「みんなと共に世界へ」親友がくれた闘争心、船井龍一選手!

「みんなと共に世界へ」親友がくれた闘争心、船井龍一選手!

ガチンコファイトクラブに魅せられてボクシングの門を叩いたシャイな目立ちたがり屋、船井龍一選手。30歳を過ぎて、努力を継続する力とは別の勝つために必要な「闘う」力を身に纏った第39代日本スーパーフライ級王者、次なる高みは世界!ここまでのボクサー人生について船井選手に伺って参りました。


-え!調理師専門学校??

調理師専門学校とガチンコファイトクラブ、あまりにもイメージのかけ離れた単語の登場に思わず聞き直してしまったミド編。

「はい(笑。でも結局就職をして、そこで一度ボクシングから離れました。



就職した会社での仕事は冷凍肉を倉庫に入れる作業だったんですが、毎日この同じ作業をしていたら『このまま死んでいくのか』『この仕事をするために俺は生きてきたのか?』と思うようになっちゃいまして(笑。



自分は何をやりたいのかと考えたら、やっぱりボクシングなんですよ。弱かったからボクシングをあきらめて就職したけれどやっぱり何か違う。こんな人生じゃないと。」

-社会に出てみて、真剣に自分と向き合うことになったんですね。ということはその仕事は…?

「3ヵ月で辞めました。そして再び実家からワタナベボクシングジムに通うようになり、アルバイトをしながらプロボクサーを目指す生活を始めました。」

プロテストに合格!デビュー戦にも勝利!!

3ヵ月の社会人生活を終え、プロボクサーを目指す生活を始めて6か月。
この年の12月、船井選手は見事プロテストに合格!

翌年の2月14日には、待望のプロデビュー戦を迎えることとなりました。

-ガチンコファイトクラブから始まったボクシング生活、ついにプロのリングに立つことが出来ました。

「それが本当にややこしいんですけど、実は19歳でプロテストに受かって翌年2月14日にデビュー戦をしたんですが、その翌月には調理師専門学校に入学しているんです。」

-え!調理師専門学校??(二度目)

「はい。高校卒業の時に就職か調理師専門学校で悩んだとお話ししましたが、その学校にも行きたくて、親に相談して入学試験を受けていたんです。



同じ時期にボクシングのプロテストも受けて合格しました。でも親からは入学したらボクシングは辞めるように言われまして。だから3月の入学前にデビュー戦を行ったんですよ。



デビュー戦を終えたら本当にリングを降りて調理師になるつもりでした。でも試合で勝利したんです!そしたら友達は『お前すげーな!』とか言ってくれて。それが嬉しくて、親にボクシングも続けたいと伝えました。だからまず調理師専門学校に1年間通い、卒業後にボクサー生活に戻ったんですよ。」

-ということは18歳で高校を卒業して就職、3ヵ月で退職してその年の12月にプロテスト合格。2ヵ月後にデビュー戦をして翌3月に調理師専門学校に入学!この年はまさしくターニングポイントだったのかもしれませんね。

「そうかもしれません、でもこれも一度働いた経験があったからなんですよ。働いてみて『この人生は送りたくない』と思ったからです。何かを残したいと思ったんです。例えば調理だったら美味しい料理でみんなを喜ばせたい。人に何かを与えることができる仕事に就きたいと思ったんですよね。



ボクシングと調理師専門学校、両方が大事でしたけれどもデビュー戦が決まって試合をするまでは、気持ちをボクシング一色に切り替えていました。そして試合を終えた後は気持ちを切り替えて学校に入学し、1年間通って調理師の資格を取りました。



通学している間もプロボクサーの資格は更新していたので、調理師専門学校卒業後には再びプロとして、調理師の資格を活かしたアルバイトで生計を建てながらボクシング中心の生活に戻ったんです。」

強いボクサーになるために大切だった20代

-調理師専門学校を卒業、再びプロボクサーとして高みを目指す日々が始まりました。

「日々の生活ということでは、毎日アルバイトが終わったら所属先のワタナベボクシングジムに行って…という生活ですね。



アルバイトはシフトに入らないとお金にならないし、20代当初はボクサーとしての稼ぎもなかったからアルバイトのシフトをかなり入れていたんです。だから『どっちが生活のメインなんだよ?』『本当にやりたい事はどっちなんだ?』と自問自答してしまう時もあってそれは辛かったですね。」

-船井選手はデビュー直後からの華々しいキャリア、という言い方よりも長く積み上げてきたものがいよいよ結実してきた、という言い方が出来るかと思います。デビューから14年、その間に道に迷うことはありませんでしたか?

「それは何回もありました。僕はプロ4回戦目の時に3敗していて…チャンピオンになるような選手は4回戦の時に3敗もしないし負けていないんです。しかも自分はまだまだ体も弱くて。『もうプロではやっていけないのかな』と思った事もあります。



でもリングに上がって応援してもらったり、試合を見に来てくれた人が『活力になったよ!』と言ってくれたりして。そういう声が嬉しくて、何だか本当に嬉しくて『続けたいな』って思うんです。それがあったから今日までずっと続けてこれました。」

30代になってから結果がついてきたことに周囲は「遅咲き」「苦労人」といった形容をしたくなりますが、ご本人は「あっという間の20代」だったと述懐します。

好きなボクシングに夢中に打ち込んだ20代

「振り返るとあっという間の20代でしたね。周囲からは苦労しているように見えていたかもしれませんが自分は一瞬一瞬、一戦一戦すべて本気で取り組んできただけで苦労とは思わなかったです。



本当に大好きなボクシングをずっとやってきた20代。だから辞めるという選択はしなかった。自分は本当に弱かったんで強くなるには時間が必要だったんです。だから、今自分は7敗していますが、敗けている期間も自分にはとても重要でそれがあったから30代でチャンピオンになれたんだと思っています。」

リング上で親友と対峙、開眼した闘争心

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