世界のバブル経済の歴史

世界のバブル経済の歴史

運河バブル、鉄道バブル、チューリップバブル、ウサギバブル、不動産バブル、ITバブル、サブプライムローンバブルなどバブルは常に別の顔をしてやって来ます。熱狂的な陶酔感による異常な資産膨張(資産価格が実態の価値より大きく乖離して高騰)の発生と崩壊の歴史を振り返ってみましょう。


日本列島改造論で開発の候補地にあげられた地域では土地の買い占めが行われて、地価が急激に上昇した。この影響で物価が上昇してインフレーションが発生し、1973年春頃には物価高が社会問題化した。

出典 日本列島改造論 - Wikipedia

田中角栄著 日本列島改造論

『ブラックマンデー』(1987年)

ダウ30種平均の終値が前週末より508ドルも下がり、この時の下落率22.6%は、世界恐慌の引き金となった1929年の暗黒の木曜日(ブラック・サーズデー、下落率12.8%)を上回った。

翌日アジアの各市場にこれが連鎖。日経平均株価は3,836.48円安(14.90%)の21,910.08円と過去最大の暴落を起こした。

更にヨーロッパの各市場へもつながってゆき、世界同時株安となった。日経平均株価については翌日2037.32円高(9.30%)となっている。これは上昇幅で当時の歴代1位、上昇率で当時の歴代2位の記録である。

ブラックマンデー(英語: Black Monday)とは、1987年10月19日に起こった、史上最大規模の世界的株価大暴落。暗黒の月曜日(あんこくのげつようび)ともいう。

ダウ30種平均の終値が前週末より508ドルも下がり、下落率22.6%にも達した大暴落。

大混乱の1987年10月19日のNY証券取引所

日本経済のバブル発生と崩壊「平成の資産バブル」(1980年代後半から90年代前半)

日本では、1973年12月以降の安定成長を経て、1985年9月、プラザ合意がバブル景気の直接の引き金となった。日本経済は空前の好景気を迎え、株式市場も日経平均株価30,000円の大台を超えた。その後の失われた20年は、日本経済への打撃をそのまま示すものであった。

バブル景気(バブルけいき、英: bubble boom)は、景気動向指数(CI)上は、1986年(昭和61年)12月から1991年(平成3年)2月までの51か月間に、日本で起こった資産価格の上昇と好景気、およびそれに付随して起こった社会現象とされる。

情勢自体はバブル経済と同一であり、平成景気(へいせいけいき)や平成バブル景気(へいせいばぶるけいき)とも呼ばれる。日本国政府の公式見解では数値上、第11循環という呼称で、指標を示している。

ただし、多くの人が好景気の雰囲気を感じ始めたのはブラックマンデーをすぎた1988年頃からであり、政府見解では、1992年2月までこの好景気の雰囲気は維持されていたと考えられている。

日経平均株価は、1989年12月29日には史上最高値「38,915.89円」をつける。1990年1月4日の大発会から株価の大幅下落が始まる。

日本では、1986年12月-1991年2月までの株式や不動産を中心にした資産の過度な高騰、経済拡大期間を指すことが主である。目安となる指標も多く存在し、景気動向指数(CI・DI等)、土地価格(公示価格・調査価格の6大都市、地方、平均値等)、株価、GDP(総GDP伸び率等)、消費者物価、民間消費支出等どれを基準にするかということと、政府見解により諸説は左右される。

1980年代後半には、東京都の山手線内側の土地価格でアメリカ全土が買えるという算出結果となるほど日本の土地価格は高騰し、日経平均株価は1989年(平成元年)12月29日の大納会には、史上最高値38,957円44銭を付けるなどし、資産価格のバブル化が起こっていた。このことを指して「バブル経済」と呼ばれる。

「不動産バブル」 1980年代後半には、東京都の山手線内側の土地価格でアメリカ全土が買えるという算出結果となるほど日本の土地価格は高騰した。

1986年2月にNTTが上場し、株価は2カ月で売り出し価格の3倍にあたる318万円の高値をつけ、企業・個人が財テクに入り込んでいくきっかけとなった。

NTT株売り出し 初値は翌日160万円。財テクブームのきっかけになる。

当時の日本企業による国外不動産買い漁りの象徴となった。

1989年(平成元年)に、三菱地所が約2200億円で買収したニューヨークのロックフェラー・センター。

1980年代後半のバブル期に政府は「年収の5倍で住宅を」といスローガンを掲げていた。
地価上昇は、地価の高い都心の戸建て住宅や高級マンションだけでなく、都市近郊にさえ適当な戸建住宅を取得することを困難にした。

