【チープ・トリック】『チープ・トリックat武道館』が本国で逆輸入ブレイク!日本が「見つけた」ロックの殿堂バンド。

【チープ・トリック】『チープ・トリックat武道館』が本国で逆輸入ブレイク!日本が「見つけた」ロックの殿堂バンド。

デビュー当時から日本での人気が先行し、『チープ・トリックat武道館』が逆輸入で全米トップ10入りしたことで一躍ビッグ・グループとなったチープ・トリック。2016年にはロックの殿堂入りも果たした彼らの色あせない名曲の数々を全盛期のヒストリーとともに紹介していきたいと思う。


チープ・トリックのメンバー
左から
トム・ピーターソン(B)、バン・E・カルロス(Dr)、リック・ニールセン(G)、ロビン・ザンダー(Vo)

チープ・トリックとは?

チープ・トリックは、ギターのリック・ニールセン(Rick Nielsen) とベースのトム・ピーターソン(Tom Petersson) を中心に1974年に結成された。その後、ドラムのバン・E・カルロス(Bun E. Carlos)、ヴォーカルのロビン・ザンダー(Robin Zander) が加わり、オリジナル・メンバーが固まった。

チープ・トリックの魅力は何と言っても、極上POPラインのメロディーとリック・ニールセンが奏でるラウドなギターサウンド。ジャンルはハード・ポップバンドとでもいうべきなのだろうか?

また、メンバーそれぞれのキャラ立ちの凄さも見逃せない魅力のひとつだ。
ロビン・ザンダーとトム・ピーターソンのイケメンふたりに対して、リック・ニールセンとバン・E・カルロスのダサめのお笑い系がふたりというメンバー構成。この絶妙な組み合わせがバンドの存在感をより大きなものにしていたのは間違いない。

70年代には、ロビン・ザンダーとトム・ピーターソンのアイドル的な人気でまず火が点いたが、ステージに並べられたリック・ニールセンのおびただしい数のギターや、トム・ピーターソンが弾く12弦ベースというぶっ飛んだ楽器、そしてひたすらカッコよくてPOPな楽曲にただのアイドル・グループとはまるで違う匂いを多くのロック少年たちも感じていた。

今回はオリジナルメンバーによる主要なアルバムを中心に、彼らのたぐいまれなるポップセンス溢れる楽曲を楽しみながらチープ・トリックの歩みを追っていってみたいと思う。

1stアルバム『チープ・トリック - Cheap Trick』 (1977)

1977年に発表したデビュー・アルバム。
この頃には、まだチープ・トリック独特のPOPさが開花していたとはいい難い。
本国アメリカではBillboard の200位にも入ることができず、日本でも特に評価はされなかった。

リック・ニールセンは当初このアルバムのプロデュースをジョン・レノンに依頼していたが実現しなかったという。

では、このアルバムから、「ヒーズ・ア・ホア - "He's a Whore" 」を!

日本での人気を決定づけた2ndアルバム『蒼ざめたハイウェイ - In Color』 (1977)

これぞ日本でのチープ・トリックの人気を決定づけた大名盤!

日本での彼らのブレイクのきっかけとなった「甘い罠 - "I Want You to Want Me"」、時計の時報をギターのハーモニクスで再現した「今夜は帰さない - "Clock Strikes Ten" 」をはじめ彼らの代表曲に数えられる「ハロー・ゼア - "Hello There"」、「ビッグ・アイズ - "Big Eyes"」、「カモン・カモン - "Come On, Come On" 」などチープ・トリックのスタンダードがぎっしりつまったアルバムだ。

さきほどメンバーのキャラクターの絶妙な組み合わせという話をしたが、このジャケットこそがその真骨頂かもしれない。
まず上の表ジャケットを見て欲しい。

大型バイクにのったロビン・ザンダーとトム・ピーターソンの美青年コンビのカラー写真だ。


裏を返してみると・・・・、

リック・ニールセンとバン・E・カルロスが自転車にまたがっている。。しかも白黒写真だ。当時のロックではちょっと他にはないユーモア・センスだったのは間違いない。

では、このアルバムから「今夜は帰さない - "Clock Strikes Ten" 」をどうぞ!

