**吉本**
格好をつけているように思われるかもしれませんが、無我夢中だったんだと思います。当時の自分の私生活のこと、あまり覚えていないんですよ。
まだちょっと距離があるのが、吉本先生とぽんちゃん先生の手元からうかがえます
**編集長**
吉本さんは僕の2歳下なんですが、一緒に青春時代を過ごしたような気がしますね。
**吉本**
ニゴシたちに混じって、自分もあの場にいるような感覚で描いてました。すいませんね、平田さんにも振り返ってもらってしまって。
**編集長**
いえいえ(笑)。
――当時を振り返るための取材ですので(笑)。
**吉本**
『昭和の中坊』から『おれたちのラブ・ウォーズ~その後の昭和の中坊たち~』とのめりこんでいたので、連載終了後に日本一周の旅に出たんです。
『昭和の中坊』で、自分が持っているものを全部出しきってしまったんで、色んなものをインプットしたくなったんです。
旅に出ようとするニゴシと自分が重なって見えましたね。漫画では、みんなが引き止めてニゴシは旅に出なかったので、もしニゴシが旅に出ていたら何を見たのか、知りたくなったんです。
**編集長**
現実では、誰も吉本さんを引き止めなかったので、旅に出られましたね(笑)。
**吉本**
『昭和の中坊』は僕にとって本当に特別な漫画です。夢中で描いていました。
――連載の開始当時、どういう読者に読んでもらいたい、反応してほしい、と思われていましたか?
**編集長**
『三丁目の夕日』を買って読んでいる層ですね。そこが動いてくれればと。ところが意外にも、ぽんちゃんみたいな女性読者から反応があり驚きました。
――女性読者の代表ということで、そのあたりの事情を地球のお魚ぽんちゃん先生にお伺いできますでしょうか?
**ぽん**
知ったのは大学生のときなんですが、男性の先輩から「面白い漫画があるから」って、ちょっと前に出た「漫画アクション」を貸してくれたんです。それで読んだらこれが面白くて単行本を読み始めました。
――中年男性読者を狙った昭和レトロな作品に、美人大学生が熱狂。さらには、みずから漫画を描き始め、『昭和の中坊』と同じ双葉社からデビューすることになるまでの話は<後編>でお楽しみください!