1995年 黒服現象からの脱却!フェミニンな美少年路線”ソフトヴィジュアル系”の誕生!!
heathが「heath」でソロデビューし、JUSTY-NASTYが解散。
GLAYがアルバム「SPEED POP」をリリースし、SOPHIAが「SOPHIA」でインディーズデビューを果たしました。
更に、media youthがシングル「Missing」でメジャーデビュー。
黒夢がアルバム「feminism」をリリースし、BUCK-TICKがアルバム「Six/Nine」をリリースしました。
また、Gilles de RaisとDIE IN CRIESが解散。
Eins:Vierがシングル「Dear Song」で、Sleep My Dearがシングル「Ask for Eyes」で、それぞれメジャーデビューを果たしました。
L'Arc-en-Cielがアルバム「heavenly」をリリース。
CRAZEがシングル「NAKED BLUE」で、nuvɔ:gu(vogue)がシングル「SENSUAL WORLD」で、SOPHIAがアルバム「BOYS」をリリースし、それぞれメジャーデビュー。
MALICE MIZERにGackt加入し、SIAM SHADEがシングル「RAIN」でメジャーデビュー。
CASCADEがメジャーデビューアルバム「VIVA!」をリリースし、Plastic Treeがアルバム「Strange fruits-奇妙な果実-」でインディーズデビューしました。
黒夢が初の日本武道館公演を2DAYSにて開催し、LUNA SEAが初の東京ドーム公演「LUNATIC TOKYO」を開催、L'Arc-en-Cielが初の日本武道館公演を開催し、それぞれ成功をおさめました。
また、MUSIC STATION Special SUPER LIVE 95にX JAPAN、LUNA SEAが出演。
そして、X JAPANが「DAHLIA TOUR 1995-1996」東京ドーム2DAYS公演を開催し、成功をおさめています。
黒服現象からの脱却とは?
これまでは、染髪・長髪・立髪・妖艶なメイクに黒服がヴィジュアル系の定石とされていました
しかし、黒夢やREDIEAN;MODEを筆頭にヴィジュアル系バンドが1994年ごろから原宿系ファッションを取り入れたことで"脱・黒服/フェミニンな美少年化"していきました。
これにより、ソフトヴィジュアル系やゼロ年代オサレ系(お洒落系)に繋がっていきました。
ソフトヴィジュアル系とは?
従来のヴィジュアル系(染髪・長髪・立髪・妖艶なメイクに黒服)よりソフトなメイク。
また、黒を基調としないカジュアルな衣装。
それに加え、メロディアスな歌モノのロックを主とするバンドの事を言います。
1996年 黒夢・GLAY・L'Arc-en-Cielのブレイク!ソフトヴィジュアル系バンドの商業的成功!
GLAYがアルバム「BEAT out!」をリリースし、ヴィジュアル系シーンとも関わりが深いGUNIW TOOLSが映像作品「1992-1994」でメジャーデビュー。
LADIES ROOMが解散し、PENICILLINがシングル「Blue Moon / 天使よ目覚めて」でメジャーデビューしました。
そしてLUNA SEAがアルバム「STYLE」をリリースし、ROUAGEがシングル「Queen」でメジャーデビューを果たしました。
またex.Luis-Maryの西川貴教がT.M.Revolutionとしてデビュー、翌年大ブレイクを果たします。
黒夢がアルバム「FAKE STAR〜I'M JUST A JAPANESE FAKE ROCKER〜」をリリースし、MALICE MIZERがアルバム「Voyage Sans retour」をリリース。
またBUCK-TICKがアルバム「COSMOS」をリリースし、PIERROTがアルバム「パンドラの匣」をリリース(キリトがボーカル転向後の1stアルバム)。
PENICILLINが初の日本武道館公演を2DAYSにて開催。
そして、hideがアルバム「PSYENCE」をリリースし、"フェス"の先駆けとなる野外ロックフェスティバル「hide Indian Summer Special」を千葉マリンスタジアムにて開催しました。
またGLAYが初の日本武道館公演を開催。
PENICILLINのHAKUEIと千聖がソロデビュー、Laputaがシングル「硝子の肖像」でメジャーデビューしました。
そんな中、ヴィジュアル系バンドを中心とした音楽番組「Break Out」放送開始。
X JAPANがアルバム「DAHLIA」を、GLAYがアルバム「BELOVED」を、L'Arc-en-Cielがアルバム「TRUE」をそれぞれリリースしました。
そしてLUNA SEAが「真冬の野外 」を横浜スタジアムにて開催。
LAREINEがアルバム「BLUE ROMANCE」でインディーズデビューしました。
また、MUSIC STATION Special SUPER LIVE 96にX JAPAN、LUNA SEA、GLAYが出演。
X JAPANが東京ドーム2DAYS公演「復活の夜」「無謀な夜」を開催し、大成功をおさめました。
ソフトヴィジュアル系バンドの商業的成功って?
