「Z」のエンジンを見る
KCコミック湾岸ミッドナイト第十三巻P212
ハネなしのGT-Rを見つけ、興味がわき追い始めるもチギられてしまう。ドライバーは女だった。レイナである。その直後には「つばさ橋」の上で踏み切って300Km/hまで出していた自分の「R」に追い付いてきた車に驚愕する。アキオの「Z」だった。
本人は「R200CLUB」に最年少で参加し、GT-Rを最高の車として信じ、それ以外の車には一切興味すら示さない人間だったが、この「Z」には自然と魅かれていってしまう。
その後、ブラックバードとのバトルで敗北感を味わい、それをバネに自分のGT-Rを煮詰めていく。そして再びブラックバードと出会い走った時にはあの島 達也にさえ屈辱感と敗北感を与えるまでに車を仕上げていく。
本当に「GT-Rを愛している男」だった。
FLATレーシングGT-R V-Spec(BCNR33)
KCコミック湾岸ミッドナイト第十三巻P201
この車が矢田部で200マイル(320km/h)を記録したのかは描写が無かったが、その可能性は高いと感じる。いずれにせよ800馬力のエンジンにまでチューンアップされていることは「つばさ橋」上で300Km/hまで引っ張っていけるというのだからハッタリではないはずである。
日産・スカイラインGT-R(4代目) BCNR33型
【グーネット】「スカイラインGT-R BCNR33」の中古車一覧(1~30件)
歴代のGT-Rの中で唯一専用シャーシを与えられなかった車である。生産性と効率、その中での性能の追求という矛盾を抱えてはいたが、見事に両立されていた。
しかし大型の乗用車との共用シャーシは車体を大きくし、人によっては好き嫌いがハッキリとした車だった様な気がする。しかし剛性は確実に先代よりも高くなり、ECUの16ビット化、過給圧の上昇、バルブタイミングや吸排気系、圧縮比、フリクションロスの見直しなど、またアテーサE-TSの恩恵もありGT-Rとして恥ずかしくない性能を発揮している。
村上 ミカ
ファッション関係雑誌のライター
KCコミック湾岸ミッドナイト第十五巻P203
この「湾岸ミッドナイト」という漫画のストーリーの中で、いくつかの男女の関係がかかれているのだが、ほとんどの場合女性側からのアプローチである。御多分に漏れず、黒木 隆之と村上 ミカの場合もそうであった。レイナにしてもそうだしマーミとマサキの時などはマーミのあまりにも男らしい?方法でマサキにケジメを付けさせる(引導を渡す?)シーンなどは自分が女だったら絶対惚れてしまいそう?なほどであった。
大体、この物語の中の男性陣は往々にしてヤンチャな小僧のまま大人になってしまったような人間たちが多く、一人だと人生ダメにしてしまうタイプばかりなので、どうしても女性陣がシッカリしたキャラでないとバランスが取れなくなってしまうのかもしれない。
R200CLUB
ブラックバードとの遭遇シーン
KCコミック湾岸ミッドナイト第十四巻P24/P25
さて、少しR200CLUBの事について書いておきたい。山本や大田などに代表される古くから車に関わり、経営的にも安定した上に、名声まで手にしている、もしくは経営を度外視しても超一流と呼ばれる(実際結果を出している)チューナーたちが、再び勃興し始めたことに危機感を募らせている。経営は皆厳しく、これ以上客が流れて行ってしまうのは死活問題となるのだ。
そこで実績のあるチューナーたちのチューンした車よりも自分たちのチューンした車の方が速い事を証明し、自分たちの方が上だ!と世間に認めさせようと、まず巷で激速で噂の女(レイナ)が乗るYMスピードの白い32Rをターゲットにさだめた。
黒木は既にこの32Rのそばには「ブラックバード」や「Z」がいることを知っていたのでこの話には乗らず、「藪をつついて蛇を出す事にならないように・・」と忠告している。
そしてメンバーたちが3台で待ち構えているところに先に現れたのは「ブラックバード」だった。彼らにしてみれば良いリハーサルぐらいの気持ちで仕掛けるが、相手が悪すぎる。とっちらかった1台がスピン、もう1台を巻き込んでの事故を起こす。残る1台もかぶせていくがスピードが違いすぎるのだろう。事故った様子は描写が無いが相手になってはいなかった。