日本のような戸建主義的な都市構造において、いずれは戸建住宅を取得することが人生の夢・目標の一つであるとされ、それを動機として貯金に励むことも行われていた。

しかし過度の地価上昇を見て、これ以上値上がりする前に一刻も早く住宅を取得するべきだと考える人も増え、その行動は、また、地価上昇に拍車をかけた。

東京圏のマンション価格は、サラリーマンの平均年収の8.9倍に達した。あまりにも住宅が高騰して、平均的な収入では最早購入するのが不可能な域に達すると、二世代ローンも登場した。本人の資力で支払きれないところを、その子の資力をもって補うものである。

高級マンションの代名詞的存在とされていた広尾ガーデンヒルズ

当時、ドル高による貿易赤字に悩むアメリカ合衆国はG5諸国と協調介入する旨の共同声明を発表した。これにより急激な円高が進行。1ドル240円前後だった為替相場が1年後に1ドル150円台まで急伸した。日本と西ドイツがアメリカのドル安政策の標的にされた。

このショックを和らげるため日本政府は、内需主導型の経済成長を促すため公共投資拡大などの積極財政をとり、また一方で日銀は段階的に公定歩合を引き下げ、(最終的には2.5%)、長期的に金融緩和を続けた。この結果、長期景気拡大をもたらした一方で、株式・土地などへの投機を許しバブル発生を引き起こしたとされている。

バブル景気でみなが浮かれていた。

バブル期には通称、名画買いが起きます。空前の絵画投資ブームがやってきます。日本が86年に輸入した美術品は700億円未満だったのが、90年には6146億円になります。

1987年3月に安田火災海上(現・損害保険ジャパン日本興亜)が3992万1750ドル(当時のレートで約58億円)で購入した

メキシコをはじめとする中南米バブル(1994年まで)・東南アジア(特にタイの不動産バブルが中心)バブル。アジア通貨危機で崩壊。

1990年代のタイ経済は、それまで年間平均経済成長率9%を記録していたが、1996年に入るとその成長も伸び悩みを見せ始めていた。この年、タイ王国は初めて貿易収支が赤字に転じた。1997年5月14日、15日にヘッジファンドがバーツ(以下฿)を売り浴びせる動きが出た。これに対して、タイ銀行は通貨引き下げを阻止するため外貨準備を切り崩して買い支え、バーツのオーバーナイト借入れレートを25-3000%に高めるなどの非常手段を用いて対抗した。

同年6月30日には、当時の首相、チャワリット・ヨンチャイユットが通貨切り下げをしない(ヘッジファンドの攻撃に対する勝利宣言)をしたものの、再びヘッジファンドによる空売り攻勢が始まり、同年7月2日にバーツとドルのペッグ制は終わりを告げ変動相場制に移行した。

それまで対外資金によってファイナンスされていた不動産バブルの崩壊に加え、IMFが融資条件として課した政府支出の削減と利子率の引き上げが、景気後退期における総需要の更なる減少を招いたこともあり、それまで好景気を謳歌していたタイ経済はあっという間に崩壊し、タイでは企業の倒産・リストラが相次ぎ失業者が街に溢れかえった。

東南アジア(特にタイの不動産バブルが中心)バブル。アジア通貨危機で崩壊。

『ITバブル(インターネット・バブル)』(1990年代末から2000年代初頭)

この時代はWeb系サービスの前例がほとんど無いと行っても良い時代だったので、どんなユーザーがどんなニーズでどのようにネットを活用するかすら全く分からない状態だった。

その一方でインターネットを活用したビジネスに対して市場の期待は高まるばかりで、”全てがネット化する”というコンセプトを信じて、巨大な資金が流れ込み、株価の高騰も招いた。

http://blog.btrax.com/jp/2014/12/08/web1/

2000年前後のドットコムバブルとその終焉を示すNASDAQの株価推移

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