ」
といい続けたため、バックし続けると車は衝突。
それでもなぜかジミー大西は
「オーライオーライ」
といい続けていた。

ドラマ「男女7人夏物語」に主演することが決定したさんまは、初顔合わせの日、ジミー大西の運転で遅刻。
そして
「今井良介役の明石家さんまさんです」
と紹介された後、隣に座っていた神埼桃子役の大竹しのぶに話しかけられた。
「ねえ、サンマって芸名、気に入ってるの?」
「気に入るも何も・・」
「イワシじゃイヤだったの?」
「・・・・師匠がつけてくれたんで」
「あ、そうなんだ。
師匠、魚が好きなんだ」
「・・いや」
「明石家サバでもよかったかも」

同時期、ジミー大西は、憧れの早見優に会うことができたが、緊張で
「ウウゥ」
と唸ってしまい
「こわーい」
といって逃げられてしまった。  
それでも
「俺、この人のお尻の穴なめれるわ」
と思ったという。

吉本はジミー大西を東京のTV局に売り込んだ。
「さんまの番組にこのジミー大西をつかってくれまへんか?」
「何です、コレ」
「さんまの運転手です」
「ウチはさんまさんだけで結構です」
「いや吉本ではニコイチいいまして、2人で1人、パッケージになってますねん」
「使い物になるんですか?」
「なるかならんかはフジテレビさんの裁量ですがな」
プロデューサはしぶしぶ承知。
多くの人が
(売れるわけがない)
と思ったが、

「ジミー頑張れよ」
(さんま)
「お前も頑張れよ」
(ジミー大西)
「ハイ!」
(さんま)

「ジミーちゃんやってる?」
(さんま)
「やってる、やってるぅ」
(ジミー大西)

さんまに股間を触られ
「ふるさとー」
「エクスタシー」

などというギャグ。
そして予測不能のボケっぷりでジミー大西は大ブレイク。

ビートたけしはさんまのフリに確実にギャグで返すジミーを
「パブロフの犬の様な条件反射はすごい!」
と評価。
萩本欽一も
「このボケが意図的であればチャップリン以来の天才喜劇役者だ」
といい、自分の番組に出演させた上で1対1で面談。
面談後、
「天然だったね」
と残念そうにいった。
(これが「天然ボケ」という言葉の由来になったといわれている)

こうして瞬く間に 超売れっ子になったジミー大西は、豪遊し始めた。
月~金曜日は競艇。
土日は競馬。
そして風俗店に通った。
結果、月に数百万、年間で数千万円の収入がありながら、1千万円以上の借金をつくり
「すいません。
借金があるんです」
と会社に泣きついた。
吉本は
「わかった。
さんまさんに聞いてみてOKやったら貸したるわ」
といい、ジミー大西はさんまを保証人にして吉本から金を貸り、ギャンブルは卒業した。

さんまは自分のラジオに貧乏自慢をするコーナーを新設。
村上ショージ、Mr.オクレ、ジミー大西に、
「お前らがどんだけ貧乏かリスナーにアピールするねん」
といった。
「ビンボーやったら負けへん」
ショージは意気込み、その後、台本を練って打ち合わせを重ねた。
そして収録の日、
「日本は豊かな国になりました。
せやけどここにはこんなビンボーな男たちもいるんです。
聞いてやってください。
彼らの魂の叫びを」
さんまがしみじみ語り、悲しい音楽が流れた。
最初のショージが口を開けようとした瞬間、ジミー大西は間違えて
「こんばんは」
といってしまい、みんなに頭を叩かれた。
そして仕切り直し。
「村上ショージです。
みなさん、金がなくて神戸から難波まで歩いたことありますか?
僕は3回あります」
続いてオクレ。
「Mr.オクレです。
最近、『給料3ヵ月分でダイヤモンドの婚約指輪が買える』ってCMやってますよね?
本当に1万2千円で買えますの?」
「こ、こんばんは、ジミー大西です。
あの、あの、あの・・・」
ジミー大西は頭の中にあったセリフがトバしてしまった。
「ネタ!ネタ!」
ショージが小声でいうと
「あっ、ネタのない寿司、食べたことありますか?
・・・・・」
思い出せたのはそこまでで、オチがわからずに
「す、酸っぱいだけで味気ないですよ」
「感想いうてどうすんねん!」
「どないもこないもありません」
ジミー大西はニカニカと笑ったが、さんまを含め誰も笑っていなかった。
この貧乏自慢は「オレたちひょうきん族」でも採用された。
「ラブ・ユー・貧乏」と名づけられたコーナーでは、ジミー大西はメンバーを外され、1番、前田政二、2番、Mr.オクレ、3番、村上ショージ、タキシードを着た3人が貧乏自慢をしていき
「♪貧乏、貧乏、涙ーの貧乏♪」
とムード歌謡の大御所、ロス・プリモスが生歌コーラスが入れるという無駄に豪華な演出が施された。