そしてそれに追い打ちをかけるように夜逃げした安彦のショップに債権者が押しかける前にめぼしい物を持ち出すという火事場泥棒紛いの行動をとった事に失望した黒木はR200CLUBをぬけるのだった。
結局のところ、彼らは黒木を除きチューニングに対するモチベーションを維持できなかったのだろう。これは古くからチューニングに関わってきた者たちも同じような時期があったのだが偶然にもアキオと「Z」に出会い、惹きつけられることによって情熱を取り戻していたのだ。
黒木などはR200CLUBのメンバーたちよりもアキオやそれを取り巻く人間たちに対しての方がはるかに共感でき、友達ではないがある意味それ以上の「仲間意識?」を持つにまでなっていく。
このR200CLUBがこの先どこまで存続し、どうなっていくのかは判らないが「特別な何か」が無ければ結果は見えているだろう。
「エイジ編」(阪神高速環状編)
「Z」vs「ブラックバード」vs「ランエボⅤ」
KCコミック湾岸ミッドナイト第十九巻P92
FLATレーシング黒木33Rとの走りでかなり痛烈な敗北感を味わったブラックバード島 達也は、それ以来急速に愛機「ポルシェ911ターボ」が色褪せて見えてくるようになっていた。そして走りに対するモチベーションが崩れてしまう。原因はわかっていた。踏み切れなくなってしまったのだ。車に対する信頼感が無くなってしまったように・・そんな状態で思い悩み、島は黒木に「ブラックバード」を見て欲しいと頼み、黒木の意見を求める。
北見曰く、「Z」を別格とすればこの911が今のオレの評価そのものと思ってくれていい。と黒木に911に乗って島が今陥っている状態の原因を教えてやってくれ。という意味の会話を交わしている。
結果、黒木は島に対し「あの車から心が離れていくんじゃなくて、もっと近づいてるんじゃないんですか?」「車の痛みがわかると踏み切れなくなるんですよ。そーいう時があるんですよ、ホントに。」これが答えだった。「北見 淳という同じ人間が組み上げたから当然だけど、あの911のむこうにZが見えますョ。同じ匂いなんですね、2台は。」ある意味、今までの島の考え方「車はあくまでも機械であり走るためのツール(道具)」としてしか見ないことを否定したものだった。
そして北見が島をその状態から救い出す?方法として島と共に大阪に向かった。今回の「エイジ編」はここから始まることになる。
阪神高速環状で敵なしとなっていたエイジとマキの兄弟(血のつながりはない)ランエボⅤとⅥの2台・・この2人との出会い、そして北見の古い時代の仲間シゲ。ブラックバードの復活の予感だった。
神谷 英次
阪神高速環状線では敵なしのトップランナー
湾岸MIDNIGHT SUPER TUNEDCAR COLLECTION 監修ヤングマガジン編集部
中学生の時、実母が男を作って家を出、その2年後に父親は後妻として現在の継母で子連れのバツイチ22歳のエリコをその子供マキと共に家に入れる。しかしその父も数年で新しい女を作り、多額の負債を抱えた会社を放り出し出て行ってしまう。
英次はその時エリコとマキとの生活を守るために、借金を抱えてでも会社を立て直すことを選択した。これがその後の英次の人生を決定づける。そして必死に働き借金を返済し、マキを大学にまで入れている。
走りの世界に入っていったのはいつのころからなのだろう?原作ではこれといった描写はない。ただ年の離れた弟のマキがランエボⅥに乗り、命知らずの走りでかなりの乗り手になっていることに心配もしている。
何時しか自分も30歳となり、マキに教えられることと教えられないことがある事にも気が付いている。そんな時、付き合いのあるシゲのところに東京から客人がポルシェターボのマフラーを求めてやってくることを知り、興味を持つ。
そのポルシェターボは「ブラックバード」。ドライバーは当然島 達也。東京の超A級のドライビングとそのチューンドポルシェターボの向こうに「悪魔のZ」がいること知り、走り屋兼チューナーとしての夢、「東京に出て勝負したい」その気持ちを思い出してしまう。
ここからこの英次編の本当の物語が始まるのだが、「3か月限定」と決めて東京の「本物」を求めて走り出すことになる。