70年代後半のジャズ期にあたるジョニ・ミッチェルをぜひ貴方に!

70年代後半のジャズ期にあたるジョニ・ミッチェルをぜひ貴方に!

天才の名をほしいままにしているジョニ・ミッチェル。にもかかわらず、なぜか日本においては余り聴かれていないように思います。食わず嫌いなそこの貴方に70年代後半の最も独創的な時期と言えるジョニ・ミッチェルをお勧めします。今聴くと、とてもオシャレ!にも感じるんですよ!


ラリー・カールトンやトム・スコットらジャズ・フュージョン系のミュージシャンが参加していますが、なんといってもジャコ・パストリアスの存在感が際立っているアルバム。ホント素晴らしいです!
シングルはポップなものが基本ですから、ジョニ・ミッチェルもご多分に漏れずシングルから入るととっつきやすいかもしれません。

ドンファンのじゃじゃ馬娘

1977年リリースの9番目のアルバムとなる「ドンファンのじゃじゃ馬娘」は、タイトルに相応しく、ポップでオシャレなアルバム・ジャケットに購買意欲が高まります。

が、購買意欲が高まるのはここまで。

このアルバム、ジョニ・ミッチェルが売れなくても構わないと考えて製作されたそうです。つまり好き勝手にやるってことですよ。こう聞くと、ちょっと尻込みしますよね。分かります。その内容が非常に実験的なスタイルと言われれば、引っ込めた尻が更に引っ込みますよね。更にはレコードでは2枚組という。こりゃとどめを刺されたも同然だ。

しかし、誤解のないように願いますが、このアルバムは傑作だ。聴く度に新しい発見のあるアルバムなんです。

Side 1
オーヴァーチュア~コットン・アヴェニュー
トーク・トゥ・ミー
ジェリコ

Side 2
パプリカ・プレインズ

Side 3
オーティスとマーリーナ
第十世界
夢の国

Side 4
ドンファンのじゃじゃ馬娘
オフ・ナイト・バックストリート
絹のヴェール

ドンファンのじゃじゃ馬娘

傑作とは言え、ジョニ・ミッチェル初心者がこのアルバムから入るのはツライと思います。前作のフュージョン・サウンドをさらに推し進めた作品といえると思いますが、初心者にはツライ。ジャコ・パストリアスとのコラボはこの作品でも最高なのですが、初心者にはやっぱりツライ。

何がそんなにツライのかと言えば、例えば同時に6台ものギターが演奏されている曲があるのですが、一部のギターはチューニングが異なっているんですね。不思議な余韻が残るのですが、ここを心地よいと感じるか、気持ち悪いと感じるかでツラさが大きく変わってきます。

また、インスト、またはそれに近い曲が入っています。ここを心地よいと感じるか、さっさと歌わんか!と感じるかでツラさはまた大きく変わってきます。

そしてピアノの即興演奏とフルオーケストラで編曲された4曲目は16分もあります。ここを心地よいと感じるか、退屈と感じるかでツラさが大きく変わってくることは、もう言うまでもありません。ジョニ・ミッチェル初心者の多くはこの問題をクリア出来ないものと思われます。

アルバムから聴きやすいということで1曲選ぶとすれば「オフ・ナイト・バックストリート」かもしれません。この曲でアルバムの雰囲気だけも伝わればいいなと思います。

先に、ジョニ・ミッチェルはシングルから入ると理解しやすいかもしれませんと書いたのですが、なんか自信が無くなってきました。「オフ・ナイト・バックストリート」はチャートインしませんでしたがシングルです。
しかし、しかしですよ、このアルバムは発売から3週間でゴールドディスクを獲得していますからね。アメリカのリスナーの感受性は凄いなぁと思います。

日本も負けてはおれません。とは言え、このアルバムはジョニ・ミッチェル初心者にお勧めするのは私も正直ツライ。
しかし、幸いにもアルバム・ジャケットはオシャレですから、ここはひとつジョニ・ミッチェル初心者の方はジャケ買いといきましょう。

何年か経ってジョニ・ミッチェルに慣れたころに聴き返すと、このアルバムの素晴らしさはきっと分かるはずですからね。

ミンガス

通算10枚目、70年代最後を飾るジョニ・ミッチェルのスタジオ・アルバム「ミンガス」。ジャズ期最後のアルバムです。ジャコ・パストリアスとの最後のコラボアルバムでもあり、これまで所属していたアサイラム・レコード最後のスタジオ・アルバムでもあります。最後、最後、最後です。けじめをつける!そんな意気込みを感じますね。

因みに「ミンガス」とはジャズ界の巨匠チャールズ・ミンガスのことです。ミンガスはベーシストなのですが、ジャコ・パストリアスもベーシスト。3年後に結婚するラリー・クラインもベーシスト。ベース、ベース、ベースです。ベース以外には興味なし!そんな強い思いを感じます。

1 ハッピー・バースデイ 1975
2 ゴッド・マスト・ビー・ア・ブーギ・マン
3 葬儀
4 ア・チェアー・イン・ザ・スカイ
5 ザ・ウルフ・ザット・リヴズ・イン・リンジー
6 アイズ・ア・マギン
7 スウィート・サッカー・ダンス
8 コイン・イン・ザ・ポケット
9 デ・モインのおしゃれ賭博師
10 ラッキー
11 グッドバイ・ポーク・パイ・ハット

ミンガス

「グッドバイ・ポーク・パイ・ハット」をはじめ、チャールズ・ミンガス作曲が4曲。そのミンガスも参加していますが、ジャコ・パストリアス、ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、ピーター・アースキン、ドン・アライアスなどジャズ・フュージョン界の豪華オールスター夢の競演って感じの演奏陣。完璧!
ジャズの要素がヒジョーに高いわけですが、聴きにくいかといえば不思議なことに、そんなことないです。シングルとなった「デ・モインのおしゃれ賭博師」を聴いてもらえると分かって頂けるのではないでしょうか?!

如何です?ジャズの要素があるからって、ジャコ・パストリアスが参加しているからって、身構える必要はありませんね。今聴くと、なんかオシャレって感じですよ。

ジョニ・ミッチェルは、この後ジャズ期を総括したライブアルバム「シャドウズ・アンド・ライト」をリリースしてジャコ・パストリアスと別れ、新たなステージへと向かいます。
80年代のジョニ・ミッチェルもまた独創的で素晴らしいのですが、それはまた次の機会に!

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