LUNA SEAに続いて、華の94年組が次々とブレイクを果たしていきました。
GLAYのシングル「BELOVED」が80万枚を超える大ヒットをし、同タイトルのアルバムは150万枚を超えミリオンセラーを達成しました。
そしてL'Arc-en-Cielも、シングルを立て続けにヒットさせ、アルバム「True」がミリオンセラーを記録。
両者はヴィジュアル系シーン出身のバンドという枠を超えて一般層からの支持を獲得。
そして、国民的ポップスターとしての地位を築いていきました。
ソフトヴィジュアル系としての先陣を切った黒夢は、反旗をひるがえすようにパンクモードへ移行。
これによりコアな男性ファンを獲得していくと同時に、Voの清春はファッションリーダーとしても支持されていきました。
こうした商業的成功がヴィジュアル系バンドのバブル状況を生み出していきました。
1997年 ヴィジュアル系四天王の誕生とX JAPAN 衝撃の解散!!
河村隆一がシングル「I love you」でソロデビューし、ソロアーティストとして大ブレイクを果たしました。
REDIEAN;MODEが解散し、La'cryma Christiがシングル「Ivory trees」でメジャーデビュー。
THE DEAD POP STARSがメジャーデビューアルバム「D・P・S」をリリースし、Jがシングル「BURN OUT」でソロデビューしました。
Plastic Treeがシングル「割れた窓」でメジャーデビューし、黒夢がアルバム「Drug TReatment」をリリース。
SUGIZOがシングル「LUCIFER」でソロデビューし、MALICE MIZERがシングル「ヴェル・エール~空白の瞬間の中で~」でメジャーデビュー。
Dir en greyがミニアルバム「MISSA」でインディーズデビュー。
SUGIZOがフジロックフェスティバル 1997のメインステージに出演予定でしたが、台風の直撃を受け開催中止。
SIAM SHADEのシングル「1/3の純情な感情」が70万枚に迫る大ヒットし、FANATIC◇CRISISがシングル「SUPER SOUL」でメジャーデビュー。
SHAZNAがシングル「Melty Love」でメジャーデビューをし、90万枚に迫る大ヒットとなりました。
SOPHIAが初の日本武道館公演を開催し、X JAPANが解散を発表。
INORANがシングル「想」でソロデビューし、真矢がシングル「落下する太陽」でソロデビュー。
GLAYがベストアルバム「REVIEW~BEST OF GLAY」をリリース、発売1週間で300万枚を突破する歴史的大ヒットを記録しました。
L'Arc-en-CielからSakuraが脱退し、BUCK-TICKがアルバム「SEXY STREAM LINER」をリリース。
L'Arc-en-Cielが初の東京ドーム公演「1997 REINCARNATION」を開催。
MUSIC STATION Special SUPER LIVE 97にX JAPAN、河村隆一、GLAY、L'Arc-en-Ciel、SHAZNAが出演しました。
GLAYが「BELOVED」にて第39回日本レコード大賞 アルバム大賞を受賞し、「HOWEVER」にて第39回日本レコード大賞 優秀作品賞を受賞しています。
第48回NHK紅白歌合戦にX JAPAN、河村隆一、GLAYが出場し、X JAPANが解散ライブ「THE LAST LIVE〜最後の夜〜」を東京ドームにて開催しました。
ヴィジュアル系四天王とは?
