70年代後半のジャズ期にあたるジョニ・ミッチェルをぜひ貴方に!

70年代後半のジャズ期にあたるジョニ・ミッチェルをぜひ貴方に!

天才の名をほしいままにしているジョニ・ミッチェル。にもかかわらず、なぜか日本においては余り聴かれていないように思います。食わず嫌いなそこの貴方に70年代後半の最も独創的な時期と言えるジョニ・ミッチェルをお勧めします。今聴くと、とてもオシャレ!にも感じるんですよ!


ジョニ・ミッチェル

世界中から最も敬愛される偉大なる女性シンガー・ソングライターとの呼び声が高いジョニ・ミッチェル。なのですが、日本ではあまり知られていないというか、名前は聞いたことがあるが曲は知らんという人が多いように思います。そこんとこ、なんとなくボブ・ディランに似ている感じします。言うまでもなくディラン同様にジョニ・ミッチェルは素晴らしい。間違いなく天才。日本では過小評価されていますよねぇ。勿体ない話です。
と言うことで、一人でも多くの方にその魅力を知って頂こうと思い、ジョニ・ミッチェルを探ってみます。

デビューは1968年。初期の彼女は透明感のある繊細な歌声が遺憾なく発揮されたフォーク期といえます。フォークといっても南こうせつや山本コータローを想像されては困りますよ。
初期は映画「いちご白書」の主題歌として知られる「サークル・ゲーム」などが有名ですが、代表的なアルバムとなると1971年にリリースされた4枚目の「ブルー」でしょう。

Side 1
オール・アイ・ウォント
マイ・オールド・マン
リトル・グリーン
ケアリー
ブルー

Side 2
カリフォルニア 
ディス・フライト・トゥナイト
リヴァー
ア・ケイス・オブ・ユー
リチャードに最後に会った時

ブルー

このアルバムは2020年版の「ローリング・ストーン」誌が大規模なアンケートで選んだ「オールタイム・グレイテスト・アルバム500」において堂々の3位に輝いています。

間違いなく名盤。「ブルー」は、聴いて損なし、持ってて損なしのアルバムで、ここまでのキャリアでもジョニ・ミッチェルの素晴らしさは十分に知ることが出来ると思います。が、ジョニ・ミッチェルの音楽性は現在までに二転三転と劇的な変化を遂げながら孤高の存在となっていきます。

お勧めは第二期。第一期がフォーク期であるならば第二期はジャズ。アルバム「ブルー」の後5枚目のアルバム「バラにおくる」にジャズの影響を受けた曲が入っていますが、6枚目以降が第二期ですね。
これが素晴らしい。ここからを是非とも一人でも多くの方に聴いて頂きたいと思います。

コート・アンド・スパーク

1974年に発表した6枚目のアルバム「コート・アンド・スパーク」。欧米では非常に評価の高いアルバムです。内容的にはジャズの要素を取り入れたジョニ・ミッチェル独自のスタイルといったところでしょうか?
しかしなぁ、ジョニ・ミッチェルを多くの人に聴いてもらうにあたってジャズってところが難しいですよねぇ。敷居が高いというのか、とっつきにくいジャンルですもんねぇ。
「そうか、だから日本ではジョニ・ミッチェルはあまり聞かれていないんだ、分かる分かる」と思ったそこの貴方、それは違います。分かっていません。

ジャズと言ってもマイルス・デイビスとかジョン・コルトレーンとかを想像してもらっては困ります。素晴らしいとはいえ彼らは入りにくい。なにより尻込みする。場合によっては毛嫌いさえする。私もその口でした。
が、ジョニ・ミッチェルは違います。特にこのアルバムは違います。もっとも以前聴いた時には私も「聴きにくい」と感じたのは事実です。

しかし、しかしですよ、時は流れて今聴くと「聴きやすくなってるっ!」これです。時が私に味方しているのです。時代がジョニ・ミッチェルに追いついたとも言えるのかもしれません。なんともスッキリ馴染むんですよ。ていうか、ジャズどうこうというよりも、ヒジョーにポップです。

Side 1
コート・アンド・スパーク
ヘルプ・ミー 2
パリの自由人
人間模様
変わらぬ事情

Side 2
丘の上の車
あなたのもとへ
この汽車のように
陽気な泥棒
トラブル・チャイルド
トゥイステッド

コート・アンド・スパーク

トム・スコット、ラリー・カールトン、ウィルトン・フェルダー、ジョー・サンプルといったジャズミュージシャンがバックを固めた「コート・アンド・スパーク」は、1974年1月17日にリリースされると、全米アルバム・チャート4週連続で2位を記録するという大ヒットとなっています。