あるときジミー大西は、「ラブ・ユー・貧乏」の収録が終わるのを待っていた。
そして出てきたさんまに
「楽屋の荷物、車に積んどいて!」
といわれ、村上ショージたちと一緒に大きな黒いバッグを車まで運んだ。
さんまのマンションに着くと、再びそれを部屋まで運び入れた。
そして村上ショージがチャックを開けると
「もうフラフラ」
といって女性が出てきた。
驚くジミー大西にショージが小指を出した。
「若のコレや」
仕事で遅れたさんまが帰ってくると全員で食事。
再び女性は大きなカバンに身を隠して帰った。
その後、男だけでマージャンが始まった。
ここでもメンバーに入れず、みているジミー大西にクイズが出題された。
「ことわざで、人のフリみて?」
「どないする」
「我がフリ直せや。
馬の耳に?」
「イヤリング!」
「お洒落やなあ
猫に?」
「ワン!」
「ケンカしとるで。
2階から?」
「目ヤニ」
「すっごい量やね。
ベトベトやん。
石の上にも何年?」
「石の上にもぉ~~~ちんねん」
「そんなお坊さんおったかもね。
穴があったら?」
「入ろかな」
「はい、入りましょって誰にいうてんねん。
お前、ほんまに恐ろしいなあ」

さんまたちはそのまま夜通し、マージャン。
朝、ジミー大西が目覚めると誰もおらず、散らかった部屋の掃除を始めた。
ゴミ捨て、掃除機、雑巾ぶき、トイレの便器も磨いて、紙は三角折。
そして食料の買出しに出た。
帰ってくると昨夜の女性とさんまが口論をしていた。
「なんでそんなウソつくの。
わざとらしい」
「アホ、なんでウソつかなあかんねん」
女性は真っ赤になって怒っていた。
「なにかあったんですか?」
「おう!
コイツが勘違いしてなあ」
「この人、私以外に女がいるのよ。
みて部屋の中、ピカピカで、絶対掃除した女がいる」
「だからちゃうんやて。
お前がやったんやろ?」
さんまにいわれジミー大西はうなずいたが女性は信用しない。
「ウソッ。
こんなゴリラみたいな男がトイレットペーパー、三角に折るわけない」

あるときジミー大西は、盲腸になって、病院に緊急入院させられた。
ポタポタ落ちる点滴をみて
「飲んだほうが早い」
と点滴を直接、チュウチュウとウイダー・イン・ゼリーのように飲もうとした。
それをみた医者に
「やめろ」
と取り上げられた。
「体の中に入るんやから一緒やないですか?」
と質問し
「逆に考えてみましょう。
あなた、お酒を血管から入れますか?
同じ体に入るものでしょ。
お酒を点滴しますか?」
と諭された納得。
ちなみに点滴はポカリスエットの味がしたという。

