岡崎友紀
日本での話ですが、アイドルが近寄りがたい存在から「身近で可愛い」という概念に変わったのは、1970年から人気が出てきた岡崎友紀(と吉沢京子)からとされています。
岡崎友紀は当時の人気のバロメーターであったマルベル堂発表のブロマイドの売り上げが、46ヶ月連続首位という記録を作った程です。

岡崎友紀
岡崎友紀の人気を決定づけたのは、大映テレビが制作した岡崎友紀主演のライトコメディシリーズです。
それにしても、当時の写真を見ると、確かにカワイイ。「身近で可愛い」女の子と言われても、身近にこんなカワイイ女の子はそうザラに居るものではありません。身長157cmだそうですから、そこらへんが身近ちゃ身近ですかね。
それでは、そんな岡崎友紀の大映テレビ制作のライトコメディシリーズをご紹介します。
おくさまは18才
岡崎友紀のデビューは早く、1961年には子役としてミュージカルに出演しています。テレビドラマは1966年の「太陽の丘」が初出演で、ブレイクするのは1970年に放送された大映テレビ制作のライトコメディシリーズの1作目「おくさまは18才」です。

おくさまは18才
岡崎友紀も若いですが、隣に並んでいる石立鉄男が若い!いや、若すぎる。と、まぁ、それはともかく、最高視聴率33.1%を記録するほど大ヒットした「おくさまは18才」には原作があります。

おくさまは18歳
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ドラマでは設定が高校になり、リンダが岡崎友紀、リッキー先生が石立鉄男と完全日本仕様です。結婚を隠している先生と生徒に次々と襲いかかる難題。学園ラブ・コメディの典型といえますが、当時はこれがグッと来た!
今ではアイドルと言えば歌手の印象が強いですが、岡崎友紀にしても吉沢京子にしても女優ですからね。女優の方が注目度が高かったのでしょうか?それとも、歌手にカワイイ女の子がいなかったからでしょうか?もっとも、岡崎友紀も歌ってもいます。
デビュー曲は1970年3月5日 発売の「しあわせの涙」です。

しあわせの涙
こ、こ、これは、ジャケットが美しい!もう、ファンでなくともジャケ買い確定でしょう。因みにこの「しあわせの涙」は「おくさまは18歳」でブレイクする前に出ています。
なんたって18歳!
「しあわせの涙」のジャケットからも分かるように、岡崎友紀はスタイルがイイ。そして美人だ。お色気路線でも十分いけたと思うのですが、「おくさまは18歳」の大ヒットによってコメディー路線を継続することになるんです。…残念ながら。で、続いて主演したのが、いかにも二番煎じな感じが拭えない「なんたって18歳!」です。

なんたって18歳!
まぁ、似ているのはタイトルとコメディの質だけで、「おくさまは18歳」とはストーリーや設定は全く異なります。これがまたまた大ヒットしるんですねぇ。
「なんたって18歳」も漫画があるのですが、「おくさまは18歳」とは違い原作ではありません。ドラマに合わせて漫画化されたんです。それほどまでにヒットしたドラマだったというわけです。

なんたって18歳
それにしても牧野和子、絵が下手い。とても6年後に「ハイティーン・ブギ」を描いた人と同一人物とは信じがたいです。急激に成長したんですねぇ。「ハイティーン・ブギ」最高ですもんねぇ。
ママはライバル
岡崎友紀主演のライトコメディシリーズ第3弾は「ママはライバル」で、佐々木守・作、忠津陽子・画で週刊マーガレットに連載されていたものが原作となっています。

ママはライバル
内容的にもタイトル的にも前作、前々作と大きく変わってます。ラブコメではありませんね。対象がパパですもんね。ただライバルのママを演じるのが純アリスです。美人。
同級生がママになるという、「おくさまは18才」とはまた違ったコメディです。
「ママはライバル」は純アリスのデビュー作なんですよね。それなのにソフト化されていないようですし、観ることが出来ないのは残念でなりません。原作の漫画も入手困難ですしね。なんとかならんもんですかね。
ラブラブライバル
第4弾「ラブラブライバル」。なんか呪文のようなタイトルに見えますが、「ラブ・ラブ」です。それに「ライバル」です。となると、3作目の「ママはライバル」とタイトルが似てくるわけですが、まぁ、問題ありません。
原作は岡崎友紀が20歳になった記念に出版した「明日のスケッチ」なのですが、自分の原作を自らが演じるというのは、なかなか珍しいですね。

ラブラブライバル
岡崎友紀が手掛けているのは原作だけではありません。このシリーズの主題歌は岡崎友紀が歌っており「ラブラブライバル」の主題歌「風に乗って」もそうなのですが、作詞を担当している高木飛鳥、実はこれ岡崎友紀のペンネームなんです。高木飛鳥というのは、「おくさまは18歳」で岡崎友紀が演じたヒロインの名前ですね。
ニセモノご両親
第5弾にして最終作「ニセモノご両親」。タイトルからして新機軸って感じしますね。というか、このシリーズ、実は内容的にはバラエティにとんでるんですよね。それはそれとして、「ニセモノご両親」で驚かされるのは岡崎友紀が大人になっているということです。ヘアスタイルがボブということもあるのでしょうが、いやぁ、岡崎友紀が大人になっています。
牧伸二が最高ですね。冨士眞奈美と共にしっかり脇を固めています。
ライトコメディシリーズはこれで最後です。この後、岡崎友紀は主役を演じることはなくなります。美人だし、スタイルも良いわけですから、ここから大人の女優に羽ばたいていってほしかった。出来ることならセクシー系の女優となってほしかった。返す返すも残念です。
しかし、しかしですよ。70年代の前半は、間違いなく岡崎友紀のものだった。そう、それは間違いありません。