アントニオ猪木の燃える事件簿1  プロレスラー時代編

アントニオ猪木の燃える事件簿1 プロレスラー時代編

1960年代にプロレスラーになってから、1989年に国会議員になるまでのアントニオ猪木のまとめ。 「プロレスこそすべての格闘技の頂点」、「いつ何時、誰の挑戦でも受ける」というストロングスタイルのプロレスで、人々を熱狂させ、現在の総合格闘技の源流となる異種格闘技戦を行った燃える闘魂の事件簿。


UWF すっぽかし事件

1984年、クーデターにより新日本プロレスを追い出された新間は、選手を大量に引き抜いて、新団体「UWF(Universal Wrestling Federation:ユニバーサル・レスリング連盟)」を立ち上げるという大胆な計画を立てた。
『私はプロレス界に万里の長城を築く』
UWFの旗揚げ興行ののポスターにはこう書かれてあった。
また
「私はすでに数十人のレスラーを確保した。」
とも書かれてあり、猪木、タイガーマスク、長州力、アンドレ・ザ・ジャイアント、ハルク・ホーガン、前田日明などの顔が並んでいた。
前田日明は
「猪木さんが、「俺も後から行くから、先に行ってくれ」といわれたので移籍した。」
という。

1984年4月、猪木は長者番付でプロスポーツ部門1位(納税額8,268万円)になった.
そして4月11日、埼玉県大宮スケートセンターでUWFの旗揚げ興行が行われた.。
しかしリングには、ポスターに掲載されていた猪木、ハルク・ホーガン、アンドレ・ザ・ジャイアントなどはおらず、前田日明、ラッシャー木村、剛竜馬ら、新日本プロレスのリングではセミファイナル以下のレスラーたちがいた。
ときに罵声が飛び、ときに猪木コール、長州コール、藤波コールが起こった。
こうしてUWFは波瀾の船出となった。

旗揚げ後、しばらくUWFは路線も定まらない状態だったが、藤原喜明が高田延彦を引き連れて参加したあたりから方向性が定まり出した。
それは道場で行われるスパーリングのような、関節技をかけ合う攻防を中心としたサブミッションレスリングだった。
またやがて引退していたタイガーマスク(佐山聡)がザ・タイガーとして参戦。
それによりUWFに蹴りなどの打撃技が加わった。
UWFは、前田、タイガー(佐山)、藤原、高田、木戸修、山崎ら日本人対決を軸に壮絶な試合をした。
ロープワークをせず、相手の技も簡単に受けない。
従来のプロレスのショー的要素を廃し、
「キックが急所にまともに入ったら立っていられない。」
「関節技がガッチリ極まれば絶対に逃げられない。」
という格闘技色の濃いプロレスリングを展開した。
UWFは、従来のプロレスに飽き足らなくなっていた熱狂的なファンを生み出し、社会現象とまでいわれた。
こうして一見、UWFは順調にいくかと思われたが、やがて前田と佐山が対立し、ケンカマッチまで行われ、佐山はUWFを去った。
稼ぎ頭の佐山を失ったUWFは、1985年9月11日に崩壊した。

新旧格闘王

前田日明、藤原喜明、木戸修、高田伸彦、山崎一夫らは業務提携という形で新日本に復帰し
前田日明は新日本のリングで復帰の挨拶で
あくまで妥協せず新日本プロレスと対決する姿勢を示した
「1年半UWFとしてやってきたことが何であるか確かめに来ました」

1986年2月6日、アントニオ猪木が藤原嘉明をスリーパーホールドで失神させた直後、激昂した前田日明がリングに乱入し猪木にハイキックを入れダウンさせた。

1986年4月29日、津市体育館で、前田日明vsアンドレ・ザ・ジャイアント 戦が行われた。
この試合でアンドレは、前田に対して真剣勝負を仕掛けた 。
しかしキレた前田が逆にローキックの連打と関節技でアンドレを戦意喪失にまで追い込んだ。
この試合は収録されたにもかかわらず放映されなかった。
(前田を潰すために新日本が画策したものといわれている。)

1986年10月9日、両国国技館での2大異種格闘技戦で行なわれた。
猪木はメインで元プロボクシング世界ヘビー級王者のレオン・スピンクスと戦い勝利した。

前田日明は、マーシャル・アーツのドン・中矢・ニールセンと戦い、その劇的な勝ちっぷりは、猪木を上回り、「新格闘王」と呼ばれた。

アントニオ猪木と前田日明の対談(週刊プレイボーイ)

