「脱がせ屋」の異名をとる東陽一監督の、女性の美と性を美しく描き切った80年代までの名作

「脱がせ屋」の異名をとる東陽一監督の、女性の美と性を美しく描き切った80年代までの名作

森下愛子、関根恵子、田中裕子に黒木瞳。大原麗子までをも手に掛けようとした(オイオイ)東陽一監督。脱がせ屋の異名は伊達ではありません。しかも、ただ脱がせるだけではなく、エロいのに品があるという作風がたまりません。一世を風靡した女性の美と性を美しく描いた80年代までの名作がこれです。


東陽一

映画ファンを自認するような人でなければ、なかなか映画監督の名前は知られていないのでないかと思います。おそらく東陽一監督も一般的な認知度は低いことでしょう。しかし、売れっ子監督です。特に70年代、80年代は素晴らしい作品、話題となった作品、大ヒットした作品を量産しています。
その当時の特徴は女優を脱がす!もう、いい女をガンガン脱がす!これです。
女優を脱がせることにかけては間違いなく日本一。そんな東陽一監督のインタビューを先ずご覧ください。映画制作に関する興味深い話が聞けます。

それでは、「脱がせ屋」の異名をとる東陽一監督の乗りに乗っていた80年代までの作品を振り返ります。

サード(森下愛子)

先のインタビューでも言っていますが、最初の長編映画は1969年に公開された「沖縄列島」。その後、「やさしいにっぽん人」、「日本妖怪伝・サトリ」を発表後、1978年の4作目「サード」で大いに注目されます。

監督:東陽一
脚本:寺山修司
製作:前田勝弘
製作総指揮:葛井欣士郎(企画)
出演者:永島敏行、吉田次昭、森下愛子、志方亜紀子、島倉千代子
音楽:田中未知
撮影:川上皓市
編集:市原啓子
配給:ATG
公開:1978年3月25日
上映時間:103分

サード

第52回キネマ旬報ベストワン、第21回ブルーリボン賞作品賞、芸術選奨文部大臣新人賞などを受賞した名作ですね。ATG作品ですね。脚本が寺山修司というのもスゴイ。
この映画で脱がされた(?)のは、デビュー間もない森下愛子です。、

サード

現在は吉田拓郎の奥さんですが、この頃はまだ独身!若々しいと言うか、瑞々しいというか、カワイイですねぇ。
しかしまぁ、この映画は永島敏行を観るべきでしょう。

う~ん、硬派です。男の映画です。まぁ、ATGですしね。
東陽一監督らしい女性映画となるのは次回作「もう頰づえはつかない}以降です。

ラブレター(関根恵子)

1979年の「もう頰づえはつかない」で桃井かおり、1980年の「四季・奈津子」で烏丸せつこ を毒牙(オイオイ)にかけた東陽一監督。次のターゲットは関根恵子。しかも、にっかつロマンポルノです。期待するなという方が無理ってものですね。
1981年公開の「ラブレター」です。まぁ観てください。

エロい。さすが、にっかつ。ロマンがあります。ポルノでもあります。もう一度言いますが、エロい。しかし、この映画は意外なことに女性に受けたんです。結果、にっかつロマンポルノ史上最高の興行収入を上げています。

監督:東陽一
製作:前田勝弘
企画:佐々木志郎
原作:江森陽弘
脚本:田中陽造
撮影:川上皓市
美術:綾部郁郎
編集:市原啓子
音楽:田中未知
出演:関根恵子、加賀まりこ

ラブレター

関根恵子は、映画監督の高橋伴明と結婚し、高橋惠子として活動されていますね。

ザ・レイプ(田中裕子)

脱ぎっぷりが良かったのか「四季・奈津子」に次いで再び烏丸せつこ を主役に起用した1981年公開の「マノン」。これもまたヒットするわけですが、更にセンセーショナルを巻き起こしたのが翌年に公開された「ザ・レイプ」です。

監督:東陽一
脚本:東陽一、篠崎好
原作:落合恵子
出演者:田中裕子、風間杜夫、伊藤敏八、津川雅彦
音楽:田中未知
撮影:川上皓市
編集:市原啓子
製作会社:幻燈社、東映
公開:1982年5月15日
上映時間:100分

ザ・レイプ

主演は田中裕子。タイトルからすると、ロマンポルノを連想される方がおられるかもしれませんが、そうではありません。落合恵子の小説を原作とした社会派人間ドラマです。
面白いのは東映映画であるにも関わらず、当初「OL週間」と名付け女性映画として公開されているんです。

因みにレイプシーンの撮影には7時間もかけたのだそうですよ。現在は沢田研二の奥さんである田中裕子の若かりし頃の熱演です。

セカンド・ラブ(大原麗子)

1982年公開の「ジェラシー・ゲーム」は、またまた にっかつロマンポルノ。色気一杯の大信田礼子と当時20代だった高橋ひとみが見事なヌードを披露してくれてます。
次いで翌年公開されたのが「セカンド・ラブ」です。脱ぐのか?!大原麗子が脱ぐのか?!とそれだけで話題となった作品ですね。

監督:東陽一
脚本:田中晶子、東陽一
製作:吉田達、前田勝弘
出演者:大原麗子、小林薫、アイ・ジョージ、中村れい子、河原崎建三
音楽:田中未知
撮影:川上皓市
編集:市原啓子
制作会社:幻燈社・東映
公開:1983年4月8日
上映時間:103分

セカンド・ラブ

結論から言えば、大原麗子は脱ぎません!東陽一監督には頑張ってほしかった。ここで頑張らないでどうするんだ!という思いと、これで良かったんだ、女神の純潔は守られた!という思い。ファンとしては複雑ですね。
しかしそれでも、乳房を揉みしだかれるという大原麗子の映画史上もっともハードな濡れ場を観ることが出来ます。

セカンド・ラブ

ソフトです。ソフトとは言え、大原麗子のベッドシーンはなかなか見られませんからねぇ。東陽一監督に感謝の気持ちでいっぱいです。

化身(黒木瞳)

美魔女の代表的存在として今尚人気を集める黒木瞳の映画初出演作、それが1986年公開の「化身」です。黒木瞳の大胆なベッドシーンは大きな見どころとなっているのですが、そこは東陽一監督、良質なエロチシズム・シーンとして仕上げており、女性からも大いに支持を集めました。

監督:東陽一
脚本:那須真知子
出演者:藤竜也、黒木瞳、梅宮辰夫、阿木燿子
音楽:加古隆
撮影:川上皓市
配給:東映
公開:1986年10月10日
上映時間:105分

大胆な濡れ場を描いても嫌らしくないといいますか、品がある。東陽一監督作品の特徴ですが、それって渡辺淳一の文学作品に通じますよね。エロ小説以上にエロいのに何故か文学として扱われ、女性にも大人気という。「化身」の原作はその渡辺淳一です。相性抜群、映画がヒットしたのも大いに頷けますね。

その後、80年代最後の作品「うれしはずかし物語(川上麻衣子主演)」をにっかつ で撮り、90年代に入ると最初の作品「橋のない川」は、社会問題を取り扱ったにも関わらず配給収入12億円のヒット作となりました。
そして冒頭のインタビューで観れるように今尚元気!これからもステキな女性をバンバン脱がしてほしいものです。

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