モハメド・アリ   アメリカに、大切なのは肌の色ではなく、心であり魂であり精神だと教えた男。

モハメド・アリ アメリカに、大切なのは肌の色ではなく、心であり魂であり精神だと教えた男。

ローマオリンピックボクシングライトヘビー級金メダリスト。 「蝶のように舞い、蜂のように刺す」ボクシングで、ソニー・リストン、ジョージ・フォアマン、ジョー・フレージャーらとの名勝負を行いながら、3度も世界最強の座に就いたグレーティスト・チャンピオン。 信念に基づきベトナム戦争の徴兵を拒否し、その制裁として世界ヘビー級チャンピオンのタイトルを剥奪され、3年6ヵ月間、試合ができず、全盛期のキャリアを失いながらも、法廷でアメリカ政府と争い、無罪を勝ち取ったザ・ピープルズ・チャンピオン。 モハメド・アリは、常に常識と権威に挑み続け、大切なのは、心であり魂であり精神だと教えてくれた。


蝶のように舞い、蜂のように刺す(Float like a butterfly, sting like a bee)

1964年2月、世界ヘビー級チャンピオン:ソニー・リストン vs モハメド・アリの試合が行われた。
試合前、モハメド・アリは、ソニー・リストンを挑発し続けた。
「リストンが王者の椅子に座るのもカシアス・クレイと対戦する日まで。
ムーアは4Rで倒れた。
リストンは8Rでおしまいさ。」
「ソニー・リストンは、世界ヘビー級チャンピオンとしては醜すぎる。
世界ヘビー級チャンピオンは俺のように美しくなければならない。」
「大西洋の上空のどこかまでリストンをぶっ飛ばす。」
ボクシング史上最も破壊力があるといわれたソニー・リストンのパンチは、軽快に動き回るモハメド・アリには当たらなかった。
逆にモハメド・アリの速くて鋭いジャブは、ソニー・リストンの動きを徐々に鈍らせていった。
彼は憎らしいくらいにソニー・リストンの周りを回って翻弄し、死に物狂いでパンチを繰り出すチャンピオンにあざけりの言葉で話しかけた。
モハメド・アリはリング上で叫んだ。
パンチを強振し肩を痛めたソニー・リストンは、4R終了後、コーナーで湿布薬を塗った。
5R、この湿布薬が目に入るアクシデントがあったが、モハメド・アリは、蝶のように舞い、蜂のように刺すように戦った。
そして7R開始のゴングが鳴っても、ソニー・リストンは自分のコーナーで椅子に座って動こうとしなかった。
新しい世界ヘビー級チャンピオンが誕生した。

マルコムX暗殺

1965年2月、ネイション・オブ・イスラム(イスラムの民)と袂を分かち、自ら新しいイスラム教組織を立ち上げ、自らが信じる正義を目指していたマルコムXが暗殺された。
マルコムXがネイション・オブ・イスラム(イスラムの民)を離れるとき、モハメド・アリは、彼のことを尊敬していたが、教団を離れることはしなかった。

全盛期

1966年5月25日、世界ヘビー級チャンピオン:モハメド・アリ vs 前世界ヘビー級チャンピオン:ソニー・リストンの試合が行われた。
1R、モハメド・アリの、一見、大したことのないパンチが、顔面に当たるソニー・リストンはマットに沈んでしまった。
これがモハメド・アリの初防衛戦だった。

1966年11月22日、モハメド・アリは、元世界ヘビー級チャンピオン:フロイド・パターソンと対戦した。
フロイド・パターソンは、ビッグマウスで目立ちたがりのモハメド・アリと好対照で、寡黙で謙虚、そして白人との調和を目指す公民権運動の支持者だった。
ブラック・モスリムに批判的だったため、モハメド・アリのことをそう呼ばずに
「カシアス・クレイに勝って、タイトルをアメリカに取り戻す。」
と宣言した。
そしてフロイド・パターソンは勇敢に戦ったが、12R、TKO負けした。

この後、モハメド・アリは、7度、防衛戦を行い全勝(5KO)した。
間違いなく史上最強、最高の世界ヘビー級チャンピオンだった。

徴兵拒否

当時のアメリカは「国民皆兵制度」により、すべての男子は、18歳になると、アメリカ軍に入隊しなければならなかった。
しかし精神あるいは身体に障害がある者、扶養家族がある者、大学に通う者は免除された。
モハメド・アリは有名人だったので、これを数年遅らせることができたが、逃れることはできなかった。
入隊すれば最低2年間は選手生活はストップされる。
そしてベトナム戦争に送られる心配はなく、基地や病院を慰問する任務が待っていた。
しかしモハメド・アリは、自分の良心と、自分の宗教の教えに基づいて、意外な行動をとった。
1967年2月6日、モハメド・アリはボクシング世界ヘビー級チャンピオンとして8度目の防衛戦に勝利した。
1967年4月28日、25歳のモハメド・アリは、テキサス州のヒューストンにある連邦裁判所に行き、他の25名の徴募兵たちと共に筆記試験と身体検査を受けた。
その後は徴兵点呼だった。
名前が呼ばれ、配属をいわれたら一歩前に出る。
この一歩がアメリカ軍への入隊の成立となる。
他のの徴募兵たちは名前が呼ばれると前に出た。
「カシアス・クレイ、陸軍!」
モハメド・アリは動かなかった。
繰り返し呼ばれたが動こうとしないモハメド・アリを、大尉が別室へ連れて行った。

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