決勝戦は、アンディ・フグ vs 松井章圭。
松井章圭は、アンディ・フグの踵落としをこう分析していた。
(あの技は、1で軸足を踏ん張って蹴り足を頂点まで振り上げ、2で相手に踵を振り落とす。
つまり1のタイミングでアンディ・フグの軸足を払ってしまえばいい)
試合開始早々、松井章圭は下段回し蹴り。
するとアンディ・フグは、左の踵落とし。
それは松井章圭の鼻先数㎝から帯の結び目をかすめてマットに落ちた。
意を決して間合いを詰める松井章圭にアンディ・フグは、2度目の踵落とし。
松井章圭はかまわず踏み込んでアンディ・フグの軸足を蹴った。
本戦は引き分けとなり、延長戦へ。
アンディ・フグは、フットワークで大きく回りながら、3度目の踵落とし。
その踵は松井章圭は右耳をかすめ肩に落ちた。
松井章圭は、そのまま前進し、軸足立ちになったアンディ・フグを押し倒した。
跳ね起きたアンディ・フグが右後ろ回し蹴り。
松井章圭は後ろに体を反らせてよけ、左下段回し蹴り。
華麗な足技の応酬の末、1回目の延長戦は引き分けになった。
2度目の延長戦に入り、アンディ・フグが4度目の踵落とし。
それに対し、松井章圭は、アンディ・フグの軸足に後ろ回し蹴りを合わせた。
4度も踵落としを潰されたアンディ・フグは、パンチによって勝機を見出そうとした。
しかし左の突きが松井章圭の顔面に入り、主審に反則に
「減点1」
を言い渡され、両手で顔を覆い天を仰いだ。
そして試合は判定で松井章圭が勝った。
松井章圭が優勝したことで、スティーブ・アニール派は勢いを削がれ、世界支部長会議で「大山倍達の総裁解任とスティーブ・アニールの2代目就任」が議題となることはなかった。
「もう試合はしません」
第4回世界大会の後、しばらくして松井章圭は大山倍達に「選手引退」を申し出た。
松井章圭の主な記録
公式戦56戦50勝6敗
100人組手達成
全日本大会2連覇
第4回全世界大会優勝
松井章圭 華麗な技と不屈と精神を併せ持った天才空手家
「一撃必殺」 数ある格闘技・武道団体の中でも超硬派に最強を追求し続ける極真空手。 独特の厳しい稽古により数々の猛者が排出されたが、中でも松井章圭は異色の存在。 突き(パンチ)と下段回し蹴り(ローキック)だけでなく、上段回し蹴り、中段回し蹴り、後ろ回し蹴りを多用する華麗な組手。 無表情な中にも、内に秘めた激情。 黒澤浩樹など科学的なトレーニングによるアスリート型の空手家が台頭していく中で、武道的、武術的な空手の強さを追求し体現した。 最年少黒帯。 最年少全日本大会出場。 全日本大会連覇。 100人組手完遂。 世界大会優勝。
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