猪木
 「前田がユニバーサル(UWF)に行って戻って来た時、俺を痛烈に批判していただろ?」
前田
 「ええ、『猪木は裸の王様』だとか『猪木だったらなにをやっても許されるのか』だとかね。」
猪木
「当時は前田のその言葉を聞いて俺は『裸の王様』なのかもって反省してたんだよ。」
前田
 「まさか、そんな。」
猪木
 「当時はな、俺の周囲もゴチャゴチャしていて自分の意見すら通すことが難しい時期だった。
 会社の規模も大きくなり、テレビ局の意向もある。
 そんな状況の中で偉そうなことを言ってもうまく実現できなかったことがいっぱいあった。」
前田
 「ええ、俺もそんな猪木さんの苦しい状況はなんとなくわかってました。」
猪木
 「レスラーが現役を引退しても安心して生活できるようにと設立したアントンハイセルも失敗して、その責任を取る形で新日本の社長の座からも降りた。」
前田
 「はい。」
猪木
 「その時、前田が言うように俺は結局、裸の王様だったんだなと思ったな。」
前田
 「俺がユニバーサルに身を投じた時、周りのスタッフは『猪木さんも後から参加しますから』と言っていたけども、俺は正直に言って猪木さんは来ないだろうと思ってましたよ。」
猪木
 「そう思ってたか。」
前田
 「はい。
だってわかりますよ。
 外部から見てても当時の猪木さんにはたくさんの重石がついてましたからね。
 そんなことよりユニバーサルのマットで見つけ築き上げようとした新しい闘い方のスタイルを広める事の方が頭がいっぱいでしたよ。」
猪木
 「もう何年前の話になるのかな。
 ある時、地方の体育館で試合があってね。」
前田
 「ええ。」
猪木
 「雨がな、雨がザーザー降っていたんだよ。
 俺は寝転びながら、窓に降り注ぐその雨を見ていたんだ。
 そうしたら、その雨粒のひとつひとつが俺の思い出のように見えてきてね。」
前田
 「ええ。」
猪木
 「こんなこともあった、あんなこともあったってね。
 思い出が降り注ぐような感じで恐怖だった。
 その時、1番俺の胸を締め付けたのは前田がユニバーサルに行って、また新日本に戻った頃なんだよ。
 前田が新しい団体に参加する。
今度は新日本に戻ってきた。
 そういう状況なのに、俺は自分の周りの環境を整備できなくて、前田の考えもやろうとしている方向性もちゃんとフォローしてやることができなかった。」
前田
 「・・・・・・・・・・」
猪木
 「前田には迷惑をかけたと思っているよ。
 いや、前田だけじゃない。
 いろんな人間に迷惑をかけたなと思っているんだ。」
前田
 「猪木さんにそんな風に言われたら、俺はなんと言えばいいのか・・・」
猪木
 「ただ反省はしてるけど後悔はしていない。
 後悔すると人間は前に進めない生き物だからね。」
前田
 「はい。」
猪木
 「俺もな、 力道山の付け人をしていた頃は力道山から痛めつけられたことがあって力道山だけは許せねぇと思っていたさ。
 何かあると『ブラジルに帰すぞ』と言われてね。
 でも彼が死んで10年、いや20年経ったら逆に感謝の気持ちが芽生えたんだな。
 力道山がいたから今の俺がいるんだなって。」
前田
 「その気持ち、わかりますよ。」
猪木
 「だから前田も、あと何年かしたら俺のことを理解してくれる、わかってくれるんじゃねえかと思っているのだけどね。」
前田
 「自分もそれなりに歳を重ねてきましたから猪木さんのことを少しずつわかってきたような気がしますよ。
 自分が新日本を解雇された時も、たぶん猪木さんは何もわかってないんだろうなと思ってましたよ。」
猪木
 「そうなんだよ。
 経緯すらよくわかってなかったんだよな。」
前田
 「アッハハハ。」
猪木
 「あれだろ。
 前田が長州の顔面を蹴ったから新日本をクビになったんだっけ?」
前田
 「アッハハハハハ。
 あのですね、1つ聞いてもいいですか?」
猪木
 「なんだ?」
前田
 「自分たちがユニバーサルから再び戻った時、猪木さんは俺と1回もシングルで闘わなかったですよね。
 どうしてだったんですか。」
猪木
 「逃げてたから。」
前田
 「アッハハハ。」
猪木
 「嫌だったからさ、前田と闘うのが。
 だから、ウフフ・・・逃げた。
 ウフフ。」

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