【確信の逃亡劇】サニーブライアン

【確信の逃亡劇】サニーブライアン

1997年のクラシック戦線を駆け抜けたサニーブライアン。それは奇跡でもフロックでもなくサニーブライアンの能力を信じた関係者の確信があった。怪我により短い競走馬人生ではあったが、その中で眩いばかりに光輝いた二冠馬の軌跡を追います。


中小牧場の夢をのせて

サニーブライアン

父 ブライアンズタイム 母 サニースイフト

父は初年度産駒から歴史的三冠馬ナリタブライアンやオークス馬チョウカイキャロルを輩出するなど
日本の大種牡馬である。

母サニースイフトは現役時代に準オープンクラスまで出世し、オークスにも出走している。
甥には日本ダービー2着のサニースワローがいる

サニーブライアンの故郷、村上ファーム

村上ファームは北海道浦河町にある牧場である。当時、生産馬から重賞勝ち馬を輩出していたが、並外れた成績を出しているわけではなく、いわゆる中小牧場であった。そんな中、「いつかダービーに生産馬を出走させたい」っという牧場関係者の想いが現実になったのが、1987年の日本ダービーだった。生産馬のサニースワローが日本ダービーへと駒を進み、しかも22番人気の低評価を覆し2着に入線した。勝ち馬のメリーナイスから大きく離されたが、村上ファームの人々に大きな喜びと感動を与える出来事であった。

渾身の配合

村上氏はサニーブライアンの母サニースイフトに繁殖牝馬としての大きな可能性を感じていた。そんな期待感もあり、サニースイフトを競走馬として送り出すときに、馬主の宮崎氏に「走ろうが、走るまいが必ず牧場に戻してほしい」と伝えたと言われている。
そんなサニースイフトが繁殖牝馬として村上ファームに帰ってきて、初年度の種付け相手をどの種牡馬にするか迷っていた。そんな時に、親交のあった調教師から「初仔が一番母親の能力を受け継ぐ」という助言と均整の取れた馬体の種牡馬ブライアンズタイムに出会う。当時、ブライアンズタイムは併用から4年目で種付け価格が下落していたといえども、中小牧場である村上ファームにとっては賭けとも思われる種牡馬であった。しかし、その馬体と血統背景に村上氏はブライアンズタイムを種付けすることを決断する。
そうして、生まれてきたサニーブライアンはしっかりとした体つきと全身を大きく使って走る美しい走法に今までにない手ごたえを感じた。

デビュー~クラシック路線へ

村上氏の期待を一身に背をったサニーブライアンは、叔父のサニースワローと同じ馬主の宮崎氏が購入し、調教師も同じく中尾調教師のもとに入厩が決まった。初めてサニーブライアンの走りをみた中尾調教師は「サニースワロー以上の素材だ」っと感じたという。身体的な面でも優れていたが、最も優れていた所は人に従順で素直な気性であった。どんなに優れた能力を持っていても気性が荒すぎて能力発揮できずに引退を迎える競走馬は多い。この従順さが後の偉業への最大の要因となった。
そして、サニーブライアンの主戦騎手には大西直宏騎手となり、牧場・馬主・調教師・騎手の夢が復活したのであった。

もともと騎乗技術があった割に長い間騎乗馬に恵まれなかったのは、大西自身がシャイな性格で口数も少なく、競馬サークル内での営業活動(騎乗馬確保)・人間関係づくりが不得手であったことによる、と多くの競馬マスメディアの記事などで評伝されている。師匠である中尾も「あいつは腕はあるんだが、口下手で…」と、大西の寡黙さが影響しての成績低迷をしきりに惜しんでいた。 ところが、自厩舎に所属することになったサニーブライアンとの出会いが、大西の名を全国区に押し上げる。1997年の皐月賞を11番人気ながら逃げ切り、人馬共に初めてのGI制覇を飾る。これが大西にとってはこの年の3勝目で、しかもうち2勝がサニーブライアンによるもので、なおかつ重賞勝利もアラブ大賞典(秋)以来の生涯通算2勝目(グレード重賞初勝利)という、GI勝利ジョッキーとしては稀なることとして話題となった。また、14年4か月ぶりの重賞勝利はJRAの新記録であった。次走の東京優駿でも同馬とのコンビで、6番人気と相変わらずの低評価ながら鮮やかな逃げ切りを見せ、二冠を達成。レース後「1番人気はいらないから1着だけ欲しい、と思っていました。」と発言した。同馬はサニースワローの甥であり、馬主も厩舎も鞍上も同じなら、作戦まで同じ逃げということでも話題になった。 ダービージョッキーとなった事でその手腕が改めて評価される事となり、以降は騎乗回数も大幅に増え、それに比例して勝ち星も増えていった。新装オープンした新潟競馬の直線競馬競走の初勝利騎手としても名を残す一方、以降はローカル競馬を中心に渋い働きを見せ続けた。2002年に自己最高の45勝を挙げ、2004年はカルストンライトオに騎乗しスプリンターズステークスを優勝。同馬とのコンビでは、新潟競馬場の直線コースで行われるアイビスサマーダッシュも2度制している。 騎手晩年は『マイネル』の冠名で知られるラフィアンの所有馬に騎乗する事が多かった。2000年にマイネルコンバットでジャパンダートダービーを優勝し、日本における芝とダートのダービー相当競走を共に制覇した史上初の騎手となった他、マイネルセレクトでのシリウスステークス優勝(後にJBCスプリントで2着)、マイネルアムンゼンでの新潟大賞典ならびにエプソムカップ優勝などがあげられる。 2006年12月6日に引退届を提出、同17日の中山開催で騎手生活から引退した。大西が引退した時点で美浦トレーニングセンターに所属する現役のダービージョッキーが皆無となる事態となり、その「空白期間」は2009年5月にロジユニヴァースで横山典弘が新たなダービージョッキーとなるまで約2年半に渡り続くこととなった。 引退後は、2008年11月まで競馬の専門学校ジャパンホースマンアカデミーで特別講師などを務めた。2009年からは国際馬事学校で講師兼任の学校長を務め、競馬情報会社ワールドで馬券戦略の情報指針役にも就任した。2012年2月からは美浦トレセン郊外にある育成牧場「NOレーシングステーブル」の経営にも着手している。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E8%A5%BF%E7%9B%B4%E5%AE%8F

大西直宏 - Wikipedia

デビュー戦

サニーブライアンのデビュー戦は東京競馬場の芝1800m戦だった。このレースには日本ダービー馬ウイニングチケットの全妹スカラシップも出走していたが、スタートしてそのまま先頭に立ち逃げ切り勝ちを収めた。主戦騎手の大西騎手はそのレースぶりと根性にクラシックへの手応えを感じた。

遠い2勝目

新馬戦を快勝して、陣営の期待も高まったがその後2勝目を挙げるのに苦労をする。デビュー後2戦目は当時「ノーザンテースト最後の大物」と話題だったクリスザブレイヴ、格上挑戦の府中3歳Sでは「芦毛の怪物」スピードワールドにっと敗戦を続けた。明けて4歳になってもコンスタントにレースを使われていたサニーブライアンは1月のジュニアカップでスタート後先頭に立つとそのまま逃げ切り勝ちを収めた。デビュー戦以来の逃げを見せて2勝目を挙げた。この勝利で大西騎手はある事を確信する。サニーブライアンは道中脚を溜めようとするより、多少無理に逃げてもバテる事無く、ジリジリ脚を使う事が出来る。
「逃げ馬」としての資質を確信したのであった。

前哨戦

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