ビジュアルの明と暗のメリハリ
昼の平原や牧場の明るさ、のんきさや
城下町の賑やかさとは裏腹に
夜のそこかしこの暗さ、そしてダンジョンの不気味さは
それまでの2Dのゲーム画像とは格段に違っていました。
もちろん今見ればカクカクしてるし処理速度も遅いし
美麗でもありませんが
当時の「時オカ」のビジュアルに対する評価は群を抜いていました。
各地の雰囲気、牧歌的な場所と不穏な場所の対比
そして各ダンジョンの立体的な、複雑な構成。
その評価は、美麗さや処理の細かさではなく、
場所やダンジョンごとにきちんとメリハリをつけ
リアルに体感したと感じられる工夫にあるのだと
グラフィック的な技術がはるかに進んでいる現代だからこそ、理解できます。
リンクになってその場を探索し、謎を解き敵と戦うこと
リンクとして色々な場所を駆け抜けることに
プレイヤーが集中して「ひたれる」舞台として
グラフィックが仕立てられているのです。
「時オカ」ならではのポイントその3 時間の操作
日々の時間は普通に流れて行く
「時のオカリナ」なのだから時間が関係しているのは明白です。
ですが、このゲームには普段から時間経過が普通に起こっています。
ハイラル平原にずっと立っていると、
夕刻になるにつれてリンクの影が少しずつ長くなっていきます。
釣りに行くといつの間にか雨が降っていたり
城下町で夜になると野良犬がうろつき始めたり。
でも、1日を無為に過ごしても
カカリコ村でニワトリを追っかけ回しても
城下町のゲーセンでボウリングや的当てに興じてもOK。
世界は救われるのをじっと待っていてくれます。
時間操作(短時間バージョン)
ここで使われるのがオカリナ。
「太陽の歌」は昼夜逆転させる効果があり、目の前のリーデット(ゾンビ)が固まってくれます。
他の歌は時空間操作で、今までなかった足場を出現させたり、
馬を呼び出したり嵐を起こしたり。
大人になって知る歌は自分をその場所へ運ぶワープメロディになります。
オカリナは、直接敵を倒すためのアイテムではありませんが
色々な物事を先に進めて行くための重要なキーアイテムです。
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子どもリンクと大人リンク 7年の時間操作
子ども時代にゼルダ姫に出会い、オカリナに導かれて時の神殿に入ったリンクは
マスターソードを抜くことで「大人」に、
世界を救う「時の勇者」になります。
ですが子どもでないとできないこともあり
何度もマスターソードを抜き差しして、子どもと大人を行ったり来たりします。
忙しいですが、それもまた謎解きの一端なんですね。
シリーズで初めてキャラボイスを採用したゲーム
キャラボイスとは言っても
今のゲームみたいにシナリオを喋ってくれるわけじゃないですが。
リンクは「はっ」とか「やあーっ」としか言わないし
色々とヒントを示してくれる妖精のナビィも
「HEY!」「LOOK!」しか言わない。
でもそれだけでも結構うれしかったりしました。
個人的にツボな大妖精サマ
「時オカ」信者が多いわけ
この「時のオカリナ」のあと、ゼルダシリーズは新作がいくつも出ていますが
どうもこの「時オカ」と比較されてしまうことが多く
なかなか評価が辛くなりがちのようです。
それぞれのゲームにはもちろん良いところも、課題もあるのですが
かなりの長いシナリオにもかかわらず飽きさせない、
やり込み要素満載の割に作業感が少ない、
謎解きや攻略への思い入れなど
ここまでバランスよく作られたゲームは
他にはなかなかないと、私は思います。
リンクになってハイラル救済にのめり込んだ経験は
「ゲームでしか味わえない感動がある」
これを全肯定できるほど、強烈なものでした。
私にとって「時オカ」は、ある意味ゲームの原点であり
ゲーム評価の基準でもあるのです。
そう思っている人は
私の他にもたくさんおられるんじゃないでしょうか。