その後、見舞いにやってきたさんまには、
「点滴やけど、アレはアカン」
と注意された。
「すいません」
「あの場合、一気の飲まな」
「一気ですか?」
「一気に飲んで、みんながあっけにとられるところで『おかわわり』
これでドカーン、大爆笑や」
「おかわりですか?」
「ほんまもったいないで。
病院とか葬式とは笑いには最高の状況や。
絶好のチャンスやったのに笑い1つ損したな」
「悔しいです。
もっと若のそばで勉強させてください」
その後、さんまはジミー大西にお笑いをレクチャー。
「がんばれよ」
『お前もがんばれよ』
の練習をした。
さまざまなシュチュエーションに反射的に返せるようになったジミー大西をさんまが
「エエ感じやないか」
とホメてハイタッチを交わしたとき、病室のドアが開き、看護師が
「静かにしてください」
といったため、ジミー大西は
「お前に静かにせえよ」
と返した。
「はい」
といって看護師がドアを閉めると2人は口を押さえ声を殺して笑い合った。

ある日、東京のマンションでさんまに
「まだ誰にもいうたらアカンで。
結婚する」
と明かされ、村上ショージ、Mr.オクレ、ジミー大西は驚いた。
「け、け、結婚」
「あの女(マンションの掃除の件でモメた女性)ちゃうで。
もう別れた」
「ほな誰と」
「大竹しのぶや」
「若っ、おめでとうございます」
「おう、ありがとな」
「結婚なんて滅茶苦茶うらやましいです」
「そうか。
ジミーも結婚願望あるんか?」
「滅茶苦茶あります」
「結婚のどこがエエねん」
「結婚したらソープ行かんでええやないですか」
「それ?
いやもしかしたら金とられるかもわかれへんで。
女は怖いからのお。
ええか、くれぐれも内密にな。
頼むで」

当初、必ずさんまの番組に2人セットで出演していたジミー大西だったが、1人での仕事も増えたため、マネージャーがつくことになった。
椎本真由美は、普通に学校を出て、普通に事務員として働き、普通に安定感じのある暮らしを送っていたが、
「死ぬまでこのままか」
と悩み始め、最終的に全部ひっくり返したくなって退職。
まったく畑違いの芸人の会社、吉本興業に飛び込んだ。
最初、事務員として採用されたが、すぐにマネージャーになるよう命じられた。
新人マネージャーとしての初日、スーツ姿で担当する芸人がいるという楽屋を訪れた。
ドアをノックし
「失礼します」
といって入った後、すぐに
「本日よりジミー大西さんのマネージャーとしてお世話になります。
椎本真由美と申します」
と挨拶。
そして頭を上げると目の前に1人の男が寝ていた。
上はTシュツ、下は真っ裸。
お尻丸出しでエロ本をみながら手をモゾモゾと動かしていた。
真由美に気づくと男はパッと起き上がり股間をエロ本を隠して正座した。
「何をやって・・・」
「やってるやってるぅ~」
手を振る男に真由美は
「変態!」
と叫び、飛び出した。

そのまま会社に向かい、一部始終を報告した。
「なんであんなんの面倒みなあかんのですか。
あれじゃ芸人とマネージャーやなくて、盛りのついたサルと飼育員です。
担当を替えてください」
嫌悪感で顔を歪めながら訴える真由美に上司は笑いながらいった。
「君、うまいこというな。
ウチにはいろんなタレントさんがぎょうさんおんねん。
そのうちの1人やんか。
それに君、まだ新人のくせに、ようそんな贅沢なこといえるな。
イヤなら会社辞めてもろてもええんやで」
「私、お笑いのことはわかりませんが、いきなりあんないやらしい・・・」
「勃起しとった?
アイツは動物やからな。
君がいうように盛りがついた猿やと思うたらエエねん。
でもアイツはいまぎょうさん稼いでくれてるから・・・
そやな、君が猿に今の2倍稼がすようになったら担当替えも考えたるわ。
ええ猛獣使いになってみ」
上司はデスクに合った企画書を真由美に渡した。
それはジミー大西と警察犬が嗅覚で競い合うというものだった。

