1985年
1985年。昭和でいうと60年。日本においてどのような出来事があったかと言えば、この年、日本で初めてエイズ患者が認定され、いちご大福やのど飴が発売されています。
しかし、もっとも大きな出来事といえば、9月13日に任天堂より発売されたファミコン用ソフト「スーパーマリオブラザーズ」でしょうね。

スーパーマリオブラザーズ
「スーパーマリオブラザーズ」は社会現象を巻き起こすほど空前の大ヒットとなりました。いやぁ、凄かったです。大事件と言ってもいいんじゃないでしょうかね。
さて、「イッキ!イッキ!」の掛け声が流行語大賞を受賞したこの年、日本ではどのような曲が流行っていたのでしょうか?1985年版、売上枚数でみる「年間ベスト10」、いってみましょう!
10位 天使のウィンク
現在でもライブでは外せないキラーチューン「天使のウィンク」。この年、41.4万枚を売り上げて第10位に入りました。松田聖子の代表曲のひとつですね。楽曲を提供した尾崎亜美の仕事っぷりが実に素晴らしい!

天使のウィンク
楽曲は文句なしですが、多少残念に思うのはジャケットです。聖子の表情がコワイ。もっと曲に合わせてポップに出来んかったもんかいな?!と、思わないではありませんが、ヒットしたわけですから結果オーライだ。
この曲はダイハツ「新シャレード」のイメージソングとしても使われています。
9位 悲しみにさよなら
前年「ワインレッドの心」が年間売上第2位となりブレイクを果たした安全地帯。1985年は「悲しみにさよなら」で堂々の第9位にランクインしました。この曲は彼らにとって9枚目のシングルですね。

悲しみにさよなら
因みに「悲しみにさよなら」を収録したアルバム「安全地帯Ⅳ」は翌年の年間アルバムチャートで第1位を記録しています。玉置浩二の才能が開花した時期だったといっていいでしょう。いい曲ですもんね。
曲はいいし、歌も演奏も上手い!今、改めて見ると衣装があまりにも80’sってところが、気になるっちゃ気になりますが、80年代というのはこれですよ。これでなくてはいけません。
8位 俺たちのロカビリーナイト
前年から旋風を巻き起こしているチェッカーズ。結果を言えば、この年も彼らの勢いは留まることをしりません。第8位となった「俺たちのロカビリーナイト」も年間44.7万枚を売り上げています。

俺たちのロカビリーナイト
実はこの曲、メンバーから「覚えてない」という発言が出るほどに印象の薄い曲だったようです。が、ファンにとってはそうではない!何と言っても年間の第8位ですからね。本人たちが覚えていない曲でも年間8位。当時の勢いを感じます。メンバーの顔つきが大人びた感じがすることも含めて過渡期だったのでしょう。
7位 SAND BEIGE
この年もチェッカーズの人気は凄かった。しかし、凄かったのはチェッカーズだけではありません。この年の6月に松田聖子は結婚したのですが、後は任せとけ!とばかりに絶好調だったのが中森明菜ですよ。
第7位は「SAND BEIGE」です。

SAND BEIGE
「SAND BEIGE」は、大ヒットし明菜の代表曲となったラテン歌謡とも言うべき「ミ・アモーレ」の流れをくむ中近東歌謡(?)ですね。ワールド・ミュージックと言うべきですかね。
こうした傾向の曲は世界的に流行りました。日本でも庄野真代の「翔んでイスタンブール」や久保田早紀の「異邦人」なんかが大ヒットしています。
「SAND BEIGE」は決して悪い曲ではありませんが、歌手に勢いがある時には、曲の良し悪しなどは二の次ですな。今となってはメイクが濃いなとも思いますが、それも関係ないっス。
6位 飾りじゃないのよ涙は
曲は覚えている。今でも歌える。だが、「あれ?こんなジャケットだったっけ?」と思わず二度見してしまうのが第6位となった中森明菜の「飾りじゃないのよ涙は」です。

飾りじゃないのよ涙は
明菜だよな?この写真。椎名林檎じゃないよな?まさかゲゲゲの鬼太郎?と思わず3度も4度も見直してしまう魅惑のジャケットですね。
近年、明菜の表立った活動が少なくなったこともあり、この曲は作者である井上陽水の持ち歌としての印象が強くなってしまいました。
陽水が歌う「飾りじゃないのよ涙は」は確かに素晴らしい。しかし、この曲は明菜の声で聴きたいですよねぇ。
5位 あの娘とスキャンダル
明菜が2曲続けてベスト10に叩き込めば、チェッカーズも負けじと2曲目のランクイン。待ってました「あの娘とスキャンダル」です。これはいい曲ですよねぇ。素晴らしいです!歌謡POPの金字塔と断言します。
ジャケットがまたアイドルらしくて、女の子じゃなくても好感がもてます。

