70年代
日本における70年代と言うのは、高度経済成長期を経て安定成長期の真っただ中。実に平和なものです。まさに昭和。昭和ど真ん中です。
その70年代には実に様々なモノが生み出されました。

もちろん今でも毎年様々なモノは生み出されているわけですが、70年代のモノは個性が強い!息が長い!現在でも現役で使われているのが多数あります。食品もそうです。70年代に生まれたヒット食品を各年ごとに見ていきましょう。
1971年
それでは早速1971年ですが、この年に生まれた今でも人気の商品と言えば、明治ブルガリアヨーグルト、キャラメルコーン、ソフトエクレアなどが代表です。
ただ、明治ブルガリアヨーグルトは、当初は「明治プレーンヨーグルト」として発売されていました。これは商品名に「ブルガリア」を使用することが発売当初は出来なかったからだそうです。パッケージも今とは違って牛乳パックと同じものが使われていました。
そしてこの年に忘れてはならないのが、これです、これ「日清 カップヌードル」。

日清 カップヌードル
CMを見てもらうと分かるように、カップヌードルは自由の象徴のような立ち位置で登場したんです。
そうなのです。常識というヤツとオサラバした時に、自由と言う名の切符が手に入るのです。1971年はそんな時代だったんですね。
1973年
前年が豊作だったからでしょうか、1972年には現在でもベストセラーとなっている商品は見つからず、1973年もまた厳しい状況です。
そんな中、唯一と言っても良い商品がコレ「シュガーカット」です。

シュガーカット
今となっては、どちらかと言えば女性のダイエット用の商品という印象がありますが、発売当初はむしと男。男性をターゲットとしたCMが作られていたんです。
今風に言えばメタボ対策商品と言った感じのCMですね。
ところで、今でも変わらないパッケージの女性は誰だ!ということが話題になることがあります。正解は1973年の「ミス・ハワイ」だったカノエ・ミラーさんです。未だに使われているというのも凄いですね。
1975年
1974年もめぼしい商品はないのですが、ここ3年の不調を吹っ飛ばすかのように1975年にはロングセラー商品が生まれます。
ペヤングソースやきそば、ハイチュウ、カリンチョ、そして「きのこの山」。

明治 きのこの山
発売当初からパッケージに緑色が使われているのですが、実はお菓子の商品パッケージには不適切な色とされていたんです。なので、緑色をメインにしたデザインは「きのこの山」が最初となるのだそうです。今では抹茶味やワサビ味などで緑色を使う商品パッケージは普通となっていますけどね。
パッケージも画期的でしたが、何と言ってもキノコの形をしたチョコというのが斬新でした。当時のチョコといえば板チョコかチョコバーですからね。チョコとクラッカーをくっつけるというのもアイデアですよねぇ。なんでも開発期間として5年を要したそうです。
1976年
明治は、1976年にもポポロンをヒットさせますが、1976年といえば明治よりもナビスコです。そう「チップスター」です。

ヤマザキビスケット チップスター
ヤマザキビスケットと言えば、その社名が示すようにリッツやオレオなどビスケットやクッキーで名を馳せていた企業です。それが成形ポテトチップスという独自の商品を送り出してきたんですね。
さて、そのCMはと言いますと、発売当時のものではありませんが大原麗子が美しい1979年版がお勧めです!
1977年
1977年は、もう、これで決まりです。「ビックリマンチョコ」。もう、文句なし!

ビックリマンチョコ
日本中に大ブームを巻き起こした「ビックリマンチョコ」の人気の秘密はオマケとして付いていたシールです。チョコレートをウエハースではさんだ商品自体も確かに美味しい。しかし、それよりなによりオマケのシールが欲しかった。

ビックリマンチョコシール
この「悪魔VS天使」シリーズが大人気となり、「ビックリマンチョコ」といえば、このシールを連想してしまいます。が、実はこのシリーズが始まったのは1985年からのことなんですね。発売当初は「どっきりシール」がオマケだったんです。
違っているのはシールだけではなく、味の方も変化しています。初代はウエハースの中にはチョコとアーモンドクランチが入っていたのですが、1979年の2代目「新ビックリマン」ではアーモンドクランチがピーナッツに変更。更に2001年にはピーナッツからアーモンドに変更されています。
1978年
1978年を代表する食品といえば、赤いきつねと緑のたぬき。それと「とんがりコーン」ですね。正確に言うと「赤いきつね」は1978年の発売ですが、「緑のたぬき」は1980年の8月に発売されています。

赤いきつねと緑のたぬき
赤いきつねと緑のたぬき、ペアとして考えてしまいがちですが発売にはタイムラグがあったんですね。そして1978年のもう一方の雄「とんがりコーン」。

ハウス とんがりコーン
その名の通りトウモロコシを主原料としているわけですが、あっさり塩味、焼きとうもろこし味、バターしょう油味、更には沖縄ゴーヤーチャンプルー味や北海道スイートコーン味など味のバリエーションがあります。
そしてCMは国広富之が初代キャラクターを務め、トランザムがCMソングを担当していました。
その後現在に至るまで様々なタレントがCMキャラクターを務めるのですが、田原俊彦、植草克秀、海光司・赤坂晃、今井翼、中山優馬、ふぉ〜ゆ〜、井ノ原快彦などほぼジャニーズ事務所で占められています。
1979年
1979年、この年がまた当たり年でした。ロッテのパイの実、明治製菓のヨーグレット、エスビー食品 の5/8チップに味の素AGFのドンパッチ。注目すべきは、こうした大手からの商品を向こうにまわして大健闘しているのが我らが「うまい棒」。もう「我らが」付けちゃいました。株式会社やおきんが販売しています。

うまい棒
もう無数と言ってよいほどのフレーバーがある「うまい棒」。永遠の、そして偉大なる駄菓子です。これからも愛され続けていくことでしょう。
逆に「はじける菓子」のブームを作りながら惜しまれつつも2000年に販売終了となってしまった「ドンパッチ」。
これはもう一度食べてみたいですねぇ。生産終了は残念です。
しかし,しかしです。こうした一時代を築いた商品が復活することは珍しくありません。歴史が証明しています。悲観することは何もないのです。
日々新たな商品が必要以上に生まれ、消費され、忘れ去られていく現在ですが、本当に良いものってやっぱり無くならないものなんですね。