マリリン・モンローの最大の魅力は、そのセクシーさでは決して無い。子供じみた可愛らしさ、悪く言えばノータリン、良く言えば、脳の一部が少女のまま成長してしまった女の天真爛漫さを堂々と演じ通すところにある。
たとえダンスがプロっぽくなくても、そのぎこちなさが逆に愛らしく狂おしい。意図的でやり過ぎな流し目を飛ばしながら動き回るだけで充分なのである。それだけで彼女の魅惑的パフュームが、画面を越えて溢れ来る。
魔術的なまでのまぶた使いや、もったいぶった口の動かし方、瞳孔を開きっ放しにした表情作りも、匠的な技では決してないものの、彼女がするからこそその魅力は拡大拡張する。
そこまで見え見えの大袈裟な誘惑顔をしなくても、という演技でも、全く嫌味を感じさせない、そこにマリリン・モンローの特異さがある。
ローレン・バコール,ベティ・グレイブル,マリリン・モンローのスター三人が出ていて、軽いのりのコメディで、まずまず楽しめる映画だ。
まず、マリリンが殆ど眼鏡なしでは何も見えない設定が面白いし、ベティを見たのはミュージカルが殆どだが、懐かしい女優の一人だ。役者としては、やはりローレンが一枚上手で、ウィリアム・パウエルに言い寄る時「年上が好きで、例えば’アフリカの女王’のハンフリー・ボガートのような」という台詞が面白い。当時、彼女は25才年上のボギーの奥さんだったのだ。
酒場でギタ-をかき鳴らしながら歌うモンロ-は実に妖艶である。そのモンロ-が一転してジ-ンズを穿き洗いざらしのシャツを着て筏で激流に挑まざるを得なくなる。同行のミッチャムに協力してその息子と共に筏の舵を操作して激流の飛沫を浴びている内に、酒場女としての脂粉が洗い流され素のオンナに戻ってゆき、自然の光を浴びても色あせぬ素肌の魅力を獲得するに到る。眠たげな目のミッチャムはあくまでも男らしく息子(トミ-・レティッグ)は健気で、この二人に家族として迎えられたモンロ-は、もう必要としなくなった赤いハイヒ-ルを捨て二人と肩を並べて馬車でホ-ムへ向かうのだった。マリリン・モンロー渾身の作品。
七年目の浮気(特別編) [DVD]
マリリン・モンローと2番目の夫ジョー・ディマジオ(右)(1954年)
その後、”セックスシンボル”を脱したかった彼女は、ニューヨークに移りリー・ストラスバーグが主催するアクターズ・スタジオで演技の指導を受けていて、『アンナ・クリスティ』や『欲望という名の電車』を演じ好評を博した。
アーサー・ミラーとの結婚式時
大統領まで虜にしてしまう魔性の女・マリリン!!
1961年にミラーとの離婚に先立つ1959年頃から、ケネディの妹の夫で俳優のピーター・ローフォードやフランク・シナトラの紹介で、前年に大統領となったジョン・F・ケネディと肉体関係にあったことが、ローフォードやモンローの家の家政婦のレナ・ペピートーンなどの多数の証言により明らかにされている。
ケネディ大統領の誕生日祝賀会の後にケネディ兄弟と話すマリリン(1962年5月19日)
花の命は短くて・・・
遺体が発見されたモンローの家(1992年)