伝説の封印映画『ノストラダムスの大予言』のコミカライズ版は、ちゃんと人喰い描写が登場する問題作だった!

伝説の封印映画『ノストラダムスの大予言』のコミカライズ版は、ちゃんと人喰い描写が登場する問題作だった!

1973年11月に出版されて大ベストセラーとなった、五島勉の著書『ノストラダムスの大予言』を原作にパニック映画として公開された『ノストラダムスの大予言』劇場公開時には問題になったシーンがコミカライズ版で蘇った!


1974年8月3日の劇場公開後、本編中のあるシーンがコンプライアンス的に問題視されたが、そのシーンを削除したバージョンと差し替えて更に上映が続行されたという伝説の封印映画。それがこの『ノストラダムスの大予言』だ!

『ノストラダムスの大予言』チラシ

そのあまりにショッキングな内容から、未だに日本国内では一切ソフト化されておらず、海外版のソフトや過去にテレビ放送された際の映像が、マニアの間でも高値で取引されている本作。ミドルエッジ世代の方なら、当時劇場に観に行ったという方も多いはずだ。

『ノストラダムスの大予言』劇場パンフ

現在では見ることが困難な本作だが、実は公開当時コミカライズ作品が雑誌に掲載されていたのをご存知だろうか?
そこで今回は、今となっては映画の内容を伝える貴重な資料であるこのコミカライズ版を紹介することにしよう。

伝説のカルト映画『ノストラダムスの大予言』とは?

1973年11月に出版されて大ベストセラーとなった、五島勉の著書『ノストラダムスの大予言』を原作に、1973年の12月に東宝が公開して記録的大ヒットとなった『日本沈没』に続く、パニック映画第二弾として公開された本作は、その年の邦画興行収入第二位を記録!

『ノストラダムスの大予言』新聞広告

ちなみに同時上映は、あの『ルパン三世』の初実写化作品『ルパン三世念力珍作戦』という、奇跡の組み合わせだった!

『ノストラダムスの大予言』劇場ロビーカード

実に穏やかな一家団欒の写真が使用された、本作の劇場版ロビーカード。実はこれ以外のロビーカードは、後で紹介する一枚を除いて全て災害や天変地異の場面ばかり!これだけを見ても、やはり本作の見所が『日本沈没』でも描かれた大災害や天変地異の特撮シーンにあったということが良く判る。
その衝撃的な内容や、未だにソフト化されない経緯も含めて、正に封印映像界のキング・オブ・キングとして有名な本作だが、実は日本でも過去に一度だけテレビ放送されており、海外でも様々なバージョンがソフト化されている。
幸い手元にはノーカット版のソフトがあるので、コミカライズ版だけでなく本編紹介の記事も、キャプチャー画像と一緒にその内にお届けしたいと思っている。

『ノストラダムスの大予言』コミカライズ版概略

掲載誌表紙

この『ノストラダムスの大予言』コミカライズ版が掲載されたのは、以前紹介した伝記マンガ『アントニオ猪木物語』と同じ、「別冊少年チャンピオン」1974年9月号。作者は70年代に「少年ジャンプ」で活躍されていた、高山よしさと先生。高山先生はこの他にも、多くの映画コミカライズ作品を当時の「別冊少年チャンピオン」誌上に発表されている。
映画のスケールに合わせて実に49ページの大長編マンガとして描かれた、この『ノストラダムスの大予言』コミカライズ版。果たしてその内容は、どんなものだったのか?

『ノストラダムスの大予言』コミカライズ版内容紹介

本作の扉絵

意外にも、江戸時代の描写から始まる本作。江戸の頃からノストラダムスの預言書『諸世紀』の内容を世に伝えていた学者、西山玄哲。彼の教えはその子孫により、第二次大戦中の弾圧を経て戦後の日本にまで伝承されていた。

環境破壊により夢の島に謎の生物発生!

時代は変わって現代の日本。西山玄哲の子孫で、環境と公害問題の研究をしている西山博士の元を、娘のまり子と彼女の恋人でアフリカ取材から帰国した明が訪ねて来る。久々に日本に帰ってきた明との再会を喜ぶ彼らの元に、夢の島の埋め立て地に未確認生物が現れたとの報告が!

これが巨大ナメクジだ!

未確認生物の正体は、公害による環境汚染で巨大化したナメクジの群れだった!

長年に渡る環境破壊が、人間の体に悪影響を及ぼす!

豆腐やハム、ソーセージに含まれている防腐剤"AF2"が、長く食べている間に人体に蓄積され、ガンや流産を引き起こし、遂には突然変異を引き起こすことが語られる衝撃展開!巨大ナメクジの発生も、実は我々を取り巻く有害物質が原因であり、ノストラダムスの予言に登場する、両腕の無い赤ちゃんが思いっきり描かれるなど、確かに当時としても振り切った内容だったのが良く分かる。

『ノストラダムスの大予言』劇場ロビーカードより

マンガでも、見事に再現された人喰い植物!