あの娘とスキャンダル
まぁ、そんな人は少ないと思いますが、チェッカーズをアイドルだからって軽く見てはいけませんよ。後に自作曲が中心となっていく彼らですが、やはり売野雅勇、芹澤廣明コンビの楽曲は捨てがたい。何と言っても彼らが手掛けた曲は楽しいですからね。
しかし、なんですね、先の明菜の衣装もそうでしたが、チェッカーズのこの衣装もダボダボですね。流行ってたんですかねぇ?流行ってたんでしょうね。記憶にありませんが。。。
4位 Romanticが止まらない
髪の色が派手だなぁという第一印象が強かったC-C-B。派手なメガネだなぁというのは第二印象です。そのC-C-B最大のヒット曲、TBSの連続テレビドラマ「毎度おさわがせします」の主題歌だった「Romanticが止まらない」が第4位です。

Romanticが止まらない
この曲は彼らにとって「Candy」「瞳少女」に続く3枚目のシングルです。「Candy」「瞳少女」は共にCMに使われていましたから、プロダクションやレコード会社がC-C-Bにかなり力を入れていたことが伺えます。勝負の3曲目でしたが、実を結んだですねぇ。
実はバンド名をC-C-Bと変更したのはこの年なんですね。それまではCoconut Boysだったんです。Coconut Boys、略してC-C-B。ん?略ですかね?略だったらC-B。若しくはC-N-Bの方が良いような。。。実際C-N-Bという案もあったそうですが、ゴロが悪いと言った理由で却下。かと言ってC-Bもヘンですもんね。C-C-B、確かにおさまりが良い。結果からしても正解でしたね。
3位 恋におちて
何と言ってもタイトルが良い!大人のラブソングという感じがタイトルから既に分かる。そうなんですよ、恋はするものではなくって落ちるものなんですよね。大人だなぁ。ということで、小林明子の「恋におちて」が第3位です。

恋におちて
そう、この曲は不倫をテーマにして一大ブームを巻き起こしたテレビドラマ「金曜日の妻たちへIII 恋におちて」の主題歌でしたね。大人な感じがするわけです。当時はこの曲を聴くと不倫がしたくなる、浮気してもいいんだ!と思うお父さん、お母さんが多数いたのだとかいなかったのだとか。
小林明子、声が良いですよね。キレイです。この曲からは想像できませんが、学生時代はハードロックバンドに参加していたというほど実はロック好きな彼女。
それもあってでしょう。1992年イギリスに拠点を移し、元ジャパンのメンバー、スティーヴ・ジャンセン、リチャード・バルビエリ、ミック・カーンらとholiという名前で「Under the Monkey Puzzle Tree」というアルバムを制作しています。
2位 ミ・アモーレ
さぁ、またまた中森明菜の登場ですよ。3曲目です。作曲・編曲をジャズ・ピアニストの松岡直也が担当した「ミ・アモーレ」。松岡直也はラテンフュージョンミュージシャンとしても知られていますので、この曲は彼の能力を遺憾なく発揮した作品といえますね。

ミ・アモーレ
「ミ・アモーレ」とはポルトガル語で「私の恋人」、「私の愛」といった意味だそうです。作詞は「北ウイング」などで明菜と組んでいる康珍化。さすがツボを押さえたといいますか、いいとこつきますね。
胸騒ぎの腰つきとは、まさにこのことか!と思わず声に出してしまいそうな動画ですねぇ。誰が考えたのか知りませんが、素晴らしい振り付けですよ、これは。
1位 ジュリアに傷心
そして1985年 売上枚数「年間ベスト10」の第1位は、チェッカーズの「ジュリアに傷心」。ベスト10内に中森明菜が3曲なら、俺たちも3曲!と言わんばかりの快挙です。

ジュリアに傷心
桃井かおり や細川たかしなど意外な人がカバーしたことでも知られる「ジュリアに傷心」。それだけ素晴らしい曲ということですが、実は、この曲がチェッカーズ最大のヒット曲なんです。意外な感じがしないではありませんが、彼らの代表曲には違いありません。
チェッカーズといえば、このジャケットもそうですが、初期は特に衣装はチェックでした。が、このライブ映像は衣装が白。しかもチェッカーズだけではなく、よく見るとお客さんも白。勢い以外の何物でもありませんね。
チェッカーズと中森明菜の圧勝に終わった1985年。その一方で演歌勢は沈黙。ロックとかニューミュージックとかはどこへ行ってしまったのか?このままって訳にはいかんでしょう。巻き返しを図るでしょう。期待高まる1986年。が、それはまた次の機会に!