ヴィジュアル系バブルと呼ばれたこの年。
メジャーデビューを果たしたSHAZNA・La'cryma Christi・MALICE MIZER・FANATIC◇CRISISの四組のことを指します。
これはヴィジュアル系バンドを中心とした音楽番組「Break Out」がバンドを売り出す為に作ったもの。
なので、ファンコミュニティーから生まれた呼称ではありません。
1998年 予想だにしなかったhide逝去!!
L'Arc-en-Cielにyukihiroが正式メンバーとして加入し、CASCADEが初の日本武道館公演を開催。
PENICILLINのシングル「ロマンス」が90万枚に迫る大ヒットし、hideがhide with Spread Beaver名義でシングル「ROCKET DIVE」をリリースしました。
また、L'Arc-en-Cielがアルバム「HEART」を、MALICE MIZERがアルバム「merveilles」をリリース。
その後、MALICE MIZERが初の日本武道館公演を開催。
Raphaelがミニアルバム「LILAC」で、Janne Da Arc がアルバム「Dearly」でそれぞれインディーズデビュー。
SEX MACHINEGUNSがシングル「HANABI-la大回転」でメジャーデビューし、hideが逝去。
黒夢がアルバム「CORKSCREW」をリリース、cali≠gariがミニアルバム「第3実験室」でインディーズデビューしました。
L'Arc-en-Cielがシングル「HONEY」「花葬」「浸食 〜lose control〜」3枚同時リリース。
MALICE MIZERが横浜アリーナ公演を開催、その後Gacktが失踪し事実上脱退となりました。
LUNA SEAがアルバム「SHINE」をリリースし、hideが生前温めていたニューバンドzilchのアルバム「3・2・1」がリリース。
GLAYがアルバム「pure soul」をリリースし、LUNA SEAが横浜スタジアム2DAYS公演「1998 REVIVE 真夏の野外」を開催。
SHAZNAが初の日本武道館公演を2DAYSにて開催し、PIERROTがシングル「クリア・スカイ」でメジャーデビュー。
Dir en greyがメジャー進出前に初の日本武道館公演を開催し、hideのアルバム「Ja,Zoo」がリリースしました。
また、La'cryma Christiが初の日本武道館公演を開催し、LUNA SEAが東京ドーム2DAYS公演「END OF PERIOD」を開催。
MUSIC STATION Special SUPER LIVE 98にLUNA SEA、GLAY、L'Arc-en-Cielが出演し、GLAYが「pure soul」にて第40回日本レコード大賞 ベストアルバム賞を、また「SOUL LOVE」にて第40回日本レコード大賞 優秀作品賞を受賞。
L'Arc-en-Cielが「HONEY」にて第40回日本レコード大賞 優秀作品賞を受賞。
そして、第49回NHK紅白歌合戦にLUNA SEA・GLAY・L'Arc-en-Cielが出場しました。
バブル景気に沸き立つメジャーシーンとインディーズシーン
CDの売上げがピークを迎えた1998年は、ヴィジュアル系シーンもバブル景気に沸いていました。
メジャーシーンではポストGLAY、ポストL'Arc-en-Cielを狙いソフトヴィジュアル系バンドが続々とデビュー。
また、インディーズシーンではヴィジュアル系によるインディーズレーベルの設立が相次いでいきました。
これらのレーベルからコテ系と呼ばれるバンドをメインにヴィジュアル系バンドのインディーズ作品が大量にリリースされていくことになりました。
ヴィジュアル系の新勢力!
