UFO

UFOと言っても謎の空飛ぶ円盤ではありません。ゲームセンターにあるやつとも違います。70~80年代にレッド・ツェッペリンやディープ・パープルと並んで人気を集めたイングランド出身のブリティッシュ・ハードロックバンドです。
UFOはギターヒーローと呼ぶに相応しいマイケル・シェンカーを輩出した事でも知られていますが、やはりこの時期は勢いがあります。ロック魂を熱くさせます。
ということで、マイケル・シェンカー在籍時のUFOをご紹介します。
マイケル・シェンカー
マイケル・シェンカーは、天才ギタリストと呼ぶよりも、やはりギターヒーローと呼んだ方が相応しいように思います。勿論、天才には違いないのですが!

マイケル・シェンカー
マイケル・シェンカーのキャリアは、実のお兄さんがスコーピオンズのリーダー(ルドルフ・シェンカー)ということもあって、スコーピオンズのデビューアルバム「恐怖の蠍団」にリード・ギターとして参加したことから始まります。
マイケル・シェンカー、その時若干17歳です。
UFOに参加するのは1973年6月のことで、マイケル・シェンカー18歳。UFO参加後の初アルバム「現象」は翌年に発売されています。
脱退は1978年ですから5年ほどしかUFOでは活動していないのですが、ロックファンに強烈な印象を残しています。
Phenomenon
UFOとしては4枚目のアルバム「現象」。ここからマイケル・シェンカーのギターヒーロー伝説が始まります。

現象
音的にはハードロックというよりも、ハードな音のロックといった感じがします。イギリスのバンドらしく陰影に富んでいて生ギターを効果的に使った曲も入っています。
Force It
1975年の「フォース・イット」ではマイケル・シェンカーも慣れてきたのか、前作に比べると随分キャッチーなフレーズが増えています。

フォース・イット
元テンイヤーズアフターのキーボード奏者チック・チャーチルの参加が音にバリエーションを持たせる結果になっていますね。
因みに本作は初めて71位ながらアメリカン・チャートに顔を出しています。
No Heavy Petting
UFOは1976年の「ノー・ヘヴィ・ペッティング」から正式にキーボード奏者を加入させています。前作で手ごたえを掴んだのでしょうが、キーボード奏者はチック・チャーチルではなく結果1年ほどで解雇されることになるダニー・ペイロネルです。

ノー・ヘヴィー・ペッティング
ダニー・ペイロネルは曲作りにも積極的に参加していて、それまでとはタイプの違う明るいロックンロールを提供しています。
大きな貢献ともいえますが、結果アルバムとしては従来のタイプの曲と混在したことでまとまりを欠く仕上がりとなっています。
因みにマイケル・シェンカーは、ダニー・ペイロネルが作った曲は嫌いだったそうですよ。
Lights Out
「消灯」と訳されタイトルにされても困ってしまいますが、1977年に発売された「Lights Out」にある意味このセンスには脱帽ですが「新たなる殺意」というタイトルを付けてしまうのも如何なものでしょうか。
現在であれば許されないですよね。この頃からハードロックの邦題は意訳というよりも原題を無視した大げさな題名にするのが定着していったようです。

新たなる殺意
邦題はさておき、このアルバムこそがUFOの代表作といってよいでしょう。1970年代のロックを代表する傑作アルバムの1枚でもあります。
Obsession
「執着」。本人たちがどのように考えていたのかは分かりませんが、1978年に発売された執着と題されたアルバムの邦題は「宇宙征服」。ついにここまできましたね。地球ではなく一気に宇宙まで持っていったところに当時のUFOの勢いを感じます。
若しくはレコード会社の願望でしょうか。

宇宙征服
シンプルであり、バンドとしてのまとまりがあるアルバムです。明るくアメリカンな感じがあり、既に80年代的なハードロックを先取りしたようなところを感じさせるアルバムです。
しかし、残念なことにバンド内での確執もあったようですが、本作でやり尽くしたと思ったのではないでしょうかマイケル・シェンカーにとってはUFOにおけるこれが最後のスタジオアルバムとなってしまいました。
この時期のUFOには勢いがあります。かなり充実していたことはたしかなようで、翌年発売されたライブアルバム「UFO ライヴ」で当時の様子を垣間見ることが出来ます。

UFO ライヴ
ベストアルバム的に代表曲をズラリと並べた内容は圧巻の一言。このアルバムにこそもっと派手な邦題をつけてもらいたかったと思ってしまうほどです。
UFOは、ボーカルのフィル・モグを中心としてこれ以降も解散と再結成を繰り返しながら現在でも現役として活動しています。
一方のマイケル・シェンカーは、脱退後はマイケル・シェンカー・グループを結成しギターヒーローの地位を確立します。そしてUFO同様に現在も素晴らしいプレイを聴かせてくれています!