この「湾岸ミッドナイト」という漫画のストーリーの中で、いくつかの男女の関係がかかれているのだが、ほとんどの場合女性側からのアプローチである。御多分に漏れず、黒木 隆之と村上 ミカの場合もそうであった。レイナにしてもそうだしマーミとマサキの時などはマーミのあまりにも男らしい?方法でマサキにケジメを付けさせる(引導を渡す?)シーンなどは自分が女だったら絶対惚れてしまいそう?なほどであった。
大体、この物語の中の男性陣は往々にしてヤンチャな小僧のまま大人になってしまったような人間たちが多く、一人だと人生ダメにしてしまうタイプばかりなので、どうしても女性陣がシッカリしたキャラでないとバランスが取れなくなってしまうのかもしれない。
R200CLUB
ブラックバードとの遭遇シーン
KCコミック湾岸ミッドナイト第十四巻P24/P25
さて、少しR200CLUBの事について書いておきたい。山本や大田などに代表される古くから車に関わり、経営的にも安定した上に、名声まで手にしている、もしくは経営を度外視しても超一流と呼ばれる(実際結果を出している)チューナーたちが、再び勃興し始めたことに危機感を募らせている。経営は皆厳しく、これ以上客が流れて行ってしまうのは死活問題となるのだ。
そこで実績のあるチューナーたちのチューンした車よりも自分たちのチューンした車の方が速い事を証明し、自分たちの方が上だ!と世間に認めさせようと、まず巷で激速で噂の女(レイナ)が乗るYMスピードの白い32Rをターゲットにさだめた。
黒木は既にこの32Rのそばには「ブラックバード」や「Z」がいることを知っていたのでこの話には乗らず、「藪をつついて蛇を出す事にならないように・・」と忠告している。
そしてメンバーたちが3台で待ち構えているところに先に現れたのは「ブラックバード」だった。彼らにしてみれば良いリハーサルぐらいの気持ちで仕掛けるが、相手が悪すぎる。とっちらかった1台がスピン、もう1台を巻き込んでの事故を起こす。残る1台もかぶせていくがスピードが違いすぎるのだろう。事故った様子は描写が無いが相手になってはいなかった。
そしてそれに追い打ちをかけるように夜逃げした安彦のショップに債権者が押しかける前にめぼしい物を持ち出すという火事場泥棒紛いの行動をとった事に失望した黒木はR200CLUBをぬけるのだった。
結局のところ、彼らは黒木を除きチューニングに対するモチベーションを維持できなかったのだろう。これは古くからチューニングに関わってきた者たちも同じような時期があったのだが偶然にもアキオと「Z」に出会い、惹きつけられることによって情熱を取り戻していたのだ。
黒木などはR200CLUBのメンバーたちよりもアキオやそれを取り巻く人間たちに対しての方がはるかに共感でき、友達ではないがある意味それ以上の「仲間意識?」を持つにまでなっていく。
このR200CLUBがこの先どこまで存続し、どうなっていくのかは判らないが「特別な何か」が無ければ結果は見えているだろう。
「エイジ編」(阪神高速環状編)
「Z」vs「ブラックバード」vs「ランエボⅤ」
KCコミック湾岸ミッドナイト第十九巻P92
FLATレーシング黒木33Rとの走りでかなり痛烈な敗北感を味わったブラックバード島 達也は、それ以来急速に愛機「ポルシェ911ターボ」が色褪せて見えてくるようになっていた。そして走りに対するモチベーションが崩れてしまう。原因はわかっていた。踏み切れなくなってしまったのだ。車に対する信頼感が無くなってしまったように・・そんな状態で思い悩み、島は黒木に「ブラックバード」を見て欲しいと頼み、黒木の意見を求める。
北見曰く、「Z」を別格とすればこの911が今のオレの評価そのものと思ってくれていい。と黒木に911に乗って島が今陥っている状態の原因を教えてやってくれ。という意味の会話を交わしている。
結果、黒木は島に対し「あの車から心が離れていくんじゃなくて、もっと近づいてるんじゃないんですか?」「車の痛みがわかると踏み切れなくなるんですよ。そーいう時があるんですよ、ホントに。」これが答えだった。「北見 淳という同じ人間が組み上げたから当然だけど、あの911のむこうにZが見えますョ。同じ匂いなんですね、2台は。」ある意味、今までの島の考え方「車はあくまでも機械であり走るためのツール(道具)」としてしか見ないことを否定したものだった。
