『君よ! ポストウォーターで変われ!』の歌詞
バンドブームが去り、経営難となっていた所属事務所を筋肉少女帯は1992年9月に辞め、翌1993年暮れにはレコード会社との契約打ち切りも経験している。
その時期に来たこのCM出演&CMソング作成の依頼。
苦悩の末に引き受けたらしい。
パッケージも再変更。
ブランド力に勝るポカリスエット(大塚製薬)やアクエリアス(日本コカ・コーラ)に対抗して、個性的なライチ味とユニークな瓶ボトルなどを開発したポストウォーター。
だが、味もパッケージも個性が無くなったこの時点で運命は決まってしまった。
リニューアルでブレイクすることもなく、ひっそりと消えていった。
2006年に突如復活したキリン『ポストウォーター』
「もう二度と飲めない」というファンの絶望を聞きつけてか、2006年に復活したポストウォーター 。
だが、商品名が同じだけでその全てが以前のポストウォーターとは別物であった…。
新しいポストウォーターは個性的なライチ味のスポーツドリンクではなく、食物繊維とカルニチンを配合したレモン風味・カロリーゼロの『ファイバー&ダイエット飲料』になっていた。
「ポストウォーターが復活した~♪」と喜んでいたかつてのファンは「コレジャナイ」と失望と怒りに震え、かつての味を「まずい」と認識していた人からは試されることなく敬遠された。
『甘くない』『味が薄くゴクゴク飲める』という点だけは、ポストウォーターらしくもあったが「レストランで出てくる薄~いレモン水」のようだった。
まったく別の商品名であれば成功したかもしれないドリンクにかつての個性派ドリンクの名前を無理矢理使った失敗により、このポストウォーターはわずか1年前後で姿を消した。
以降、キリンは「ポストウォーター」の名を使ったドリンクを発売していない。
『ソルティ・ライチ』は、『ポストウォーター』の味に近い?
同じキリンが2010年から発売している『ソルティ・ライチ』が現存する飲料の中ではもっとも初代『ポストウォーター』の味に近いのではないかと言われている。
キリン『ソルティ・ライチ』
ソルティライチ|キリン
『ソルティ・ライチ』は、発売1ヶ月で年間販売目標の45万ケースを達成し、目標設定値を当初の2倍(90万ケース)に上方修正するほどのヒット製品となった。
以降、数度のリニューアルを繰り返しながら、現在も多くの人に愛飲されている。
我が愛しのポストウォーターとなんという違い。
味の特徴としては、ポストウォーターよりライチの風味も甘さも濃い。
ポストウォーター独特の後味の苦みのようなものも無い気がする。
ソルトフリー(塩分ゼロ)がウリであったポストウォーターに対して、ソルティ・ライチは沖縄海塩の使用をウリにしている点も大きな違いである。
だが、同じライチ味であるソルティ・ライチは間違いなくポストウォーターの系譜をたどっている。
もしや、今の時代ならばポストウォーターもヒットするのではないかという淡い期待すら感じてしまうではないか。
キリンの担当者様。
何度か貶してごめんなさい。
どうかもう一度、初代の『ポストウォーター』を再販して下さい!