「みんなと共に世界へ」親友がくれた闘争心、船井龍一選手!

「みんなと共に世界へ」親友がくれた闘争心、船井龍一選手!

ガチンコファイトクラブに魅せられてボクシングの門を叩いたシャイな目立ちたがり屋、船井龍一選手。30歳を過ぎて、努力を継続する力とは別の勝つために必要な「闘う」力を身に纏った第39代日本スーパーフライ級王者、次なる高みは世界!ここまでのボクサー人生について船井選手に伺って参りました。


-船井選手が仰る「弱さ」とは体力面、精神面いずれのことだったのでしょう。長くプロボクサーであり続けるための努力を続けてきたという点では、むしろ強いという印象を抱くのですが。

「そうですね…気持ちが弱かったんですよね。精神力はあったと思いますし練習もしていますが自信が無い。気持ちが弱かったと思います。」

-気持ちというのは「勝つための」気持ちでしょうか。

「はい。勝ちに貪欲になり切れていなかったんです。今は強くなれたと思うのですが、それも最近の事なんですよ。2016年に大阪でタイトルマッチがあって、僕は挑戦に失敗しています。

※2016年4月17日 日本スーパーフライ級タイトルマッチ 石井匠(王者)×船井龍一(挑戦者)



この試合は自分が優勢だったのですが、途中で相手選手が出血しました。それはパンチで切れたものだったのですが、パンチで切れると試合がストップになった時に僕の勝ちとなり、頭で切れた場合は判定になった時どちらが勝つかわからないんですね。



その時、パンチで切れたと言われたのに自分は『頭が当たった』と思っちゃって、試合中にもかかわらず相手選手に気の毒な気持ちになってしまって。そうしたらその気持ちが消えなくて、試合に判定で敗けて。その時『あーもう、本当に気持ち弱いな』って自分で自分が嫌いになってしまいました。」

親友との運命の対戦

「敗戦後もジムには通っていたのですが、その時に担当トレーナーさんが『お前まだ引退するなよ』と話しかけてくれてマンツーマンで指導をしてくれました。



情けない敗け方をした自分に期待をしてくれていることが嬉しくて沈んだ気持ちも浮上し、その後に2戦行いました。その次にまたタイトルマッチが決まったんです。


※2017年3月22日 日本スーパーフライ級タイトルマッチ



その相手が、僕がボクシングを始めるきっかけとなった高校ボクシング部の友人、中川健太選手(レイスポーツ)だったんです。」

-それはドラマチックな展開ですね!漫画のような、本当にそういうことがあるんですね!!

「はい。でも最初は本当に嫌でした、大親友ですから。中川選手とはジムは違うけど同じ世界にいて互いを応援しあう仲なんです。それに中川選手は一度引退していたんです。でも僕の試合を見て『あんなに弱かったお前がこんなに頑張っているから、俺も頑張る』と言ってくれて6年ぶりに復帰したんです。そして2016年にはチャンピオンに昇り詰めて。



そんなチャンピオンの中川選手に僕が挑戦することになったから、気持ち的には本当に嫌だったんです。けれど大阪の試合で自分は気持ちが弱い事に気が付いたから『ここで強い気持ちを出せないようなら自分は今後絶対チャンピオンにはなれない』と思ったんです。



なので、挑戦を決めてからは葛藤はありつつも相手を殺すくらいの気持ちをもって試合に挑みました。そうしたら何とか勝てて、そこからです。『中川にこれくらいの気持ちが持てるようだったら、他の誰に対してももっと強い気持ちでいける!』と。そこから自分は変わった気がします。チャンピオンとしても。」

-闘争心のスイッチが入った、と。ボクサーとしての大きなターニングポイントだったのですね。中川選手との対戦は31歳の時ですから「遅咲き」なのかもしれませんが、ひとつ高いステージに立つことが出来ました。この先の展望についてはどのようにお考えですか?

「中川選手のおかげで自分はここまで来れました。あの試合の後は勝てているので、これも本当に気持ちが強くなったからだと思っています。



プライベートではその頃に結婚もしまして、それもターニングポイントの一つだったと思います。身体のピークは36歳くらいかなと思っているので、あと2~3年は本気で頑張ります。」

船井龍一2回TKO勝ちで世界初挑戦へ「出来過ぎ」 - ボクシング : 日刊スポーツ

「闘争心が弱かったのは、それはボクサーとして不向きな優しさの表れだったのかもしれませんが、今までそれに気が付くことが出来ませんでした。それを気付かせてくれたのは同じジムの田口良一選手(第35代日本ライトフライ級王者(2013年4月3日戴冠)、第29代WBA世界ライトフライ級王者(2014年12月31日戴冠)、第23代IBF世界ライトフライ級王者(2017年12月31日戴冠))です。



田口くんは普段はホンワカしているんですが、リングに上がった時に目つきが変わるんです。後援者の方が『リングに上がると人殺しの目をする』と評しておられましたが、本当にそうだと思います。それまでの自分にはそれが無かったから大阪でのタイトルマッチに敗けたんだなと気が付けまして『自分もあの目をするんだ!』と思いましたね。リングの上では別人になる感覚です。今はそれができるようになりました。トランクスを履いて、ガウンを着たらそのスイッチが入る感じになります。」

ワタナベボクシングジムの系譜

-ワタナベボクシングジムは船井選手が仰るところの「強い」選手が大勢いると思うのですが、その方たちの影響はありましたか?

「それはありますね。世界チャンピオンの内山高志さん(第39代WBA世界スーパーフェザー級王者(2010年1月11日戴冠)、第35代OPBF東洋太平洋スーパーフェザー級王者(2007年9月8日戴冠))が、本当に誰よりも練習されてるんです。内山さんがジムに来られたら時からジムの空気がピリッとしますし、一緒に合宿に連れていってくださった事があるのですが『こんなに走るんだ!?』ってくらい走るんです。これくらい練習しないとチャンピオンにはなれないんだと、肌で感じることが出来ました。



そういう練習に対しての影響に加えて、大阪での敗戦と中川選手とのタイトルマッチを通して試合中の気持ちの重要さに気が付きました。普段の生活でもボクシングの事を考える時間が増えました。チャンピオンとしての責任感もありますし。そして何より応援してくれる皆さんに、また勝つ姿を見せたいという気持ちが強くなりました。」

-調理師を目指した頃の「人を喜ばせたい」という気持ちが今も。

「そうですね。もちろん自分が勝って喜びたいのもありますが、有名になりたいというより応援してくれる人たちと一緒に上のステージに行きたいんです。」

共感をチカラに

―ミドルエッジの読者層は親もいれば子もいて、自分本位の生活は後回しにすることも多い世代です。だから船井選手のように周りにも配慮されながらそれをエネルギーにして頑張る姿には共感すると思うのです。世界戦、応援しております。最後になりますが、そういえば調理のほうはその後…?

「家で作るくらいですね。趣味でカレーが大好きで将来はカレー屋を開きたいくらいなんです。だから自分でスパイスから何から用意して作っています。奥さんに食べてもらうんですが、けっこうシビアな感想が来ますよ(笑。あと、プリンも大好きなので、カレー屋でプリンも出したいですね。



今思えばですが、バスケをやる前はお笑い芸人に憧れていました(笑、結構ミーハーで中学の頃はギターもやってました。調理師専門学校に在学中も学校の仲間とバンドを組んで、当時流行っていたドラマ「NANA」の曲をライブで1回やってバンド解散しましたね。」

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