「新日から脱退したい」
1983年5月16日、
クーデターの発端は
長州力が新日本プロレスの三重県津大会を無断欠場したことだった
その夜、長州は猪木へメッセージを送った
「新日(新日本プロレス)から脱退したい」
「社長、 これは職場放棄ですよ 謹慎処分か退職処分にすべきではないですか」
新間はこの件を猪木に相談した
「社長、
これは職場放棄ですよ
謹慎処分か退職処分にすべきではないですか」
「そう派手にやってくれるなよ、新間
そもそもは俺が昨年の長州造反を押さえつけなかったことが原因なのだろうが、
長州が今回やったことにしてももう1つ心から怒れない部分があるんだよ
この前もいったように俺も長州と同じことをして自分を主張してきたし・・・」
「いや、ペナルティを科して
それが受け入れられなければ辞めさせるべきです
なんなら馬場さんに言ってアッチ(全日本プロレス)でも使わせないようにしてやる」
「俺は長州を信じている」
(http://www43.tok2.com/home/shinma3jp/prows/prows001.html)
「俺は長州を信じている」
猪木は選手の気持ちがわかるというが
それは新間などの背広組に納得できる話ではなかった
「結局、猪木は長州、浜口を野放しにした
同じ釜のメシを食い
同じトイレを使い
肌をあわせ汗を流し
朝起きて夜寝るまで行動を同じくする選手達の絆の強さ
やはり選手は違うんだな
選手のほうが可愛いのかなと思った
しかし処分しなかったことで、山本、藤波ら第2グループは勢いづいた
これなら何をしても大丈夫だ
私たちの知らぬところで着々と手を打っていた」
(新間)
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83’サマーファイトシリーズを猪木は欠場
1983年7月、
83’サマーファイトシリーズを猪木は欠場した
「新団体はない」 「単なる新日離脱だ」
このシリーズ前、長州、浜口が記者会見した
2人は、
「新団体はない」
「単なる新日離脱だ」
と述べた
「このシリーズが終わったら話がある」
しかし
別のグループは水面下で動いていた
山本小鉄、藤波辰巳、大塚直樹、永源遙らは
「新団体をつくるためにはタイガーマスクがいる」と考えていた
1983年7月12日、
北海道苫小牧で
タイガーマスクは試合が終え
札幌のホテルの部屋に戻るところで藤波に声をかけられた
「このシリーズが終わったら話がある」
藤波はタイガーマスクが結婚問題で会社に嫌気をさしているということを知っていた
佐山の結婚問題とは
佐山が東京スポーツの記者に口車に乗せられ
「タイガーマスク結婚」とスッパ抜かれたことから始まった
「冗談じゃない」
この記事を見て新間が烈火のごとく怒った
「まだまだタイガーマスクはこれからなのに
佐山はいったい何を考えているんだ
そんな浮ついたことでスター街道が歩めるか」
そして新間はタイガーマスクをリングに上げ
「結婚は3年間しません」
と誓わせた
一部マスコミは「タイガーマスクの人権無視」と非難した
「冗談じゃない
タイガーマスクと佐山聡は別ものだ
タイガーマスクは会社の財産であり
これからまだまだ稼いでもらわねばならないレスラーだ
企業防衛として結婚を打ち消すのは当然のことだ」
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「8月いっぱいで営業の者は突然いなくなります」
1983年7月22日、
大塚直樹(新日本プロレス営業部長)は
タイガーマスク(佐山)をクラブに誘った
大塚はここで初めてタイガーマスクに新団体の話をぶちまけた
「私達は新日本プロレスを辞めて新しい組織をつくります
8月いっぱいで営業の者は突然いなくなります」
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「当初、佐山の結婚はロスで極秘に行う予定だった
出席者は、
新郎新婦の両親、
猪木、
坂口、
野末陳平、
ジャイアント馬場&元子夫妻
そして私(新間)を予定していた
そんな時、佐山がロスの結婚式に友人を連れて行こうとしているのを耳にした
私は当然怒った
呼びたくても呼べない方がたくさんいるのだ
今回は普通の挙式ではないのだ
それが何故わからぬかと
