スネークマンショー
スネークマンショーをご存じでしょうか?1976年からラジオ番組として始まり、カルト的な人気を誇りました。
一般に知られるようになったのは、YMOのミニアルバム「増殖」にスネークマンショーのコントが収録されてからでしょう。

増殖
当時人気絶頂だったYMOのアルバムにギャグが入っているというのは相当の驚きでした。スネークマンショーの存在を知らない者にとっては尚更です。
今聴いても吹き出してしまいますよね。笑いの中にタップリと毒を含んでいます。
スネークマンショーとはユニット名です。1975年末に桑原茂一と小林克也によって音楽ラジオ番組が始まり、1976年末に伊武雅之が参加します。
桑原茂一はプロデューサーとしての立場が強く、あまり表には出てきません。一方の小林克也が咲坂守を、伊武雅之が畠山桃内を名乗ってコントを繰り広げており、一般に知られているのはこの2人の声です。

スネークマン
急いで口で吸え!
1980年のYMOとのコラボ「増殖」がヒットし、スネークマンショーが話題となったことで1981年に発売されたのが「スネークマン・ショー(急いで口で吸え!)」です。

スネークマンショー (急いで口で吸え!)
プロデュースは桑原茂一と細野晴臣が行っており、YMO、加藤和彦、ムーンライダース、プラスチックス、クラウス・ノミ、ザ・ロカッツなど流行の先端を走るミュージシャンが参加しています。
コントだけのアルバムではなところが他のお笑いとは違うところですね。
このアルバムからは、「咲坂と桃内のごきげんいかが123」がシングルカットされました。
死ぬのは嫌だ、恐い。戦争反対!
音楽面では前作からガラリと変わってガムランなどバリ島の音楽をフィーチャーしているセカンド・アルバム「死ぬのは嫌だ、恐い。戦争反対!」。
前作同様1981年の発売ですが、桑原茂一、伊武雅刀、小林克也3人による実質的には最後のアルバムです。

死ぬのは嫌だ、恐い。戦争反対!
「愛と平和」「戦争反対」がコンセプトになっておりコントのタイトルにはすべて「愛」が付いています。中でも「ホテルニュー越谷」のナレーションで有名な「愛のホテル」は秀逸です。まぁ、下ネタなんですけどね。
3人の間では制作前から本作で最後にしようと話し合われていたそうです。しかし、ラスト・アルバムとするには余りにも惜しく、非常に完成度の高い入魂の作品となっています。
スネークマンショー海賊盤
3枚目のアルバムは、当初はコンドームの箱を模したパッケージに入ったカセットのみで1982年に発売された、タイトルが示すようにまさに怪しげなアルバム「スネークマンショー海賊盤」です。

スネークマンショー海賊盤
スネークマンショーのあまりの人気に発売せざるを得なかったという本作ですが、YMOの代表曲メドレーなど無視できないアルバムとなっています。
ピテカントロプスの逆襲
1983年に発売された4枚目のアルバム「ピテカントロプスの逆襲」ですが、実は小林克也と桑原・伊武の意見が合わなくなったことから小林克也は既に脱退しておりアルバムには参加していません。

ピテカントロプスの逆襲
音楽はYMOから「MELON」「WATER MELON」をフィーチャーしたものとなっており、コントは小林克也の穴を埋めるかのように伊武雅刀が大活躍しています。
楽しいテレビ
桑原茂一を監督に制作され、1984年に発売されたのが待望にして唯一となるスネークマンショーの映像作品「楽しいテレ ビ」です。

楽しいテレビ
Amazon.co.jp | スネークマンショー「楽しいテレビ」 [DVD] DVD・ブルーレイ - 伊武雅刀, 竹中直人, 大竹まこと, いとうせいこう, 阿藤 快, きたろう, 中村ゆうじ, 桑原茂一
小林克也の不在は非常に残念ではありますが、伊武雅刀をはじめ、竹中直人、いとうせいこう、シティボーイズ、中村ゆうじといった一癖も二癖もある人たちが参加しています。
アンソロジー
その後、スネークマンショープレゼンツとして「竹中直人 かわったかたちのいし」や「スネークマンショー 核シェルターブック」などが発売されましがスネークマンショーは自然消滅します。
そして何種類ものベスト・アルバムが発売されました。スネークマンショーの人気の高さを伺い知ることが出来ますね。

アンソロジー
中でも1976年から1980年にわたりラジオで放送された伝説の番組 「スネークマンショー」から未発表のコント満載の「スネークマンショー・アンソロジー 」は代表的なコントも収められておりお勧めです。
2000年代に入りスネークマンショーは突如として復活しファンを喜ばせました。これからもまだまだ楽しませてくれそうですよ。
それにしても伊武雅之演じるジャンキー大山というキャラクターは凄まじいです。下ネタですが、最後にこれを聴いて笑いましょう。
いや、最高ですね。