ビッグ・ウェンズデー

夏だ!海だ!サーフィンだ!ということで、夏と言えば何といってもサーフィンですね。花火やキャンプなど夏には楽しいイベントがたくさんあります。が、しかし、ここはやはりサーフィンです。でなければ話が進みません。
サーフィンを題材とした映画は古今東西いくつもありますが、名作中の名作が1978年の「ビッグ・ウェンズデー」です。

ビッグ・ウェンズデー
サーフィン映画がといえば1964年に公開された「エンドレス・サマー」も有名ですが、「ビッグ・ウェンズデー」は「エンドレス・サマー」のようなドキュメントではありません。
しっかりとしたストーリーがあります。サーフィンに題材をとった青春映画といってよいでしょう。なので、サーフィンに興味のない方でも楽しんで観ることができます。でも、きっとサーフィンがやりたくなると思いますよ。
あらすじ
1962年、10年に一度水曜日にやって来るという伝説の波“ビッグ・ウェンズデー”に挑戦することを夢見ているマット、ジャック、リロイの3人のサーファーは、日々パーティやバカ騒ぎをして青春を謳歌していました。

主役の3人
1965年、しかし、そんな彼らにもベトナム戦争の影が忍び寄ってきます。仲間たちは徴兵を逃れようと知恵を縛る中、ジャックは自ら志願します。

マット&リロイ
1968年、時代が、価値観が大きく変わり、マットはすっかり過去のサーファーとなってしまいます。行きつけの店はなくなり、ある友人は結婚し、ある友人は死亡してしまったり。。。
そんなある日、ジャックが生還してきます。3年ぶりの故郷ですが、恋人はこの3年間の間に他の男と結婚していました。
1974年、ベトナム戦争もおわり、彼らの待っていた“ビッグ・ウェンズデー”がついにやってきます。既にバラバラになってしまい友達と連絡がつかない中、ひとりで海に向かうマット。しかし、そこにはジャック、リロイが待っていました。。。

マット、ジャック、リロイ
さて、その後どうなったかは映画を観てのお楽しみですが、海岸で見ていた若い男が、マットに「最高のライドでした」と言いよってきます。
マットは、「またこんな日が来たら乗ればいい」といってボードを差し出すのでした。

ベアー
このボードは、サーファー仲間の大先輩であり、父親のような存在でもあるベアーという男から譲り受けたものです。世代が変わり、男から男へとバトンが手渡せれるのです。ボードという形をした魂が。
キャスト
この映画はやはりマットを演じるジャン=マイケル・ヴィンセントでしょう。あまりにもカッコよすぎます!
この一作でスターの仲間入りを果たしたジャン=マイケル・ヴィンセントは、1980年に「摩天楼ブルース」、「アースライト/君は星になった」などに出演し、1984年からはテレビ映画「エアウルフ」で再び人気を博しました。これは日本でも「超音速攻撃ヘリ エアーウルフ」というタイトルで1986年10月から1987年11月まで放送されました。

ジャン=マイケル・ヴィンセント
そして、真面目な好青年ジャックを演じるウィリアム・カットですね。二枚目です。「ビッグ・ウェンズデー」に出演する前には、ブライアン・デ・パルマ監督の恐怖映画「キャリー」に出演しており、「ビッグ・ウェンズデー」の翌年には「新・明日に向って撃て!」で主役を演じています。
1981年から始まったテレビシリーズ「アメリカン・ヒーロー」の教師ラルフ・ヒンクリー役は代表作といってよいでしょう。
有名なエピソードとしては、「スター・ウォーズ」のルーク・スカイウォーカー役のオーディションを受けていたというのもがあります。結局主役はマーク・ハミルになったわけですが、ウィリアム・カットのルーク・スカイウォーカーというのも観てみたいものですよね。

ウィリアム・カット
リロイを演じたのが、ゲイリー・ビジーです。個性が強い俳優ですね。「ビッグ・ウェンズデー」でも主役の一人でありながら、怪演といってよいような強烈な存在感を示しています。だからでしょうか、この後はアクション映画などで悪役としてよく出演していのを見かけます。それにしても現在までに100本以上の映画に出演しているということですからスゴイですよね。今でも現役バリバリの役者さんです。

ゲイリー・ビジー
監督はジョン・ミリアス、脚本も共同で担当しています。ジョン・ミリアスは、10年もサーフィン映画に関する企画を練っていたのだそうですよ。
物語は自分や友人たちのエピソードで出来ているとのこと。脚本も担当している理由はこうしたことからですね。
ベイジル・ポールドゥリスが担当した音楽が、これまた素晴らしいのです。

Big Wednesday CD, Soundtrack, Import
このサウンドトラック盤は、近年よくあるヒット曲の寄せ集めというものではありません。オリジナルなだけに各シーンを感動的に盛り上げてくれます。
但し、残念なことに現在このアルバムは国内では発売されていないようです。
ぜひ、ぜひ「ビッグ・ウェンズデー」を観て、暑い夏を乗り越えましょう!