野球中継への差し替えをきっかけに突然番組終了した『ダウンタウンのごっつええ感じ』の最後に松本人志が見せた強い意志

野球中継への差し替えをきっかけに突然番組終了した『ダウンタウンのごっつええ感じ』の最後に松本人志が見せた強い意志

90年代を代表するバラエティ番組『ダウンタウンのごっつええ感じ』。まだ20代だったダウンタウンによるシュールで過激なコントが魅力でした。本稿では、突然の最終回を迎えるきっかけとなった野球中継への差し替え事件をプレイバック!並木モッズのイラストと共にお楽しみください!


1991年12月からフジテレビ系で放送されていた『ダウンタウンのごっつええ感じ』。
80年代後半に本格的に東京進出してきたダウンタウンにとって、日本テレビ系のガキ使に続く、レギュラー番組となりました。

日曜夜8時台のゴールデンタイムに、ダウンタウン独特のシュールな笑いがお茶の間を席巻しました。

本稿ではその人気番組の「突然の終了」に関して、イラストレーター・並木モッズのイラストと共に振り返ります!

大人気だった日曜の夜8時の『ダウンタウンのごっつええ感じ』

ダウンタウンの二人、松本人志も浜田雅功もまだ20代後半と、若さ溢れる奇想天外なコントが売りだった『ダウンタウンのごっつええ感じ』。
レギュラーには、今田耕司や130Rの板尾創路、蔵野孝洋(ほんこん)に加え、YOUや篠原涼子といったお笑い畑以外のメンバーも選ばれていました。

その後、大物となっていく当時若手のメンバーが、それぞれの個性を発揮して、自由奔放な秀逸コントを毎週披露してくれました。

番組内では「キャシィ塚本シリーズ」「やすしくん」「AHO AHO MAN」「世紀末戦隊ゴレンジャイ」など、捧腹絶倒の名作コントが次々と生まれ、「オジャパメン」やCDオリコン初登場5位を記録した「エキセントリック少年ボウイ」といった楽曲も生み出しました。

1997年に突然の終了となった『ダウンタウンのごっつええ感じ』

放送開始から6年近く経っても、高い人気を誇っていた『ダウンタウンのごっつええ感じ』でしたが、前述の「エキセントリック少年ボウイ」によるライブイベントの放送回で事件が起きます。

それは放送当日、フジテレビからの事前相談無しに、番組がプロ野球でセリーグ優勝のかかったヤクルトスワローズ戦へと差し替えられたのでした。これに松本人志が大激怒。
フジテレビの出演全番組の収録をボイコットをするといった事態にまで発展します。
その後、話し合いを重ね、『ダウンタウンのごっつええ感じ』の打ち切りで手打ちとなりました。

この決断には批判も多く、番組を私物化し“ワガママな松本人志“のイメージを生み出すきっかけにもなりました。しかし、番組の打ち切りは怒りに任せた訳ではなく、ダウンタウンの二人が、制作スタッフに対して不満を持っていた事も要因のひとつになったと公言
しています。

また、構成作家であった高須光聖によれば、番組の打ち切りを言い出した松本人志に思い留まるよう説得した際に、松本人志は感情だけでなく、自身がいかに『ダウンタウンのごっつええ感じ』に対して強い想いを持って、毎週取り組んでいたかを伝える意味でも打ち切りを決断した旨を話したそうです。

番組は事件以降、2週にわたってコントの傑作選を放送し、1997年11月に終了しました。

横山やすしのパロディなど色々と批判の対象となり、怒られたでしかし!!

人気の中心にあった多くのコントですが、過激な描写が現在では放送コードに引っ掛かるであろう内容でした。
松本人志原作のアニメ「きょうふのキョーちゃん」などは一見、児童アニメ風なタッチでしたが、下ネタありグロテスクな表現ありのブラックユーモアが溢れまくる作品で、批判や苦情の対象となりました。

また、横山やすしをパロディ化したコント「やすしくん」が人気を集めました。大先輩にも関わらず松本人志がやすしくんを演じ、小馬鹿にしまくるといったハードな内容が受け、シリーズ化されました。
「怒るでしかし」といったフレーズなど耳に残るものが多かったですが、この放送中(1996年1月21日)に横山やすし本人が急逝した事で、松本人志を批判する声が数多く挙がりました。

このパロディ制作の背景には、東京進出前のダウンタウン(当時はライト兄弟)が、演芸番組「ザ・テレビ演芸」に出演した際に、彼らの披露した漫才を横山やすしが「悪質な笑い」と公開説教した事があり、それが遠因になっているのかも知れません。

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