劇場に戻った真由美は、ズボンを履いていることを願いながらドアを開けた。
そして改めて挨拶をした後、手帳を取り出し、打合せを開始。
「明日は番組の収録が終わったら、営業の仕事が2本入っています。
その後、東京で新番組の打合があるので、ワンステージ15分で切り上げてください。
わかりました?」
ジミー大西はクリームソーダのストローに息を吹き込み、ブクブクさせて遊んでいた。
「まあとにかくそのときどきで指示しますので、それに従ってください」
「はあ」
「あの1つ聞きたいんですけど、あなたのあのギャグってどういう意味ですか?
あのやってる、やってるっていう」
「ああ、あれは本当は股間の近くで・・」
ジミー大西は、本来はマスターベーションの動きだが、股間でやるとテレビではダメになるため他の場所でやっているとニコニコ顔で説明。
真由美は
「最低」
といって紙を取り出した。
「これ、まだ暫定ですが、明日からのスケジュールです」
「ビッシリやなあ。
こんなに働くの?」
顔をしかめるジミー大西。
「来月はこの倍、働いてもらいます」
真由美はツンッといった。

スケジュールがキツキツになったジミー大西だったが、暇ができればさんまのマンションにいった。
ある日の夕方、マンションに着くとスティングのメンバーがユニフォーム姿のまま行き倒れのように転がっていた。
「お疲れさんです」
声をかけると村上ショージが目を開け
「今朝4時まで収録やって、そのままマージャンして野球して・・・もう死ぬ」
さんまは野球の後、眠ることなく収録へ出たという。
「あれは人間ちゃう、怪獣や」
Mr.オクレがつぶやいた。
「勝ったんですか、野球?」
「お前は来んからボロ負けじゃ」
「すんません。
仕事で」
数日後、さんまと大竹しのぶの結婚が公表された。
島田紳助はさんまを呼び出し、祝儀袋を投げて渡した。
「それ、お前にやないで。
大竹さんに渡してや」
「何で嫁やねん」
「お前に渡しても感謝せえへん」
「人聞き悪いこというな。
最近、お礼いえるようになったんや。
ありがとう」
「礼はできても、自分、心がないやんか」
「あるわ」
一方、大阪にいたジミー大西は、なんば花月のお茶子のオバちゃんに
「アンタ、いくらさんまちゃんいうても新婚さんやねんから、邪魔せんようにしいや」
といわれ、
(自分は邪魔だったのか?)
と青ざめた。
それをみたオバちゃんはあわてて
「邪魔やない、邪魔にならんようにや」
とつけ加えた。
その後、ジミー大西はどこまで許され、どこから邪魔になるのかしつこく聞き、最終的に
「自分で考えろ」
と突き放された。

島田紳助は、自分の番組の中で芸能人が描いた絵をオークションで売り、収益を寄付するという企画を立てた。
そしてさんまに
「誰か、絵描く人、知らん?
マジな絵ばっかりやとおもろないからオチになる絵が欲しいねん。
1円も値がつかんようなド下手クソな絵がええんやけどな」
と相談した。
「お前、感動モン好っきゃなあ。
選挙でも出るんか?」
さんまはそういいながらジミー大西を推薦。
ジミー大西はすぐに吉本に呼ばれた。
説明を受けたが自信がない。
その様子を横からみていた真由美は
「やめときます?
お断りしましょうか?」
と聞くと、ジミー大西はうなずいた。
「そうですね。
紳助さんにご迷惑をかけてもアレやし・・・」
真由美が内心ホッとした。