そして北見が島をその状態から救い出す?方法として島と共に大阪に向かった。今回の「エイジ編」はここから始まることになる。
阪神高速環状で敵なしとなっていたエイジとマキの兄弟(血のつながりはない)ランエボⅤとⅥの2台・・この2人との出会い、そして北見の古い時代の仲間シゲ。ブラックバードの復活の予感だった。
神谷 英次
阪神高速環状線では敵なしのトップランナー
湾岸MIDNIGHT SUPER TUNEDCAR COLLECTION 監修ヤングマガジン編集部
中学生の時、実母が男を作って家を出、その2年後に父親は後妻として現在の継母で子連れのバツイチ22歳のエリコをその子供マキと共に家に入れる。しかしその父も数年で新しい女を作り、多額の負債を抱えた会社を放り出し出て行ってしまう。
英次はその時エリコとマキとの生活を守るために、借金を抱えてでも会社を立て直すことを選択した。これがその後の英次の人生を決定づける。そして必死に働き借金を返済し、マキを大学にまで入れている。
走りの世界に入っていったのはいつのころからなのだろう?原作ではこれといった描写はない。ただ年の離れた弟のマキがランエボⅥに乗り、命知らずの走りでかなりの乗り手になっていることに心配もしている。
何時しか自分も30歳となり、マキに教えられることと教えられないことがある事にも気が付いている。そんな時、付き合いのあるシゲのところに東京から客人がポルシェターボのマフラーを求めてやってくることを知り、興味を持つ。
そのポルシェターボは「ブラックバード」。ドライバーは当然島 達也。東京の超A級のドライビングとそのチューンドポルシェターボの向こうに「悪魔のZ」がいること知り、走り屋兼チューナーとしての夢、「東京に出て勝負したい」その気持ちを思い出してしまう。
ここからこの英次編の本当の物語が始まるのだが、「3か月限定」と決めて東京の「本物」を求めて走り出すことになる。
三菱・ランサーエボリューション V
KCコミック湾岸ミッドナイト第十八巻P35
英次は車の事は全て自分でやっている。ガレージの中にはプロも裸足で逃げ出すほどの設備がそろってる。小型のフライス盤まである上、エンジン室まである。FRPのパーツまで自作している英次が制作した自分の車がこのエボⅤ。シゲのエキゾーストにマフラーが付いている。
元々はGT-Rに乗っていたのだが、速すぎて誰も相手をしてくれなくなったという冗談ともつかない理由で乗り換えたと言っている。
「WORKS R」のステッカーが貼ってあるがこれは昔、英次が立ち上げたチーム名である。しかし今では仲間はおらず、1人だけとなっている。(マキにはこのステッカーを張ることを許可した。)
三菱・ランサーエボリューションV GF-CP9A
バンダイナムコエンターテインメント ドリフトスピリッツ
ランサーエボリューションV -wikipedia
神谷 マキ
英次の義弟 エリコの連れ子
KCコミック湾岸ミッドナイト第十七巻P90
本当に英次になついている。しかしドライビングの事に関しては兄の言っている意味がよく理解できていない。英次から見ればまだまだ未熟なのだ。
しかし東京から来た島が自分のエボⅥに乗りそのドライビングを隣で見たことや走らせ方は違ってもその考え方が兄の言っていることと同じであることに気づき、何かを感じ始めた様子である。
もとは日産・シルビア (S14)に乗っていたが兄の後を追うようにエボⅥに乗り換えている。
三菱・ランサーエボリューション VI RS (CP9A)
湾岸MIDNIGHT SUPER TUNEDCAR COLLECTION 監修ヤングマガジン編集部
シゲのマフラーが入っていない事を除けば基本的な仕様は英次のエボⅤと同じである。ただしシゲのマフラーが「音」はよくてもパワーが出ないネガティヴな部分があるのに対し、この車は効率的なマフラーを選んでいるため、200回転程、最高速で15キロ程、英次のエボⅤよりエンジンが回る車に仕上がっている。