ジャズといっても参加ミュージシャンの顔ぶれからしてフュージョンってやつですよね。「フュージョンってのはあれだろ?薄まったジャズのこったろ?」とかって言う人がいますが、まぁ確かにジャズの軽いやつですね。もっとも、それが心地よいんですよ。
それにしてもフュージョンが一般的に人気が出てくるのは70年代の後半ですからジョニ・ミッチェルには先見性があるというか、早いですよねぇ。

先行シングルとして「陽気な泥棒」が1973年12月にリリースされています。

当時はジャズと聞いて尻込みしていたそこの貴方、私もですが、どうです?聴きやすいですよね?普通にロック、そしてポップですね。ジャズと言うよりも、ジャズ系のミュージシャンを起用した独自の音楽で良いと思います。このアルバムヒットするわけですよ。

「コート・アンド・スパーク」と同年に2枚組のライブアルバム「マイルズ・オブ・アイルズ」がリリースされていて、これまでのキャリアを総括する内容となっています。そして、これまた全米2位と言う大ヒットを記録して、ジョニ・ミッチェルは更なる高みへと駒を進めるのでした!

夏草の誘い

ジョニ・ミッチェルは聴きやすいのか?と言われると、ポップな部分はあるものの、なかなか手ごわい音楽ではあります。
例えば次の1975年にリリースされた7枚目のアルバムがの「夏草の誘い」。邦題は爽やかですが、原題は「The Hissing of Summer Lawns」。翻訳すると「夏の芝生のシューという音」となります。なんだ!それは?ですよね?Hissとはシッとかシューと言う意味で、不満・非難・制止・軽蔑・怒りなどを表すのに使う言葉だそうです。邦題からして「誘い」かと思ったよって人、多いんじゃないですかね?

で、「夏の芝生のシューという音」という訳の分からんタイトルが示すとおりに、このアルバム、なかなか訳が分からんのですよね。
もっとも訳が分からん事も含めてジョニ・ミッチェルの魅力と思って頂けると、より楽しめるかと思います。

Side 1
フランスの恋人たち
ジャングル・ライン
イーディスと親玉
悲しみはともだち
美しい誘惑者

Side 2
夏草の誘い 
ボーホー・ダンス
メドレー ハリーの家/センターピース
スウィート・バード
シャドウズ・アンド・ライト

夏草の誘い

参加ミュージシャンは、ヴィクター・フェルドマン 、ジョー・サンプル、ラリー・カールトン、ロベン・フォードにジェフ・バクスターなどなどジャズ系のミュージシャンに、ジェームス・テイラー、デヴィッド・クロスビー、グラハム・ナッシュといった昔ながらのフォークな方々も参加しています。

シングルとなったのは1曲目の「フランスの恋人たち」。原題は「in France They Kiss on Main Street」。曲調だけでいうと、フランスじゃ表通りでキスをするってことで、まぁ、ポップです。

問題は2曲目の「ジャングル・ライン」ですね。なんでもアフリカのミュージシャンのアフリカン・ドラムをループ録音して、ギター、モーグ、ボーカル・ラインに重ね合わされているということなんですが、おそらく日本人には祭囃子の笛と太鼓に聞こえると思います。
サンプリング音源がポップミュージックの世界で一般的になるのは80年代に入ってのことですから、やっぱりジョニ・ミッチェル早いです。

問題は音楽的な革新性がどうというよりも、収録曲のほとんどがサビがあるのかないのさえ分からないメリハリのない楽曲で占められていることです。一言で地味。
ただ、プリンスがジョニ・ミッチェルの最高傑作と絶賛するアルバムであり、ラストにはやりすぎってくらいシンセを導入した「シャドウズ・アンド・ライト」が入ってることを考えると地味の一言では済ませられない完成度のあるアルバムであることは事実でしょう。

逃避行

1976年にリリースされた8枚目のスタジオ・アルバム「逃避行」。
さて、ここからジャコ・パストリアスが登場します。ジャコ・パストリアスは、ソロ以外にもウェザー・リポートのベーシストとして知られており、ジャズ界に留まらずエレクトリック・ベースの奏法に革命をもたらしたとして、その名を歴史に残しています。ファンにとってはたまらんとこです。

70年代後半、ジョニ・ミッチェルとジャコ・パストリアスのコラボは双方にとって非常に充実したものになっています。

Side 1
コヨーテ
アメリア
ファリー・シングス・ザ・ブルース
ストレンジ・ボーイ
逃避行

Side 2
シャロンへの歌
黒いカラス
ブルー・モーテル・ルーム
旅はなぐさめ

逃避行

ジャコ・パストリアスが参加しているからといって万人受けするかと言えば、正直難しいなと思います。ただし、1曲目の「コヨーテ」なんかはシングルカットされただけに聴きやすく、ジャコ・パストリアスのベースは、これでもかってぐらい目立っててカッコいいです。ロック好きを自称されている方であれば問題なくイケると思いますよ。

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