しかし上司に
「さんまさんが君を推薦したんやで」
といわれるとジミー大西は
「やります」
と即答。
「ほな頼むわ」
上司が去った後、
「絵って小学生以来描いたことない」
と不安がった。
「それならなんで引き受けたんですか?
断ろうかって聞きましたよね?」
と真由美はキツめにいったが、頭をゴリゴリかきむしるばかりなので
「この後、時間空いてるから今描いてしまったら?」
とすぐに必要なものを買いにいった。
油絵のセット一式が揃い、絵の具のフタを開けた途端、ジミー大西は
「ウエッ、クサッ、アカン」
と顔をそむけた。
真由美は再び買出しへ。
水性の絵の具を買ってきて
「とにかくチャッチャと描いてください」
といったが、キャンパスは真っ白のまま1週間が過ぎた。

ジミー大西は、常に絵のセットを持ち歩き、何を描いたらいいのか悩み続けた。
喫茶店でイーゼグとキャンパスを立てているところに、村上ショージたちが入ってきた。
「どしたん?
真っ白のままやんか」
「僕は一体何をしたいんですか?」
「知らんがな」
その後、仕事の迎えにきた真由美にも
「なに描こう?」
と相談。
「なんでもええんとちがいますか」
「なんでもええちゅうのが困るねん」
「オレの似顔絵なんてどう?」
Mr.オクレがいうと
「葬式の写真みたいになる」
とショージがツッコんだ。
「紳助兄さんの番組のヤツやろ。
そもそもお前、絵得意やったか?」
「全然」
「得意やないのになんでまた頼まれてん?」
「オチやからです。
何人か絵がうまい人の後に僕のヘタな絵をみせてウケたいんですって」
「ほな悩むことないやん。
ショージの顔でも描いたらええねん」
オクレはいったが、結局、その日もキャンパスは真っ白のまま。
ジミー大西はいった。
「落ち着いて描ける場所あったらなあ・・・」

そして警察犬との対決の日が訪れた。
対決といっても嗅覚で人間が犬に勝てるわけがない。
まして相手はどんな匂いでも嗅ぎ分けるように訓練された警察犬。
視聴者の笑いをとりつつ、警察犬の優秀さをアピールするという企画で、撮影には警察署長来ていて吉本の上司と話していた。
しかし目隠しをされたジミー大西は、嗅がされた匂いのするほうに真っ直ぐ這い進み、ウロウロしている警察犬より先に正解を探し当てた。
真由美は大笑いしたが、署長が激怒し、映像はお蔵入り。
上司もカンカンで真由美にいった。
「お前の責任じゃ」


真由美は毎日、1日の仕事が終わると、スケジュールを覚えないジミー大西のために明日の予定を書いた紙を渡していた。
そしてこの日、いつものように予定表を不満そうにみるジミー大西についにキレた。
「明日のことは新しいマネージャーにでも聞いてください。
今日でクビやいわれているのにやる気のない人の明日の心配するのバカバカしくなってきたわ」
「なんで真由美さんがクビなん?」
「タレントの失敗はマネージャーの責任らしいです」
「僕のせい?」
「当たり前でしょ。
でもあなたは今稼いでるからクビにすることはできない。
私が諸々をちゃんとチェックしていなかったのも悪いんです。
ミスしたらクビともいわれていましたし、ホンマ約束通りの立派な会社やわ。
よかったやん。
私のこと嫌いやったでしょ?」
「あ、あの・・・」
「ええ勉強になったわ。
今度はほんまに動物園の飼育員でもなったろうかしら。
檻の中に入ってくれてるだけアンタよりマシやわ」
「はあ?なんやそれ」
「前の倍、仕事とってきたのに文句ばっかりいって」
「そっちが勝手に入れたんやろが」
「ハッ?勝手に?
イヤなら断ってよ。
紳助さんの絵だって断ろうてお聞きしましたよね。
なんで引き受けたの?
アンタは何を考えて仕事してるの?
これからの方向性は?
目標は?
なんで下手な絵1枚描くのに何日かかってんの。
あなたは一体なにがしたいの?」
「ぼ、僕・・」
「もうええわ。
もう関わることもない。
じゃあ、さようなら」
真由美は立ち上がった。

