YAT!安心宇宙旅行

80年~90年代風の絵柄にSFアドベンチャー。
キャラがみんな個性的でしたね。名前も含めて。
弱小企業と大手企業が張り合ったり、宇宙が舞台だったりと、何だか『21エモン』を思わせます。
一見壮大だけど、家族という身近なテーマを描いていたんですね。
概要
あらすじ
時代は、宇宙旅行が当たり前にできるようになったころ。
星渡ゴローという少年は、父親を探すべく「YAT」という旅行会社の企画したツアーに参加する。
目的は行方不明の父親捜し。
だが、誤って宇宙船を壊してしまい、「YAT」でタダ働きすることに。
ドタバタコメディから徐々にシリアス味を増していった。
用語
YAT
コスモロード社
次元トンネル
ダイゴシステム
登場人物

星渡ゴロー(ほしわたり ごろー)

天上院桂(てんじょういん かつら)

ヤマモトカオル

ウッチー

カナビー

ブッキー

カネア・マリーゴールド

アン・マリーゴールド

星渡ダイゴ(ほしわたり だいご)
最終回
父親との再会も果たし、YATにいる理由がなくなったものの、ゴローは相変わらず雑用に明け暮れていました。
しかし、最近ツアー客もいないし、宇宙船もボロボロ。
そんな中、テレビが一つのニュースを告げました。
「次元トンネルで行けなかった、ノア星の宇宙船が地球近くまで来ていた理由」
マザー次元トンネルの影響で、ノア星の近くの次元に穴が開いてしまい、底に吸い込まれてのこと。
「15年前、同じことがあった」そう語るノア星人。
ノア星人はようやく事故の原因が次元トンネルの試作品によるものと知ったのでした。
ゴローの父、ダイゴはそのことを話し、桂に「15年前」の事件を語ります。子供と、生物の乗ったカプセルが次元の穴に吸い込まれたと。
ダイゴは桂に告げます。「三日後にノア星の使節と会うから、同行してほしい」
ウッチー、カナビー共にカオルに引き止めるよう言いますが、カオルは「いつか来ると思っていた」言い、「永遠の別れじゃない」と背を向け、突き放す態度。
一方のゴローは、父から一緒にノア星に来て、今後の自分の仕事を手伝ってくれないかと打診します。
マリーゴールド家は。ダイゴと友人だったドンズの墓参りをし、会社はカネアが引き継ぐことに。しかし、宇宙船の事故で信用はがた落ちで、次元トンネルの占有権もなくなり・・・。
それでもカネアは「自分が立て直す」と強気に言い放ちます。
そこに警察がやってきて、母が逮捕されるのを気丈に見送り。涙を落としたのは、姿が見えなくなってからでした。
ゴローが出した答えは、「YATに残る」。
ウッチーもカナビーも、「実はYATダブは保険に入ってたから、もう借金はない。親父さんも見つかったし、桂さんもいなくなるんだから、いる理由がない」と言うのですが。
夜、YATダブの上で桂は自分もYATに残ると言うのですが、ゴローは他愛ないことで父と喧嘩したこと、そして自分が「自分のことしか考えていない」子供であったことなどを話します。
「YATに残るのは、色んな人に会っていろんな経験がしたいから」。優しく語り、「家族に会ってみなよ。俺みたいに喧嘩するかもだけどさ。会ってみなきゃ分からないじゃん」
そして、YATの次なるツアーが始まります。添乗員の衣装で、今までの客を乗せ、ノア星に向かうこと、「さよならツアー」であることを、笑顔で告げての発進。
途中の空港で、ダイゴとゴローは「もう行方不明になるなよ」「また探してくれるか?」「ゴメンだね」と、しばしの別離。
桂はゴローの告白や、「必ず守る」と言われたことを思い出し、「また会える」との言葉を受け、何だかいいムードに。
そこにカネアが乱入です。「あなたがいない間にゴロー様と進展!と行きたいところだけど、会社の立て直しもあるし、勝負はあなたが戻るまでお預け」。
絶対に帰って来い、でないと承知しないと、これまた激励と笑顔でのお見送りとなりました。
ノア星に向かう宇宙船を見て泣きそうな顔をしていたゴローも、吹っ切れたように笑顔に。桂の今後を祝福しての行為なんでしょう。
社長は?トイレで泣いていました。15年間育ててきた娘の名を叫んでの男泣きです。
やがて地球に帰還し、YATがどうなったかというと。
ゴローに操縦士としての訓練を受けさせる、とカオルが言います。
「これからは給料を払うんだから、操縦ぐらい覚えてもらう」
操縦席に座るゴローは、心中で父や桂に呼びかけます。
「皆が帰ってくるころには、もっと大きくなっている」
勢いよく発進!と思ったら、YATダブはバックしてしまいます。ギアを逆に入れていた、とのことで。
宇宙を舞台にしたゴローの成長物語は、一旦は幕を閉じるのでした。「がんばりまぁ~す・・・」との言葉と共に。