将来的に起こりうるであろう、公害や食糧問題に世界中で取り組んでいる中、ニューギニアに派遣されていた第一次国際調査団が行方不明になったという連絡が!彼らの救出のため、西山博士をリーダーとする第二次調査団が編成され、ニューギニアに向かうことになる。成層圏に溜まっていた放射能の灰が、何らかの要因によりこのニューギニアに降って来たことによる放射能汚染が原因ではないかと予想していた第二次調査団の前に、巨大な人喰い植物が出現!

放射能の影響で狂った人喰い人種に襲われる!

折込ピンナップには問題の人喰いシーンが!

ここが劇場公開時に問題となった人喰いシーンだ!このコミカライズ版でも見事に再現されたショッキングなシーンだが、実は本誌の折込ピンナップにはこのシーンのカラー写真が掲載されており、今では実に貴重な資料となっている。

人喰い人種の正体、実は行方不明の調査隊員たちだった!

ニューギニアの奥地へ調査に行ったまま消息を絶っていた第一次調査団が、まさかの人喰い人種だったとは!現地に降り注いだ放射能の灰が、彼らを狂わせてしまったのだ。

成層圏の破壊で皮膚が焼ける!

襲い来る大災害の恐怖!

その頃全世界では、ついにノストラダムスの大予言が現実のものとなっていた。
超音速旅客機SSTの爆発事故で起きた成層圏の異変により、地球上に紫外線が降り注ぎ、人々の皮膚が焼け爛れていく・・・。
更に、次々と襲い来る天変地異に核ミサイル攻撃!ついに世界は滅亡の日を迎えてしまうことに。

実は全部、架空の話だった!

と、思わせて、実はこれらの滅亡的状況は、全て西山博士が国会で人々に説明した仮説だったことが明かされる。あくまでも可能性だが、このままの生活を続けている限り、近い将来人類は破滅の道を突き進むことになるかも知れない、という西山博士の主張。
それを防ぐには、祖先の様な物質的に素朴な生活に戻ることが必要であり、これからの世の中を担う子孫に幸せに暮らせる世界を譲り渡すことが、我々の使命だと語る西山博士。

人類への問題提議で物語は終わる。

近い将来に予測される人類の危機に、必ずや世界が一つになって立ち向かい、克服するであろうことが描かれる本作のエンディング。確かに問題描写が多い内容だが、そこには人類の未来への確かなメッセージが込められていることが良く分かる。
果たして、これほど高いメッセージ性に溢れた名作映画を、再び我々が鑑賞出来る日はやって来るのだろうか?

最後に

いかがでしたか?
『日本沈没』が前年に大ヒットしたため、同傾向の映画としてノストラダムスの予言による大災害をスクリーン上に見事に再現した点は良かったのだが、あまりに配慮に欠ける描写が多いため、今では見ることの出来ない封印映画の王者となってしまった、この『ノストラダムスの大予言』。問題描写を多く含みながら、最終的に非常に道徳的なメッセージを残して終わるその内容は、確かにこの年の文部省推薦映画に選ばれたのも納得の内容だと言える!
同じ封印作品でも、『江戸川乱歩全集・恐怖奇形人間』や『博徒七人』などの東映作品は、近年CSの東映チャンネルにおいて解禁・放送される物が多くなっているのだが、果たしてこの東宝の『ノストラダムスの大予言』は、再び日の目を見る日が来るのだろうか?

その日が来るまでは、このコミカライズ版がその内容を伝える貴重な資料となるのだが、単行本未収録の上に掲載誌が古書市場でも結構高値を呼び入手困難となっているため、一日も早い単行本収録や復刻が望まれるところだ。

関連する投稿


【1973年レコード大賞】え?ジュリーじゃないの?大賞受賞曲はまさかの・・・

【1973年レコード大賞】え?ジュリーじゃないの?大賞受賞曲はまさかの・・・

かつては国民的人気を誇り、年の瀬には大賞予想で盛り上がった「日本レコード大賞」。毎年、結果は大方の予想通りとなるケースが多かったものの、たまに意外な曲が受賞するサプライズの年もありました。その好例が1973年。戦前の最有力は沢田研二(ジュリー)でしたが、まさかの曲が大賞を受賞します。その曲とは!?


1975年公開のパニック映画「新幹線大爆破」が監督・樋口真嗣、主演・草彅剛でリブート決定!!

1975年公開のパニック映画「新幹線大爆破」が監督・樋口真嗣、主演・草彅剛でリブート決定!!

1975年公開のパニック映画「新幹線大爆破」が、監督・樋口真嗣、主演・草彅剛による新作リブート作品として制作されることが決定しました。Netflixにて公開予定となっています。


映画「エクソシスト」は実話だった!?撮影中やその後に起きた不可思議な出来事とは?

