MTV アンプラグド : キッス ― 地獄の再会
出来ることなら例のメイクで出てきてほしかったですよね。それだけが残念といえば残念ではありますが、客席の盛り上がり方はそんなことはものともせずにスゴイ!代表曲を演っているとはいえ、客席の熱気が伝わります。
久々にオリジナル・メンバーが集まる。良いですねぇ。嬉しいのはファンだけではありません。当人たちも嬉しかったようで、キッスはこれを機にオリジナルメンバーで再スタートを切ることになります。
公式海賊盤
エリック・クラプトンが1992年。ロッド・スチュワートとニルヴァーナが1993年でキッスがMTV アンプラグドに登場したのが1995年です。
これらのアルバムを続けて聴いていると、エリック・クラプトンがMTV アンプラグドのアルバムフォーマットを確立したんだなぁという感じがしますね。
では、それ以前はどうだったのでしょうか?MTVアンプラグドの知名度を高めたと言われているポール・マッカートニー。1991年に登場しています。
ポールが出演したことによってMTVアンプラグドの認知度が上がったというのは理解できます。しかし、それはイギリスやアメリカでのお話でしょう。当時の日本においてはMTVもアンプラグドも知っているヒトは極僅かだったと思いますよ。その証拠に邦題が「公式海賊盤」ですもんねぇ。アンプラグド全く無視の邦題です。よく見るとジャケットにはアンプラグドと記載されてはいますが、何のことだか分からんかったヒトがほとんどだったはずです。
しかし、です。このアルバムはそんな事とは関係なく良いんですよ、凄く。
公式海賊盤
曲目を見てもらうと分かるように、ビートルズナンバーこそありますが、代表曲はやっていません。もっともポールの場合はオリジナル曲は全て傑作、代表曲と言えなくもないのですが、演ってるのは殆んどがカバーです。しかし、良いんですよねぇ、これがとっても。
最後の最後にファースト・ソロアルバムに収められていた大傑作「ジャンク」を演っているのがファンには嬉しいところです。しかもインストバージョン。さすがポール、一筋縄ではいきません。
せっかく「ジャンク」演るんだったら歌ってほしかったなぁというヒトの声、痛いほど分かります。ですが、ここはこれで正解ではないですかね。
そして、ファンにとって目玉となるのは、14歳のころに作曲した処女作「I Lost My Little Girl」が収録されていることでしょう。これだからライブは楽しいんですよね。
余り知られていないようですが、「MTVアンプラグド」出演時のパフォーマンスをライヴ・アルバムとしてリリースした最初のアーティストはポール・マッカートニーなんですよ。
MTV アンプラグド : ニール・ヤング
ポール・マッカートニーと同じく代表曲を排しながらも圧倒的なパフォーマンスを見せてくれたのが ニール・ヤングです。セットリストの中では、バッファロー・スプリングフィールド時代の「Mr. Soul」、クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング時代の「Helpless」、「The Needle And the Damage Done」の3曲くらいしかヒット曲といえるものはありません。しかし、それがどうしたと言わんばかりのパフォーマンスです。
MTV アンプラグド : ニール・ヤング
日本においてニール・ヤングは知る人ぞ知るの存在のように思えますが、世界的にみると、それはもう神に近い存在ですよ。なので、ポール同様にヒット曲が収録されていようがいまいが大きな問題ではないのです。ニール・ヤングがあの特徴的な声で歌えば、どんな曲でもOKなのです。
そんな中、ファンを喜ばせたのは「Stringman」です。この曲は1970年代半ば、ニール・ヤングにとって全盛期とされる時期にレコーディングされていた未発表曲。こんな曲をやってくれるからたまらんのですよねぇ。
それともう一曲、ニール・ヤングを知らないという方に「ハーヴェスト・ムーン」という曲をお勧めします。
ね?!いい曲でしょう?秋の夜長にピッタリですよね。今回ご紹介したのはレジェンドと呼ばれるミュージシャンばかりですので、誰のどの曲を聴いてもグッとくるものがあります。
他にもブルース・スプリングスティーン(1992年)、ジョージ・マイケル(1996年)、ブライアン・アダムス(1997年)などなど魅力的なミュージシャンが多数出演し、楽しませてくれました。
力のあるミュージシャンだと、どのようなアレンジで、誰の曲を歌おうとも素晴らしいということですが、それがよく分かるというのも「MTVアンプラグド」の魅力のひとつだったのかもですね。