話を聞いた明石家さんまは、ジミー大西を連れて仲裁に入った。
しかし真由美はさんまにも怒りをブツけた。
「ジミー大西ってのを芸人にしたのはさんまさんらしいですね。
やってる、やってるっていうギャグまでつくって・・・・」
「やってるやってるぅ」
真由美は、手を動かすジミー大西を睨んで黙らせた。
「さんまさんのいうことならなんでも従うようですから、もっと教育してあげてください」
「あの椎本さん・・・」
「とにかくこれ以上面倒見切れません。
お笑いなんて大嫌いです。
ジミー大西なんて大嫌いです。
それを見つけてここまで育てたさんまさんはもっと嫌いです」
真由美は最後に
「大嫌いや。
あんたはさんまが死ねいうたら死ぬ人間や」
といってジミー大西を睨みつけ、去った。
ジミー大西は、その背中をみながら
「キツッ」
とつぶやき、さんまはそれを横目でみながら
「死ね」
といった。
「よーし、わかった。
死んだらええねんな」
そして2人は笑った。
結局、さんまがクビを撤回するよう会社にかけ合い、真由美は吉本に残った。

ある日、さんまと大竹しのぶは、絵本を読んで娘のイマルと寝かせようとした。
大竹しのぶはステージで歌うように読み聞かせたが
「うるさーい」
と娘にいわれ、さんまにも
「感情込め過ぎ」
とダメ出しされた。
続いてさんまが気合を入れて面白おかしく話すと、イマルが興奮し始め、
「ダァーっ」
と叫んだ。
「オーバ過ぎ、寝ないでしょ」
と大竹しのぶにダメ出しされたさんまは、家に遊びに来ていたジミー大西を呼んだ。
ジミー大西の顔をみた途端、ベッドの中のイマルはケタケタと笑った。
「いくで」
といってジミー大西は絵本を読み始めた。
大竹しのぶやさんまに比べ、たどたどしい読み方だったが、どこかユラユラと揺れるゴンドラのような優しいリズムがあり、みるみるイマルの目はトロトロになり、気づけば寝息を立てていた。
「イマルちゃん、寝てもうた」
ジミー大西がベッドの向かい側をみると、さんまと大竹しのぶも伏せるように眠っていた。

関連する投稿


“裸芸の元祖”井手らっきょが『しくじり先生』に初登壇!警察沙汰になった衝撃の過去を激白

“裸芸の元祖”井手らっきょが『しくじり先生』に初登壇!警察沙汰になった衝撃の過去を激白

AbemaTVで配信中の人気番組『しくじり先生 俺みたいになるな!!』に、ベテラン芸人の井手らっきょが登場しました。「裸芸」のパイオニアとして知られる彼が、過激すぎる芸風ゆえに招いた数々のトラブルや、警察から連絡が来たという衝撃の事件を告白。笑いと教訓に満ちた授業内容と、スタジオを震撼させたエピソードの全貌を紹介します。


自宅でダイナマイトが爆発!?相方・ビートたけしとのコンビ結成の裏側も!『鶴瓶ちゃんとサワコちゃん』にビートきよしが出演!

自宅でダイナマイトが爆発!?相方・ビートたけしとのコンビ結成の裏側も!『鶴瓶ちゃんとサワコちゃん』にビートきよしが出演!

全国無料放送のBS12 トゥエルビで現在放送中の、笑福亭鶴瓶と阿川佐和子がMCを務めるトークバラエティ「鶴瓶ちゃんとサワコちゃん~昭和の大先輩とおかしな2人~」第47回放送分(7月28日よる9時00分~)にて、お笑い芸人・ビートきよしがゲスト出演します。


2丁拳銃    愛人12人の小堀裕之と経験人数、生涯1人の川谷修士、そしてその妻、小堀真弓、野々村友紀子は、同じ1974年生まれ

2丁拳銃 愛人12人の小堀裕之と経験人数、生涯1人の川谷修士、そしてその妻、小堀真弓、野々村友紀子は、同じ1974年生まれ

NSC大阪校12期生、1993年結成の2丁拳銃が、2003年にM-1への挑戦を終えるまで。


吉田敬がM-1を獲るまで!!!

