日活ロマンポルノ『団地妻』シリーズ
団地妻。なんと官能的な響き。いえ、それが日活ロマンポルノのタイトルということを知っていないとそうは感じませんよね。しかし、それを知っていれば団地妻と聞いただけで甘美な世界へと誘われていくってなものです。
「団地妻」シリーズは70年代に、なんと20作品も作られたんですよ!

団地妻
20作品。いかにヒットしたかということが窺い知れます。今となってはなかなか鑑賞することが難しいのですが、ちょっとまとめてみましょう。
団地妻 昼下りの情事
団地妻シリーズは、この「団地妻 昼下りの情事」から始まりました。実はこの作品、日活ロマンポルノの第1作でもあるんです。

団地妻 昼下りの情事
この作品が団地妻シリーズを、日活ロマンポルノを作り上げたんです。感慨深いですね。主演は白川和子。お色気たっぷり。そう、昭和の色気です。最高!

白川和子
監督は西村昭五郎が務めています。西村昭五郎といえば、団地妻シリーズと団鬼六の原作もので有名な監督です。
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一度は観ておきたい記念碑的作品ですね。昭和のエロスがお好きな方は是非。
「団地妻 昼下りの情事」がヒットしたことで、1979年まで長きにわたって続編が作られていくんですね。
1972年
2作目となる「団地妻 しのび逢い」は、同じく監督:西村昭五郎、主演:白川和子のコンビにより、1972年4月29日に公開されています。
7月8日には、監督:遠藤三郎、主演:宮下順子で「団地妻 忘れ得ぬ夜」が公開されます。宮下順子イイですねぇ。

宮下順子
なんと翌月の8月には、監督:西村昭五郎、主演:二條明美で「団地妻 昼下りの悶え」が公開。更に10月28日には「団地妻 女ざかり」が監督:遠藤三郎、主演:宮下順子で公開されています。
1973年
1973年に入ると、年明け早々1月13日に監督:遠藤三郎、主演:宮下順子による「団地妻 奪われた夜」、3月14日、同じコンビで「団地妻 歓喜の夜 」が公開されます。

団地妻 夺われた夜
更に4月14日公開の「団地妻 女の匂い 」は 監督が白鳥信一に変わり、7月4日公開の「団地妻 火遊び」では西村昭五郎に監督が変わったものの、全て主演は宮下順子。この年、他にも日活の主演作が何作もあるにも拘らず、宮下順子が大活躍します。
1974年
約半年ぶりになりますかね、「団地妻 昼下りの誘惑」が1月15日に公開されます。 監督:西村昭五郎、主演:宮下順子の黄金コンビです。
日活もマンネリを警戒したのでしょう。次作が公開されたのは更に半年後の7月20日でした。タイトルは仕切り直しをするかのごとき「新・団地妻 けものの昼下り」。

新・団地妻 けものの昼下り
まぁ、「新」が付いたからと言って特別変わったところがあるわけではありません。監督こそ加藤彰になっていますが、主演は我らが宮下順子。もう、ミセス団地といっていいでしょう。
1975年
1975年最初の団地妻は2月19日に公開されたのですが、監督こそ西村昭五郎ですが、ここにきて主演が珠瑠美に変わります。これでこそ「新」です。

新・団地妻 売春グループ13号館
タイトルは「新・団地妻 売春グループ13号館」。危険な香りいっぱいで期待に胸が膨らみますよね。5月17日に公開された次作「新・団地妻 ブルーフィルムの女 」( 監督:林功)」も珠瑠美が主演をつとめています。
が、11月22日公開の「新・団地妻 夫婦交換」では中島葵が主演することになります。
1976年
中島葵は一作のみで、3月6日に公開された「団地妻 肉体金融」は、水城ゆうが主演です。監督はお馴染みの西村昭五郎ですね。
しかし、水城ゆうも1作のみで、10月9日公開の「団地妻 (秘)出張売春」では宮井えりな が主演しています。

団地妻 (秘)出張売春
女優の人気が定着しなかったのか、新鮮味を出したかったのか、団地妻シリーズは主演を作品ごとに変えていく作戦をとることになります。
1977年
この年、団地妻シリーズのファンには嬉しい事件(?)が起こります。そう、事件といっていいでしょう。7月23日に公開された「団地妻 雨やどりの情事」の主演を久しぶりに宮下順子が務めたのです。監督はモチロン西村昭五郎です。

団地妻 雨やどりの情事
やはり宮下順子はいいですねぇ。この年も「未亡人学校」や「昼下がりの情事」などに出ていますが、やはり団地妻が似合います。
そしてこの年もう1本、11月26日に「団地妻 犯された肌 」が監督:白井伸明、主演:宮井えりなで公開されています。
1978年
1978年4月15日公開、監督:林功、主演:志麻いづみの「団地妻 二人だけの夜」。

団地妻 二人だけの夜
主演は日活ロマンポルノ後半期の10年を支えた志麻いづみ。イイですねぇ。日本舞踊の名取りというだけあって、落ち着いた雰囲気がたまりません。
1979年
6月23日公開、監督:林功、主演:宮井えりなの「団地妻 狙われた寝室」。

団地妻 狙われた寝室
団地妻 肉欲の陶酔 (1979年11月23日) 監督:伊藤秀裕、主演:鹿沼えり
鹿沼えり といえば、特撮ドラマ「秘密戦隊ゴレンジャー」で「陽子ちゃん」ことイーグル隊員・加藤陽子役としても知られていますね。

団地妻 肉欲の陶酔
後に実生活で夫婦となる鹿沼えり、古尾谷雅人の共演です。今となってはなかなか感慨深いものがありますね。
日活ロマンポルノとしての団地妻は、これで最後となります。しかし、団地妻は不滅。これ以降も今日まで各社から様々な形で団地妻をタイトルとした作品は発表され続けています。スゴっ!