この年に初のCD作品をリリースしたcali≠gariの台頭は、特筆すべきエポックメイキングな出来事だったと言えます。
彼らをきっかけとし、サブカル/アングラテイストを持ったバンドがシーンに増殖し始めました。
この流れは00年代に密室系、オサレ系(お洒落系)などと呼ばれたムーブメントを生み出す大きな引き金となったんです!
1999年次世代を担うバンドが続々とメジャーデビュー!!
Dir en greyが、シングル「アクロの丘」「残-ZAN-」「ゆらめき」3枚同時リリースでメジャーデビュー。
黒夢が100会場全112公演に及ぶ「TOUR Many SEX Years vol.5 CORKSCREW A GO GO!」のツアーファイナル公演において、無期限活動停止を発表。
GLAYが「GLAY DOME TOUR “pure soul” 1999」を開催し、全国4ケ所15公演で75万人を動員しました。
また、PIERROTが初の日本武道館公演を開催、次いでROUAGEも初の日本武道館公演を開催。
Gacktがミニアルバム「Mizerable」でソロデビューし、Janne Da Arc がシングル「RED ZONE」で、LAREINEがシングル「fiançailles 〜フィアンサーユ〜」でそれぞれメジャーデビュー。
LUNA SEAが東京ビッグサイトスペシャルオープンステージにて「 [NEVER SOLD OUT] CAPACITY ∞」を開催、10万人を動員しました。
MALICE MIZERのKamiが逝去。
L'Arc-en-Cielがアルバム「ark」「ray」を同時リリースし、元MALICE MIZER、BY-SEXUAL、L'Arc-en-Cielのメンバーで結成されたバンドZIGZOがシングル「血と汗と涙の裏側のハッピー」でメジャーデビュー。
PIERROTがアルバム「FINALE」をリリース。
清春のニューバンドSADSがシングル「TOKYO」でメジャーデビュー。
L'Arc-en-Cielが野外ライブツアー「1999 GRAND CROSS TOUR」を開催、全国6ケ所12公演で65万人を動員。
Raphaelがシングル「花咲く命ある限り」でメジャーデビューし、Dir en greyがアルバム「GAUZE」をリリース。
GLAYが幕張メッセ駐車場特設ステージにて「GLAY EXPO '99 SURVIVAL」を開催、日本音楽史上に残る20万人を動員。
富士急ハイランド・コニファーフォレストにて開催されたマリリン・マンソン主催のロックフェスティバル「BEAUTIFUL MONSTERS TOUR 1999」にBUCK-TICKとPIERROTが出演しました。
SADSがアルバム「SAD BLOOD ROCK'N'ROLL」を、GLAYがアルバム「HEAVY GAUGE」をそれぞれリリース。
Eins:VierとValentine D.C.が解散発表。
天皇陛下御即位十年をお祝いする国民祭典にYOSHIKIとGLAYが出席し、LUNA SEAとGLAYによる東京ドーム公演「The Millennium Eve」が開催。
MUSIC STATION Special SUPER LIVE 99にGLAY、L'Arc-en-Ciel、SIAM SHADEが出演。
GLAYが「Winter,again」にて第41回日本レコード大賞を受賞し、L'Arc-en-Cielが「ark」「ray」にて第41回日本レコード大賞 ベストアルバム賞を受賞。
第50回NHK紅白歌合戦にGLAY、L'Arc-en-Cielが出場しました。
ヴィジュアル系ムーブメントが沈静化!
Dir en greyなどの次世代を担うバンドが、続々とメジャーデビューを飾ったこの年。
約10年にも渡り隆盛を極めたヴィジュアル系ムーブメントは、90年代の終わりと共にその勢いを失っていきました。
ムーブメントが沈静化に至った原因としては、X JAPANやhideというリーダー的存在を失ってしまった事。
2000年のLUNA SEA終幕や、バブル景気に便乗したヴィジュアル系バンドの青田刈り。
新たなユースカルチャーの台頭など様々な要因があったと考えられます。