映画「エクソシスト」は実話だった!?撮影中やその後に起きた不可思議な出来事とは?

少女に憑りついた悪魔祓いを描いた映画「エクソシスト」は1973年の作品ですが、続編も作られ長期間に渡って観る人を恐怖のどん底に陥れ続けています。撮影中やその後に不可思議な出来事が起きたことも有名で呪われた映画とも 言われていますよね。そんな映画「エクソシスト」には原作があり、モデルとなった事件があったと言われていました。今回はそんな映画「エクソシスト」についてご紹介します。


1973年にブーメランのヴォーカル&ドラマーとしてデビューした黒住憲五。その全キャリアから名曲を厳選した初のベスト盤をリリース!

1973年にブーメランのヴォーカル&ドラマーとしてデビューした黒住憲五。その全キャリアから名曲を厳選した初のベスト盤をリリース!

1973年にワーナー・パイオニアより「ブーメラン」のヴォーカル&ドラマーとしてデビューした黒住憲五。デビュー50周年という節目に、メロウなテイストとグルーヴをテーマにコンパイルしたベスト・セレクション盤が7月19日に発売されます。


変身!V3!!『仮面ライダーV3』放映50周年記念!全高約40cmのビッグスケールフィギュアが登場!!

変身!V3!!『仮面ライダーV3』放映50周年記念!全高約40cmのビッグスケールフィギュアが登場!!

今なおファンに高い支持を受け続けている『仮面ライダーV3』が放映50周年を記念して、UAシリーズにいよいよ登場。全高約40cmのビッグスケール、至高のディテールに加え、迫力のライト&サウンドギミックを内蔵です!


最新の投稿


昭和100年を祝う夜!グランドプリンスホテル広島でTEPPANの歌謡ライブ&打ち上げ花火が開催決定

昭和100年を祝う夜!グランドプリンスホテル広島でTEPPANの歌謡ライブ&打ち上げ花火が開催決定

2026年5月5日、グランドプリンスホテル広島にて「昭和100年」を記念したスペシャルイベントが開催される。広島発の4人組ボーカルグループ「TEPPAN」による昭和歌謡ライブに加え、夜空を彩る打ち上げ花火も予定。ライブ観覧は無料。さらにホテル上層階のレストランではCD付きの特別ディナープランも登場する。


樋屋奇応丸の倉庫から幻の音源発見!デューク・エイセスが歌う昭和のCMソングが高音質で蘇る

樋屋奇応丸の倉庫から幻の音源発見!デューク・エイセスが歌う昭和のCMソングが高音質で蘇る

「ひや・きおーがん」のフレーズで親しまれる樋屋製薬の社内倉庫から、長らく歌唱者不明だった過去のCMソング音源が発見された。調査の結果、昭和を代表するコーラスグループ「デューク・エイセス」による歌唱と判明。当時のクリアな歌声を再現した「高音質版」が公開され、昭和歌謡ファンを中心に大きな話題を呼んでいる。


福岡の食のテーマパーク「直方がんだ びっくり市」が50周年!大盛況で幕を閉じた「半世紀祭」をレポ

福岡の食のテーマパーク「直方がんだ びっくり市」が50周年!大盛況で幕を閉じた「半世紀祭」をレポ

1976年の創業から50周年を迎えた福岡県直方市の「直方がんだ びっくり市」にて、2026年4月17日から19日までアニバーサリーイベント「半世紀祭」が開催された。銘柄牛が50%OFFになる「肉袋」や名物セールの復活、地元ヒーローの参戦など、半世紀の感謝を込めた熱気あふれる3日間の模様を振り返る。


『メタルスラッグ』シリーズ30周年記念プロジェクト始動!新作開発や特設サイト、記念映像が一挙公開

『メタルスラッグ』シリーズ30周年記念プロジェクト始動!新作開発や特設サイト、記念映像が一挙公開

アクションゲームの金字塔『メタルスラッグ』が2026年4月19日に誕生30周年を迎えた。株式会社SNKはこれを記念し、シリーズの再燃・リブートを掲げた記念プロジェクトを始動。新作ゲームの開発を含む多彩な企画の推進や、歴史を振り返る記念映像の公開、特設サイトの開設など、世界中のファンへ向けた展開が始まる。


山下達郎ソロ・デビュー50周年記念!JOURNAL STANDARDとコラボした限定Tシャツが発売

山下達郎ソロ・デビュー50周年記念!JOURNAL STANDARDとコラボした限定Tシャツが発売

ソロ・デビュー50周年を迎えた音楽界のレジェンド・山下達郎とJOURNAL STANDARDが特別なコラボレーションを実現。1stアルバム『CIRCUS TOWN』収録の名曲「WINDY LADY」をテーマにしたTEEがリリースされる。音楽史に刻まれた名盤の空気感を纏える、ファン垂涎の記念アイテムが登場だ。