本作は全米で1300万枚、全世界で1500万枚を売り上げ、第27回グラミー賞の最優秀映画・TV作曲賞を受賞しています。また、本作がプリンス主演の映画「プリンス/パープル・レイン」のサウンドトラックでもあったことで、第57回アカデミー賞の歌曲・編曲賞も受賞しているんですよ。
Around the World in a Day
「1999」、「パープル・レイン」と連続で大ヒットさせ、評論家からも高い評価を得たにも関わらず、1985年の7枚目となるアルバム「アラウンド・ザ・ワールド・イン・ア・デイ」では新機軸を打ち出します。
アラウンド・ザ・ワールド・イン・ア・デイ
このアルバムがまた全米1位となるわけですが、しかし、まぁ、ロックやファンクはもとより、様々な音楽要素を取り入れた楽曲をバンバン送り出してくるプリンスの驚くべき才能には目がくらみそうです。
アルバムからは全米2位となった「ラズベリー・ベレー」をはじめ、「ペイズリー・パーク 」、「ポップ・ライフ」、「アメリカ」がシングルカットされました。
尚、このアルバムは、プリンスが立ち上げたレーベル「ペイズリー・パーク・レコード」からの最初の作品となっています。
Parade
1986年の「パレード」ですね。「パープル・レイン」同様、プリンスが主演した映画(監督も勤めた)「アンダー・ザ・チェリー・ムーン」のサウンドトラックでもあります。残念ながら映画の方が「パープル・レイン」のように上手くはいかず、興行成績は勿論のこと、第7回ラジー賞で、主要となる最低作品賞・最低男優賞・最低助演男優賞・最低監督賞・最低主題歌賞をほぼ独占受賞。おまけに最低助演女優賞・最低脚本賞にもノミネートされるという最低最悪の結果となってしまいました。しかし、しかしですよ、アルバムの方はかなり素晴らしい出来栄えなのです。
パレード
アルバムは全米3位、シングルカットされた「KISS 」は全米1位となっています。「KISS」の他に「マウンテンズ 」、「アナザー・ラヴァー」、「ガールズ&ボーイズ 」もシングルとなっています。
やはり映画の失敗がこたえたのでしょうか?本作で3枚目となったプリンス&ザ・レヴォリューション名義はこれで最後となってしまいました。良いバンドだったんですけどね。
Sign "☮︎" The Times
1987年、プリンスは大作を発表します。「1999」は、レコードでは2枚組だったもののCDは1枚。「パープル・レイン」は2枚組となるという噂があったものの、蓋を開けてみると1枚。いsかし、今回は正真正銘のCD2枚組。内容的にも素晴らし過ぎる「サイン・オブ・ザ・タイムズ」の登場です。
サイン・オブ・ザ・タイムズ
しかも、同時に同名の映像作品もリリース!「プリンス/アンダー・ザ・チェリー・ムーン」の苦い経験なんぞ気にもとめていない。天才の仕事とはこのようなものなのでしょう。過去に囚われない。常に前進あるのみなのです。
胸を打たれるなぁ。アルバムは2枚組であるにも拘らず5×プラチナという大ヒットとなっています。この後、「ブラック・アルバム」をレコーディングするのですが発売直前に急遽発売中止に。すると音源がブートレグとして出回り、500万枚も売り上げたそうです。これはブートレグとしては世界最高の売上といわれています。
その後、1988年のアルバム「ラブセクシー」こそ売り上げが伸び悩みますが、1989年の「バットマン」がまた大ヒットし、プリンスの栄光の80年代は幕を閉じるのでした。