実は『ケロヨン』の生みの親!影絵作家・藤城清治の60年以上にわたる幅広い創作活動の世界。

実は『ケロヨン』の生みの親!影絵作家・藤城清治の60年以上にわたる幅広い創作活動の世界。

影絵作家として有名な藤城清治さん。でも実は、1960年代に爆発的に流行した『ケロヨン』は、藤城さんが手がけたものでした。ケロヨンや木馬座アワーを始め、CM・絵本の制作・最近の影絵の作品など、長年、精力的に続けてこられた幅広い創作活動をまとめてみました。


藤城清治と言えば影絵!

藤城清治さんと言えば影絵。誰もが一度は、どこかで目にしたことがあると思います。
「光と影の詩人」と呼ばれているように、緻密で美しいこれらの作品は、世界的に見ても類のない芸術作品です。
でも、藤城さんはもともと影絵だけではなく、人形劇の上演やぬいぐるみ劇映画の総監督などもされていました。
『ケロヨン』を覚えていますか?あれも藤城さんの作品なのです。

懐かしの『木馬座アワー』

木馬座とは、藤城清治さんが主宰する劇団の名称です。
藤城さんは自社提供で、『木馬座アワー』というテレビ番組を作りました。

この番組が始まる前から、藤城さんはすでにテレビの番組制作に関わっていました。
1953年、テレビの試験放送が始まるとNHKと契約を結び、「せむしの仔馬」(ロシアの童話)のようなお話を影絵劇として放送しました。
1958年には、TBSで『影絵名作アルバム』を作ります。
そうした下地があっての『木馬座アワー』の挑戦でした。

『ケロヨン』カーマニア・カエル登場!

ケロヨンは『木馬座アワー』のコーナー『カエルのぼうけん』の主人公。
主なスーツアクターは花巻五郎さん、声優は新井勢津朗さん。
カエル屋敷に住むヒキガエルの息子で、ボーターラインのTシャツを着用しています。
特に自動車マニアで、自分で設計したカスタムカーでカーレースに参加するなど、自動車に乗るシーンが多く、これは作者・藤城清治がカーマニアであることを反映しているそうです。

今観ても、とてもおしゃれな舞台セットです。
昭和の子どもにとって、洋風な(この言い方も古いですね)インテリアの家は別世界!
スポーツカーも、あこがれのものではないでしょうか?
なんとなく『マッハGoGoGo』の車を思い出させるなと思って調べてみたら、『マッハGoGoGo』も、1967年、同時期に放映されていました。

これはファンの方が撮影された、藤城さんのプライベートな写真です。
この写真の時、すでに80歳を超えられていられますが、スポーツカーで疾走する姿がカッコイイですね。
カーマニアというのもうなずけます。

ピンクのポルシェで走る藤城清治さん

大流行!「ケ~ロヨ~ン」と「バハハーイ」

放送開始当時は「ケロちゃん」という名前でしたが、『ケロヨン』という呼び方が定着した後も、劇中での愛称は「ケロちゃん」と呼ばれました。
劇中の口ぐせ「ケロヨーン」と「バハハーイ」は流行語になりました。

『20世紀少年』でも「ともだち」が、「バハハーイ」と言っていたのを聞いた時、ゾクッとしました。浦沢直樹さんもきっと、ケロヨンを観ていたのでしょうね。

当時、 玩具からお弁当箱、日用雑貨まで、ありとあらゆるケロヨングッズが登場し、ケロヨン・ブームとなりました。
1967年5月に発売されたケロヨンのビニール人形は発売から2カ月で30万個が売れたそうです。

日本武道館での『ケロヨンショウ』

現在もゆるキャラブームですが、さすがに着ぐるみのまま車を運転する強者はいませんよね。
今考えても、相当弾けた企画だと思います。
あなたはこの『ショウ』をご覧になりましたか?

影絵と人形   表裏一体の静と動

手がけたCM・影絵アニメーション・絵本などの数々

ケロヨンの他にも様々な形で、藤城作品は世に発表されていきます。

「あかちゃんも夢をみるのかしら」というナレーションと共に、チューリップの中で眠るあかちゃんを優しく見守る小人たちの影絵アニメーションでした。

1973年 宇津救命丸のCM

絵本「マボロシの鳥」爆笑問題 太田光さんの小説とコラボ

マボロシの鳥

藤城さんの影絵の創作方法

藤城さんの影絵の作り方を知りたい!まねしてみたい!と思われる方が多いと思いますが、その技法は緻密で、途方もない労力から生み出されています。

台紙に下絵を描き、黒い影にしたい部分と明るい部分に分け、光が当たる部分をカッターで切り抜きます。下からライトを当てる特製の机で、影を確認しながら作業していきます。

普通の人ならカッターを使うところですが、藤城さんはカミソリの刃を直に持って切り取ります。その方が、指先の延長のように自在に使いこなせるのだそうです。
カミソリの刃を、多い日で300枚も消費することもあるそうです。

光が当たる部分には、トレーシングペーパーを貼ります。
さらに光の濃淡をつけたいと思う部分は、トレーシングペーパーの枚数で調整します。
部分ごとに細かく枚数を指定していくと、たった1枚紙が多くなるだけで、山水画の様に、遠い山並みが現れることに感動しました。

色をつけたい時は、直接台紙にカラーフィルムを張り付けるやり方と、ライトの方に色をつけるやり方を組み合わせ、思い描いた色合いを表現していきます。
例えば青のカラーフィルムだけでも、60色を揃えているそうです。
この細やかな色遣いは、本当に職人技です。

実際に、藤城さんが製作されている様子を追った動画がありました。
文字で説明するより、動画冒頭の20秒ですべてがわかります。
百聞は一見にしかず。ぜひご覧ください。

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