ところがタイガーはこれがおもしろくなかったらしい
私の秘書が巡業地の函館に電話を入れると
「だったら会社を辞めます」と言った
ちょうど藤波達から誘われていた7月22日のことだった
藤波、永源は新日プロの体質を非難して佐山に会社を辞めさせようとしていた
そのため佐山は自分の結婚式まで管理する会社、腐敗だらけの会社だと思っていた」
(新間)
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「新団体は猪木、新間、坂口を除く」
1983年7月29日、
富山で
クーデター派(大塚直樹、山本小鉄、藤波辰巳、永源遙)とタイガーマスクの会合が行われた
山本小鉄はこう言った
「新団体は猪木、新間、坂口を除く」
師弟の絆
これに対してタイガーマスク(佐山聡)は違和感を感じた
佐山聡にとってアントニオ猪木は師であり恩人であり神だった
アントニオ猪木なしなんて考えられなかったし
猪木を裏切るなんて耐えられないことだった
「新日を出るなら500万円払う」
大塚直樹はタイガーマスクに「新日を出るなら500万円払う」と言った
が、タイガーマスクはそれ以後、金の話はしないようにした
「もらったらまずい」と思ったのだ
「もう営業は全員やめるつもりなんですよ、ほら」
1983年8月、
タイガーマスクの保留態度に焦った第2グループは
彼に自分たちの辞表を見せた
「もう営業は全員やめるつもりなんですよ、ほら」
しかし辞表は全員ではなく4通しかなかった
タイガーマスク(佐山聡)はますます警戒心を高めた
突然、衝撃のプロレスラー引退
真夏の悪夢
1983年8月11日、
突如、タイガーマスク(佐山聡)は
新日本プロレスに内容証明書付きの契約解除通告書を送り
一方的に契約の解除を告げ引退宣言をした
この直後、「欽ちゃんのどこまでやるの!?」にゲスト出演し
自らあっさりとマスクを脱ぎテレビで素顔を公表した
「たとえ新日を辞めたとはいえ猪木に恩を仇で返すことはできない」
新日本プロレス退団後、
佐山は全日本プロレスからオファーを受けたが
「たとえ新日を辞めたとはいえ猪木に恩を仇で返すことはできない」
とオファーを断ったという
馬場(全日本プロレス)が提示した金額は1億とも2億とも言われている
タイガースキャンダル
何が起こったのか
クーデターの果て
猪木帰国
1983年8月20日、
海外にいた猪木が会社(新日本プロレス)の異変(クーデター)を知って帰国
猪木退任を迫られる
1983年8月21日、
猪木は新日本プロレス事務所に出向き
そこで望月和治常務取締役と山本小鉄取締役から退任を迫られる
「な、何で、社長・・・・・・」
1983年8月24日、
猪木と同じく日本を離れていた新間寿営業本部長が帰国
猪木と対面した
1983年8月25日、
東京の南青山の新日本プロレス事務所で緊急役員会が開かれた
結局、クーデター事件の責任をとる形で
猪木は代表取締役社長を解任
新間は専務取締役営業本部長を解任された
「忘れもしない1983年8月24日
まさに寝耳に水だった
今も耳にこびりつき夢にまで出てくるアントニオ猪木の声
「新間、もうダメだ
俺が両手をついて頼むから
新日本プロレスを辞めてくれ」
その瞬間、目の前が真っ暗になった
何とも弱々しい猪木の声
これが世界最強の男の吐く言葉か
「な、何で、社長・・・・・・」
すぐには信じられなかった
何が起こっているのかすらも理解できなかった
が、猪木の声を聞いてるうちにプロレスの情熱がスーッと抜けていった」
(新間)
(http://www43.tok2.com/home/shinma3jp/prows/prows001.html)
坂口征二、副社長退任
1983年8月26日、
坂口も副社長から退いた
Triumviratus
1983年8月29日、
新日本プロレスは
テレビ朝日からの出向役員:望月和治、大塚博美
新日本プロレスの鬼軍曹:山本小鉄
この3名による代表取締役体制を発足した
こうして新日本プロレスの内乱はクーデター側の勝利に終わったに見えた
「猪木が辞めたらうちは放送を打ち切るよ」
しかしテレビ朝日の重役の一言でクーデター派の新体制はたちまち力を失った
「猪木がいなくてもプロレスを続けられるのか?
猪木が新日プロを辞めたらうち(テレビ朝日)は放送を打ち切るよ」