名曲「サレンダー - "Surrender"」収録の3rdアルバム『天国の罠 - Heaven Tonight』 (1978)

全米アルバム・チャートでは48位止まりでまだまだメジャーといえる存在ではなかったが、日本では前作『蒼ざめたハイウェイ - In Color』のセールスを上回るヒットを記録する。初期のチープ・トリックの傑作のひとつなのは間違いない。

このアルバムのトップを飾るのは、あの名曲「サレンダー - "Surrender" 」だ。

転機となった運命のライヴ・アルバム『チープ・トリックat武道館 - Cheap Trick at Budokan 』(1978) 

チープ・トリックの初来日公演が行われたのは、『天国の罠 - Heaven Tonight』がリリースされた後のことだ。1978年4月25日の福岡市九電記念体育館から始まり、全国5カ所6公演を行っている。
東京公演は4月28日と30日。そう、伝説を作り出すあの日本武道館だ。

当初は日本向けの企画盤として日本限定リリースの予定だった『チープ・トリックat武道館』 。そのため楽曲も日本人好みのものが選ばれていたという。
ところが、日本からの輸入盤レコードが本国アメリカでも評判となり、ファンの声に後押しされる形でアメリカでも正式なリリースが決定する。
そして、結果として『チープ・トリックat武道館』は、全米4位という大ヒットとなるのだ。また、このアルバムからシングル・カットされたライヴ・ヴァージョンの「甘い罠 - "I Want You to Want Me"」は全米7位のヒットを記録。

チープ・トリックは日本からの逆輸入によってアメリカでのブレイクを果たしたのだ。
まさに日本のファンが見つけ出し、日本のファンが世界に送り出したグループと言っても過言ではないだろう。

また、彼らによって「日本武道館」の名も日本のロックの聖地として世界中に広められることになったのだ。

では、伝説の『チープ・トリックat武道館 - Cheap Trick at Budokan 』の映像をたっぷり楽しんでください。
まずは、もちろん「甘い罠 - "I Want You to Want Me"」から!続いて「エイント・ザット・ア・シェイム - "Ain't That a Shame" 」、武道館ヴァージョンの「サレンダー - "Surrender"」です。

勢いはもう止まらない!4thアルバム『ドリーム・ポリス - Dream Police 』(1979) 

スタジオ・レコーディングとしては4枚目のアルバム。チープ・トリックのスタジオ・アルバムとしては最高位の全米6位、日本のオリコンチャートでも4位を記録した。
楽曲のPOPさにもますます磨きがかかってきている。

5thアルバム『オール・シュック・アップ - All Shook Up 』(1980)とトム・ピーターソンの脱退

1980年になるとリックとトムが音楽的な衝突を繰り返し、夏にはトムの正式な脱退が発表される。ビートルズで知られるジョージ・マーティンがプロデュースした5作目のスタジオ・アルバム『オール・シュック・アップ - All Shook Up 』はすでにレコーディングが終わっていたものの、トムの脱退によってバンドは急速に勢いを失っていく。人気もみるみる下降線を描いていった。

その後、チープ・トリックの迷走の時代が始まる。

天才リック・ニールセンについて

このあたりでバンドの要でもあるギターのリック・ニールセンについて少し触れておこう。
お笑い系の立ち位置でありながら、奇抜でトリッキーなヴィジュアルを貫き通し、自身のスタイルとしている。
ちょっと変、でもどこかカワイイ(笑)。
キャップとチェック柄がトレードマークだ。

チープ・トリックの楽曲のほぼすべてを書いている天才ソングライターであり、2000本のギターを所有するギター・コレクターとしても有名だ。特にヴィンテージギターと変形ギターのコレクションは世界屈指のものだと言う。ポール・マッカートニーが持っている、世界に3本しかない左利き用のレスポールもリックがポールにあげたものだという。

最近、自身のコレクションの一部を販売するオフィシャル・オンライン・ショップもスタートさせたという。

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