時任三郎が「牛若丸三郎太」に扮して大ヒットした『勇気のしるし』

時任三郎が「牛若丸三郎太」に扮して大ヒットした『勇気のしるし』

時任三郎が自身の演じた「リゲイン」のCMキャラクター「牛若丸三郎太」に扮して歌った『勇気のしるし』。リリースされたシングルは60万枚を超える大ヒットを記録し、歌番組に出演した際はド派手なパフォーマンスを繰り広げていたものです。


80年代~90年代にさまざまなドラマ・映画に出ていた時任三郎

『ふぞろいの林檎たち』(TBS系)の岩田健一役で一世を風靡した時任三郎。さまざまなドラマ・映画で主演を務め、80年代~90年代を代表する俳優として名をはせたのはご存じの通りです。
1999年からは、「子供をのびのびと育てたい」との理由からニュージーランドへ移住して主夫生活に専念。子育てもひと段落した2003年からまた日本に拠点を移し、現在に至るまでマイペースな俳優業を続けています。

昔は歌手としても精力的に活動していた

今でこそ、専業俳優となっている時任ですが、キャリアの初期においては、歌手としても活動していました。デビュー曲は『川の流れを抱いて眠りたい』(オリコン最高29位)。以降コンスタントに曲を出し続け、映画『俺っちのウェディング』(1983年)、フジテレビ系ドラマ『ライスカレー』(1986年)など、自分が主演を担当する作品の主題歌は自分で歌うという、全盛期の反町隆史や福山雅治と同じような立ち位置で、活躍していたものです。

直近でリリースした楽曲は、2007年に出演したドラマ『花嫁とパパ』の挿入歌『君の帰る場所』。ドラマの作中において、時任は娘役の石原さとみを溺愛する父親役を熱演。実生活においても、わざわざ俳優業をストップしてニュージーランドで育児に没頭していた子煩悩な時任を意識した、配役・楽曲だったのは間違いないでしょう。

キャリア最大のヒット曲となった「リゲイン」のCMソング『勇気のしるし』

こうした歌手・時任三郎のキャリアにおいて、もっともヒットした楽曲が、1989年11月22日にリリースした『勇気のしるし』です。
これは、三共(現・第一三共ヘルスケア)の栄養ドリンク「リゲイン」のCMソング。同商品における有名な「24時間戦えますか?」というキャッチコピーは、中外製薬「グロンサン強力内服液」の「5時から男」と共に、バブル期のイケイケなサラリーマンを象徴する名文句として、今もなお語り継がれています。

時任が「牛若丸三郎太」に扮装してから、一気に話題のCMとなった

「リゲイン」のTVCMは初期の頃、あまり話題になりませんでした。注目されるようになったのは、時任が「牛若丸三郎太」なるオリジナルキャラに扮するようになってから。今流行っているauの「三太郎シリーズ」然り、ちょっと前にやっていた、ジャン・レノや妻夫木聡がドラえもんのキャラに扮したTOYOTAのCM然り、いつの時代も人気俳優の「キャラもの・コスプレもの」は鉄板コンテンツなのかも知れません。

かくして、人気のCMソングとなった『勇気のしるし』は、3分ほどのシングルバージョンとしてリリースされます。オリコンシングルチャートでは、最高2位にランクイン。最終的には累計で60万枚以上を売上げ、1990年度のオリコンシングル年間チャートでも16位に食い込むという、大ヒットを記録しました。

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『夜のヒットスタジオSUPER』で生歌を披露。ド派手な演出も話題に

これだけのヒットを飛ばしたわけだから、当然、歌番組がほうっておくはずもありません。 しかし、時任があまり乗り気でなかったのか、はたまた、プロモーションの一環として出し惜しみしていたのかは定かではありませんが、『歌のトップテン』でランクインするも、時任は「鞍馬山で修行中」との理由で出演を辞退。しかし、それでも根強く出演を望む声があったらしく、ついに『夜のヒットスタジオSUPER』での生歌が実現します。

その時の演出はとにかくド派手。まず、暗雲立ち込めるスタジオ空中から、牛若丸三郎太に扮した時任が登場。ロープを使って地上へと着地し、雷光と共に晴れ間が射したかと思ったら、それと同時に「黄色と黒は勇気のしるし♪」と歌い出します。背後には、天女風のバックダンサーも。歌い終わったら颯爽と去っていくというその一部始終は、視聴者に絶大なインパクトを与えました。

この『勇気のしるし~リゲインのテーマ~』は、世界を相手に戦うビジネスマンへの応援歌となっています。

1つの会社組織で生き抜くことと、オーバーワークへの賛歌とも取れる歌詞の内容は、ブラック企業と過労死が問題化し、プレミアムフライデー、夕活の推奨など、国家をあげてワークライフバランスの向上に躍起になっている今の社会状況とは、あまりに乖離しています。今の時代では、決して受け入れられないでしょう。2014年発売の『リゲイン エナジードリンク』のキャッチコピーが、「24時間戦うのはしんどい」というセルフパロディになっているのがいい証拠です。

しかし、バブル期の代表的俳優・時任三郎が歌ったこの曲は、当時を象徴する楽曲として、これからも語り継がれるに違いありません。

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(こじへい)

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