【ロベルト・ペタジーニ選手】ゴジラ松井に打ち勝った「最強助っ人」の一人

【ロベルト・ペタジーニ選手】ゴジラ松井に打ち勝った「最強助っ人」の一人

1998年に来日したヤクルトたぺタジーニ選手は、来日1年目から松井秀樹と壮絶な本塁打王争いを繰り広げる。松井選手が大リーグに行った後は読売ジャイアンツ、晩年はソフトバンクに在籍。3球団で活躍した彼の球歴を振り返る。


最初に話題になったのは・・・

「今度ヤクルトに入団してきたペタ・・・何とかいう選手の奥さん、ずいぶん年上みたいやな」
「何でも・・・親友のお母さんと結婚したらしい」
「・・・どういうこと?」
ペタジーニ選手は、打撃よりもその衝撃的なプライベートがまず話題となりました。

ペタジーニ夫妻

そういった事情があって結婚したオルガ婦人とペタジーニ選手の仲むつまじい姿はその後頻繁に見られるのですが・・・すぐにそのプライベートな話題よりも打撃のほうに注目が行くようになります。

来日1年目から大活躍

1999年シーズンからヤクルトスワローズに加入したペタジーニ選手は、来日1年目からホームランを量産。当時巨人の4番打者として覚醒していた松井秀喜選手と激しい本塁打王争いを演じます。

1999年10月5日の対巨人戦。この時既に中日ドラゴンズの優勝が決まっており、この試合最大の注目は本塁打王争いでした。試合前の時点で松井秀喜選手が41本、ペタジーニ選手が42本。松井選手はヤクルト投手陣に敬遠気味の四球で歩かされ続けます。
この日巨人の先発だった上原投手も、新人ながら20勝という大記録と最多勝の記録がかかっていました。上原投手はこの日1打席目と2打席目ぺタジー選手と真っ向勝負し、2打席共に打ち取っていましたが、7回裏に3打席目を迎えたところでベンチから敬遠の指示がでます。

指示に従い、上原投手は渋々歩かせるのですが、勝負できない悔しさから、全力のストレートを投げ込みます。ファーボールを与えた後、マウンドの土を思いっきり蹴り上げ、目に浮かんだ涙をユニフォームの袖で拭った「涙の敬遠」はタイトル争いの中で生まれた象徴的な場面と言えるでしょう。
結局両者の1本差は変わらず、44本塁打を打ったペタジーニ選手は本塁打王と最高出塁率(.469)のタイトルも獲得します。

2000年シーズンは松井選手に本塁打王を譲った(松井・42本、ペタ・36本)ぺタジーニ選手ですが、2001年、39本塁打(松井36本)を放ち、2度目の本塁打王を獲得。チームのリーグ優勝・日本一に大きく貢献します。

巨人の四番に

2002年は松井秀喜選手が50本塁打を放ち、本塁打と打点の2冠王を獲得(松井選手は三冠王目前で打率を福留選手に抜かれます)。この年、41本塁打を放ちながらペタジーニ選手は本塁打王になれませんでしたが、ペタジーニ選手と松井選手は毎年のようにハイレベルな本塁打王争いを繰り広げた事で、互いに成長した事は確かでしょう。

巨人時代

2002年オフに松井選手が大リーグのヤンキースに移籍し、主砲が抜けた穴(と言っても戦力は他チームに比べて大きく劣ってはいませんでしたが)を埋めたい巨人。そして来日以来、スランプの年がなく、好成績を挙げ続けると共に年俸は高騰していき、ヤクルトとの交渉が難航していたペタジーニ選手。両者の思惑は一致し、2003年シーズンから巨人でプレーすることになります。

※その後、ラミレス選手、グライシンガー投手というヤクルトで好成績を残した外国人選手が巨人に移籍する事が続きます。こういった巨人の補強に、ヤクルトファンからだけではなく多くの野球ファンから批判が集まりました。

当時巨人のファーストには、清原和博選手がいたため、ペタジーニ選手主に不慣れな外野手として出場。開幕戦で返球を大暴投するなど守備にはかなり難がありました。また、人工芝の外野を守った事も影響してか、5月に左膝故障で登録抹消。その影響でこの年は100試合の出場にとどまります。それでも、規定打席にも到達しなかったにもかかわらず、打率.323、34本塁打、81打点の成績を挙げ、来日以来5年連続30本塁打以上という成績を残します。

「ポジションがかぶっているのに取る」というのが巨人流?

清原選手と

2004年、堀内恒夫が新たに監督になった巨人は近鉄バファローズからタフィ・ローズ選手、福岡ダイエーホークスから小久保裕紀選手とパ・リーグ本塁打王経験者が2人同時に加入。
それによってペタジーニ選手は再びファーストに戻り、ポジションがかぶる清原選手と併用されるようになります。こういう事情に加え、故障もちだったペタジーニ選手はこの年、117試合出場で打率.290、29本塁打、84打点と日本では「自己最低の成績」に終わると同時に3割と30本の連続記録も途絶えます。
・・・と言っても、この数字は十分合格点なのですが・・・。

ちなみにこの年、巨人は、仁志、清水、ローズ、高橋、小久保、ペタジーニ(清原)、阿部、二岡…という他球団から見れば贅沢すぎる「史上最強打線」を形成。プロ野球記録のチーム259本塁打を放ちます。ですが投手陣は崩壊し優勝を逃しています。

この年のオフ、堀内監督はシーズンを長期離脱した清原選手と故障を持っているペタジーニ選手。二人とも再契約せず、ファーストに別の選手を起用しようとする構想を持っていましたが、契約期間が1年残る清原選手が球団に直談判。結局2年契約が切れたペタジーニ選手だけが巨人を退団する事となるのです。その後ペタジーニ選手と契約する日本の球団は現れず、ペタジーニ選手は、メジャーリーグのボストン・レッドソックス傘下の3Aポータケットと契約。8月にはメジャー昇格も果たします。

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