東涼子(演:大沢逸美)
堤邦彦(演:山下真司)は常に裕美とユミを温かく見守る
堤邦彦(演:山下真司) ユミには「先公」と呼ばれる。実はユミ以上に合気道の達人なのでめちゃくちゃ強い。
堤「ユミ、君は小沢裕美を知ってるな。 小沢はな、いつも自由を求めて悩んでる女の子だ。」
ユミ「先公、あたしの負けだ。あたしを抱きな」
ユミ「先公、邪魔すんな。あたしの自由を縛る奴はぶち殺す」
別人格の魔少女・大沼ユミが生まれた原因:裕美は物心付いた頃から初江の折檻・言葉の暴力による洗脳を受けていた
初江「お前の父は、お前の母を殺した冷酷な男だ。 恨んで、恨んで、恨み殺せ。 お前の父は、お前を捨てた薄情な男だ。 憎みなさい。 憎んで、憎んで、憎み殺せ」
裕美は物心付いた頃から、祖母によって厳しく躾けられて来た。
そんな中、裕美は自分の体に異変が起きていることに気が付いた。時々意識が飛んでいる。いつの間にか、自分が知らない場所にいる。何をしていたのか全然覚えていない。そんなことが頻繁に起きるようになっていた。
意識が飛ぶ切掛は3つある。
打たれること、鼻を突くニオイ、硝子や陶器が割れる音、どれも祖母の折檻を連想させるものだ。
裕美は幼少期から祖母に警策で打たれ、 お香の立ち込める仏間で説教を受け、 何かの拍子で器を割ると厳しく叱責されて来た。
河本「裕美は、私の娘だ」
学生時代、河本は由紀子と真剣に愛し合っていた。決していい加減な気持ちで付き合っていた訳ではない。本気で結婚を決断した河本は、両親を伴って由紀子の実家へ挨拶に行った。
応対に出た由紀子の母・初江は、河本を悪し様に罵った。
初江「由紀子を嫁に欲しいですと?財産目当ての野良犬に、小沢家の大切な一人娘を嫁にやって溜まるものですか。厚かましいにも程がある」
未だ若く自尊心の高かった河本は、これを受け流すことなど出来なかった。
河本「財産目当ての野良犬?ふざけるな!」
啖呵を切って小沢家を飛び出し、金輪際由紀子になど会うものかと心に決めた。
その後由紀子が自殺したと聞いても、娘の存在を認めることが出来なかった。
意地を張り続けて、年月だけが経っていたのだった。
河本「許して欲しい。今の私にはこれしか言えない」
裕美は自分の意思でユミであることを止めることが出来た(裕美の人格とユミの人格が融合し、裕美の人格に統合された)
裕美「御心配をお掛けしました」
裕美「私考えました。まず真っ先に浮かぶのは、私がお婆ちゃまに受けた折檻でした。
折檻の中でも特に辛かったのは、私の産みの母に対する憎しみの言葉を浴びせられた時でした。
母を罵られると、私の体は痺れて感覚がなくなっていました。
母の淫らな血が私にも流れていると思うと、それだけで私は生きていく勇気を失いました。
人を愛することも、愛されることも出来ないんだと思って、何度泣き明かしたか判りません。
私の母の姿を、ありのまま話して下さい」
由紀子の死の真相を告白した初江は、裕美の手を取った。
初江「裕美、あなたのお母様の由紀子は人を愛することに直向な純真な女でした。
このお婆ちゃまが小沢家の名誉や体面に拘り、あなたのお母様の由紀子を殺してしまったのです。
許しておくれ、裕美。
お婆ちゃまは由紀子への憎しみをあなたにぶつけていたのですね。
もう少しでお婆ちゃまは、あなたを由紀子と同じ運命に追い込むところでした。
許して下さい」
初江「死にたくない…生きたい…生きていたい」
断末魔の悲鳴を上げ、藻掻き苦しんだ末に初江はガクリと事切れてしまった。
祖母の死を目の当たりにした裕美は、泣きながら部屋を飛び出して行った。
涼子と堤は、裕美を追い掛けて行った。
暫く走ったところで、裕美が立ち止まって後ろを振り向いた。
またしても、裕美はユミになっていた。