吉田敬がM-1を獲るまで!!!

ブラックマヨネーズ 吉田敬 飲んで、打って、買って、どケチで女性に超アグレッシブ。本当にどうかしてるぜ。ヒーハ~!


【1月生まれの有名人】生年月日が全く同じ!同じ日に生まれた意外な芸人と・・・!?

【1月生まれの有名人】生年月日が全く同じ!同じ日に生まれた意外な芸人と・・・!?

メディアでは報じられることの少ない有名人の生年月日。実は、同じ生年月日の有名人は数多くいるものの、巷ではあまり知られていないの実情です。今回は、1950年代〜1980年代の1月生まれの有名人を対象に、生年月日が全く同じ有名人の組み合わせをご紹介します。


最新の投稿


錦織一清、還暦イヤーを飾る初のソロ写真集&カレンダー発売!“ニッキ”の今を詰め込んだ永久保存版

錦織一清、還暦イヤーを飾る初のソロ写真集&カレンダー発売!“ニッキ”の今を詰め込んだ永久保存版

俳優、演出家、シンガーとして活躍する錦織一清が、2025年5月に迎えた還暦イヤーの締めくくりとして、人生初となるソロ写真集&カレンダー『言魂 -10カラットの呟きと共に-』を2026年5月29日に発売。本人プロデュースによる日常の風景や自ら吐露した10の呟きなど、現在の彼の魅力を凝縮した一冊となっている。


世界的ヒット作「テトリス」がボードゲームに!リアルなブロックを“手で積む”新感覚の対戦が熱い

世界的ヒット作「テトリス」がボードゲームに!リアルなブロックを“手で積む”新感覚の対戦が熱い

デジタルゲームの金字塔『テトリス』が、実際にブロックを手に取って積み上げる『テトリスボードゲーム』として2026年4月下旬に発売決定!2〜4人での同時対戦が可能で、カードによる駆け引きや「オジャマミノ」による妨害要素も。デジタルとは一味違う、空間認識力と戦略性が試されるアナログならではの魅力を紹介。


昭和100年の節目に楽しむ「昭和レトロWEEK!」TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』で開催

昭和100年の節目に楽しむ「昭和レトロWEEK!」TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』で開催

TBSラジオの人気番組『ジェーン・スー 生活は踊る』にて、4月20日から「昭和レトロWEEK!」がスタート。昭和100年を迎える今年、家具や漫画、音楽など多彩な視点で昭和の魅力を再発見します。タイガー魔法瓶のレトロ柄製品が当たる豪華プレゼント企画も実施。懐かしくも新しい昭和の世界をラジオで堪能しましょう。


渋谷PARCOに「歌謡曲喫茶」が出現!最高の音響で昭和の名曲を浴びる贅沢な24日間

渋谷PARCOに「歌謡曲喫茶」が出現!最高の音響で昭和の名曲を浴びる贅沢な24日間

渋谷PARCO 8F「ほぼ日曜日」が、2026年4月24日から期間限定で「歌謡曲喫茶」に変身!銀座のオーディオショップ全面協力による至高の音響で、昭和のきらめく名曲を堪能できます。夜はリリー・フランキーさんや糸井重里さんら豪華ゲストによるトークイベントも開催。懐かしくも新しい、音楽体験の全貌をレポート。


昭和の名作が令和に復活!『チクタクバンバン』が進化して4月下旬に発売決定!

昭和の名作が令和に復活!『チクタクバンバン』が進化して4月下旬に発売決定!

1981年に大ヒットした伝説のパズルゲーム『チクタクバンバン』が、新要素を加えた「令和進化版」として2026年4月下旬に登場!動く時計を止めないようパネルを操る緊張感はそのままに、新たに協力モードや回転パネルを追加。世代を超えて楽しめる、ハラハラドキドキのアナログゲームの魅力を徹底解説します。