セリフは一切なし、70年代当時の人気のミュージシャンが多数参加した狂気のロック・オペラ、トミー。

セリフは一切なし、70年代当時の人気のミュージシャンが多数参加した狂気のロック・オペラ、トミー。

70年代に人気だったミュージシャンが多数出演した類稀なる映画「トミー」。ザ・フーのロック・オペラ・アルバムを鬼才ケン・ラッセルが見事なまでに映画化しています。セリフは一切なく、出演ミュージシャンは勿論のこと、ジャック・ニコルソンやオリヴァー・リードなどの俳優陣も見事な歌声を披露しています。


TOMMY

1975年に公開されたイギリスのミュージカル映画「トミー」をご覧になったことがありますか?イギリスのミュージシャンが多数出演しており音楽ファンにはたまらない1本です。また、ミュージカルなだけに全てのセリフは歌だけで出来ていて、地にセリフは一切ありません。
このためミュージシャンは勿論のこと、俳優もすべて自分の演じるパートは一切アフレコはなく自ら歌っています。なので、アン=マーグレットは勿論のこと医者の役をしているジャック・ニコルソンや主人公の継父役のオリヴァー・リードも自ら歌っており見どころ、聴きどころのひとつになっています。

監督を務めたのは、「肉体の悪魔 」、「狂えるメサイア 」、「アルタード・ステーツ/未知への挑戦 」などで知られるケン・ラッセルです。

本名:Henry Kenneth Alfred Russell
誕生:1927年7月3日
死没:2011年11月27日(満84歳没)
国籍:イギリス
職業:映画監督
活動期間:1956年~2011年

ケン・ラッセル

ケン・ラッセル監督の作品は「スキャンダラス」「狂気」「耽美的」「変質的」などと形容され、かなりアバンギャルドな作風のものが多いのですが、トミーも例外ではなく映像全体が原色を基調としたとてもカラフルな作りになっています。

ところで、当初は監督には若きジョージ・ルーカスを考えており、実際に依頼を出したのだそうです。しかし、その時既に「アメリカン・グラフィティ」の製作にとりかかっていたため、このオファーを断っています。
ジョージ・ルーカスが作ったトミーも観てみたかったですね。

さて、この映画はそもそもザ・フーが1969年5月に発表した史上初のロック・オペラ・アルバムである「トミー」が元になっています。

1. 序曲
 2. イッツ・ア・ボーイ
 3. 1921
 4. すてきな旅行
 5. スパークス
 6. 光を与えて
 7. クリスマス
 8. 従兄弟のケヴィン
 9. アシッド・クィーン
 10. アンダーチュア
 11. 大丈夫かい
 12. フィドル・アバウト
 13. ピンボールの魔術師
 14. ドクター
 15. ミラー・ボーイ
 16. トミー、聞こえるかい
 17. 鏡をこわせ
 18. センセイション
 19. 奇蹟の治療
 20. サリー・シンプソン
 21. 僕は自由だ
 22. 歓迎
 23. トミーズ・ホリデイ・キャンプ
 24. 俺達はしないよ

トミー

名盤として名高い「トミー」は、映画「トミー」のサウンドトラックではなく、このアルバムを映画化しているのです。なので、原案はもちろん、音楽監督はザ・フーのピート・タウンゼントが担当しています。そして主人公のトミーを同じくザ・フーのロジャー・ダルトリーが演じました。

サウンドトラック・アルバムは別にあり、ザ・フーのメンバーはもちろんのこと、映画にも出演してるエリック・クラプトン、エルトン・ジョン、ティナ・ターナーをはじめとして、ニッキー・ホプキンス、ロン・ウッドなどなど豪華なミュージシャンが多数参加しています。

ディスク:1 
 1. トミー序曲
 2. プロローグ1945(インストゥルメンタル)
 3. キャプテン・ウォーカー/イッツ・ア・ボーイ
 4. バーニーのホリディ・キャンプ
 5. 1995/ホワット・アバウト・ザ・ボーイ
 6. すてきな旅行
 7. クリスマス
 8. 光を与えて
 9. 気むずかしい女王
 10. 大丈夫かいI
 11. いとこのケヴィン
 12. 大丈夫かいII
 13. フィドル・アバウト
 14. 大丈夫かいIII
 15. スパークス(インストゥルメンタル)
 16. 号外・号外・号外
 17. ピンボールの魔術師

ディスク:2 
 1. シャンペン
 2. 医者が見つかった
 3. さあ、鏡のところへ
 4. トミー、聞こえるかい
 5. 鏡をこわせ
 6. 僕は自由だ
 7. 母と息子
 8. センセーション
 9. 奇跡の治療
 10. サリー・シンプソン
 11. 歓迎
 12. テレビ・スタジオ
 13. トミーのホリデイ・キャンプ
 14. 俺達はしないよ
 15. シー・ミー・フィール・ミー/リスニング・トゥ・ユー

トミーオリジナル・サウンドトラック

Sound System

この映画は1975年4月から一般公開されました。はじめて公開された当時のポスターの上部に「衝撃のサウンド・システム QSクインタフォニック方式」という聞きなれない言葉がありますね。

トミー

衝撃のサウンド・システム QSクインタフォニック方式>という活字で、友だちに付き添ってもらって有楽町の日比谷スカラ座に観に(聴きに?)行きました。
とは、日本の音響メーカー山水電気が開発した4チャンネルオーディオ再生技術です。2チャンネル音声信号から4チャンネル音声信号を創成するマトリックス再生理論を応用した方式の一つです。

「トミー」はドルビー・ステレオの歴史では最初にドルビー・ステレオ方式を採用した作品とされているようです。

Story

物語は特に難しいものではありません。簡単に言えば、主人公トミーの成長物語です。アルバムの曲順に話が進んでいきますが、この映画の特異なところはセリフが一切なく、全て歌だけで出来ているというところですね。

時代は第二次世界大戦、トミーが生まれる前に父親は戦争で亡くなります。母親は再婚するのですが、ある日、亡くなったと思っていた父親が帰ってきます。新しい父親と争いとなり、実の父親は殺されてしまうのですが、一部始終を見ていたトミーはこのことがトラウマとなり、盲目、聾唖の三重苦に陥ってしまいます。

成長してからも三重苦のままだったトミーを母親はマリリン・モンローを偶像崇拝するカルト教団の集会に連れ出します。
この奇妙な教団の教祖を演じているのがエリック・クラプトンです。

また、治療のため売春宿にいるアシッド・クイーンにトミー診せるのですが、アシッド・クイーンは麻薬でトミーを治療しようとするのでした。この役を演じているのはティナ・ターナーです。

ある日、両親はトミーの前から姿を消します。友達や叔父にいじめられるトミー。トミーはずっと鏡ばかりを見つめるようになります。鏡の中の世界に入ってしまうトミーでしたが、ピンボールに光を見出します。
三重苦の少年がピンボールをするという噂が話題となり注目を集めます。そしてピンボールの試合で勝ち続けたトミーは、ついにピンボール・チャンピオンと対決することになるのです。

ピンボール・チャンピオンを当時大人気だったエルトン・ジョンが演じます。曲はザ・フーの大人気曲「ピンボールの魔術師」です。エルトン・ジョンが歌ったこの曲はシングル・カットされ全英7位とヒットしました。

トミーはチャンピオンに勝ち大金を手に入れますが、トミーの三重苦は治りません。母親が必死になって話しかけてもトミーは何も反応しません。医者は、視覚、聴覚は正常なので話す事は可能だが、心の中の障害がそれを阻んでいると診断しました。
この医者を名優ジャック・ニコルソンが演じています。見事な歌いっぷりです。

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