三菱・ランサーエボリューションVI GF-CP9A
三菱・ランサーエボリューション - Wikipedia
シゲ
稲田
KCコミック湾岸ミッドナイト第十七巻P6
この人の造るマフラーは何故か音だけは非常に良い。いいのは音だけで逆にパワーが落ちてしまうのだが、この音が曲者なのだ。その車に乗るとドライバーは「その気になる」のである。
本人は別に技術的な根拠をもってマフラーを制作しているのではないのだが、わけもなくいい音を出すのだ。英次は偶然やろ。とも言っているが偶然にしては同じようにいい音を出し続けることを説明することはできないだろう。
シゲのマフラーを入れたブラックバードを富永が解析するが、「わりきれない少数点をずっと追ってるみたいだ」と感想を漏らしている。しかし富永なりの解釈は出来ているようで「ネガな部分をつぶしていく」ともいっている。
なんにせよこの人のマフラーに代わるものは無いのであろう。
神谷エリコ
英次の義母
KCコミック湾岸ミッドナイト第十七巻P135
夫であり、英次の父親である裕さん(フルネームは判らず)が女と借金をを作り家を出た後、英次と共に神谷青果を立て直し、幼かったマキを育てあげた。
英次が抑えていた東京に出たいという気持ちを知り、会社をたたんで東京に出てくれと英次に勧める。彼女にとって英次はとても大切な人間になっていた事で英次の夢を奪っていたことに罪の意識を持っているのだ。
大田 リカコ
小さい時からとにかく機械イジリが好きだったようだ。小学生の頃、父に買ってもらった工具セットがお気に入りで、家中のネジを緩めたり絞めたりしていたというのだから、女の子としてはかなり変わっていたと言えるだろう。(しかし小さな女の子にオモチャ代わりに工具セットを買い与える父親も父親だが・・)
中学2年の時には工場に転がっていたL型エンジンをバラし、その後次々とエンジンをバラしていた。もちろん組み上げられないのでそのまま放置となるのだが・・当然父親は「組めないならバラすな!」と怒るのだが中2の女の子がL型エンジンをバラしているというのは末恐ろしいとしか言いようがない。
この「エイジ編」からの登場となるのだが最初にエイジと出会うのがバイト先のファミレスで、その後RGOに手伝いに来ることになったエイジとRGOでツナギ姿で会うというのも何かの縁があるのかもしれない。(男女の関係ではなく)そういえば「Z」を初めて見たのもエイジの隣で一緒に走っていた時だった。
RGOの大切なお得意様のGT-RのRB26エンジンをOHし(RB26を組んだのはこの時が初めて)、エイジのエボⅤのエンジンを組みなおしそのセンスを知らしめ、RGOのチーフメカニックの山中には「自分には持ち合わせていないセンスがある。父親のDNAを継いでいる。」というような意味のセリフを吐かせ、北見以外の人間ではじめて「Z」のエンジンの心臓部に手を触れることになる。確かに父親の血を受け継いでもいるだろうが母親も高専機械化を出て、自動車メーカーの開発・技術部門を目指していたぐらいの女性で、この母の血も受け継いでいるのだろう。本当にサラブレッドなのだ。
北見にさえチューナーとして認められ「Z」のメンテナンスを引き受けるようになり、レイナが海外に出る時にはあの「白の32R」を預かることにもなった。
周りの古くからのチューナーたちを「おじさん」と呼び、また彼らからは「リカ坊」と呼ばれて可愛がられている様子もある。「Z」に手を入れる時には「リカコスピードファクトリー」と称して子供が書いたような請求書を出すところなどはプライドも感じるが、いじらしい感じの方が勝っている。将来が楽しみである。
あとがき
この辺りが「湾岸ミッドナイト第1部」の半分ぐらいまで来たところです。一編ずつが段々長くなっているようにも感じますが、内容はますます濃いものになっていくように感じます。あまりネタバレにならないように気を付けてはいますが久しぶりにもう一度読んでみたい方やまだ読んでいない方が興味を持ってもらえるようギリギリのところまで紹介出来るように頑張っていきます。
次回もお楽しみに!